プチ文壇バー 月に吠える

新宿ゴールデン街にある日本一敷居の低い文壇バーです。系列店「ひらづみ」は四谷三丁目にあ…

プチ文壇バー 月に吠える

新宿ゴールデン街にある日本一敷居の低い文壇バーです。系列店「ひらづみ」は四谷三丁目にあります。noteは店主でジャーナリストのコエヌマカズユキやスタッフ、インターン記者たちが執筆しています。

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  • インターン記者の記事

    月に吠えるのインターン記者たちが企画~取材・執筆まで手掛けた記事です。

  • スタッフコラム

    月に吠える(ゴールデン街店)のスタッフたちによるコラムです。

  • 新宿ゴールデン街 月に吠える日記

    新宿ゴールデン街「月に吠える」店主のコエヌマカズユキが、この街で経験した出来事や、出会った人々について描いたものです。事実をもとにしていますが、あくまでフィクションと認識のうえお読みください。

  • ヤクザ短歌

    2010年~2012年にかけて、一人のヤクザに密着取材をした記録を、短歌&エッセイでつづっています。事実をもとにしていますが、あくまでフィクションと認識のうえお読みください。

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全身小説家 ~作家・永沢光雄はいかに生き、死へ向かったか~

プロローグ「ライターをするのならさ」  30代後半の週刊誌記者は、酔いでややとろんとした目を僕に向けて言った。深夜2時、新宿ゴールデン街。2010年のことだった。フリーライターになったばかりで、当時30歳の僕に、この本は絶対に読んだ方がいいよ、と彼は著者名とタイトルを挙げていった。沢木耕太郎『深夜特急』、山際淳司『江夏の27球』、本田靖春『誘拐』など、知っていたり知らなかったりするノンフィクションが挙げられ、最後に紹介されたのが故・永沢光雄の『AV女優』だった。  19

    • 20歳、祝えど嗜めど ~第一回 お酒にまつわるエッセイ大賞 作品紹介~

      はじめに 2021年5月、「プチ文壇バー月に吠える」は「お酒にまつわるエッセイコンテスト」を開催しました。文字数は1200字以内で、お酒や酒場に関するエッセイであれば何でもOK。入賞者には、いつも利用している近所の酒屋さんから購入したお酒を商品として贈る、というものです。  記憶に新しいかと思いますが、新型コロナウイルスが猛威を振るっていたころ、「密」「不要不急の外出」を避けるようにと国からお触れが出され、多くの飲食店は休業あるいはお酒の提供自粛を余儀なくされました。「月に

      • カルチャー好きの方歓迎の麻雀交流会やります!

         ブックバーひらづみ は本がコンセプトですが、「本という枠組みを超えた交流をしたい!」ということで、麻雀での交流イベントを行います。  当たり前ですが、賭けはナシの健康麻雀。おひとり様&初参加の方も歓迎。ゆるく気楽な雰囲気でゲームを楽しみましょう。  最低限のルールを知っていればOK。点数計算が怪しくても、麻雀ゲームの経験しかなくても全く問題ないので、気軽にご参加ください! イベント詳細日時:5月11日(土)14時~17時 ※終了後に任意参加の懇親会あり 場所:新宿駅ス

        • 一生ものの文章力が身に付く。ライター・編集者志望から社会人まで役立つ文章講座【講師:姫野桂さん】

          \講師メッセージ/ライターの仕事はネタ出しから取材アポ入れ、取材、そして実際に執筆という流れです。取材力も重要ですが、今回の講座では文章力に着目してみます。どうしたらいろんな方に読んでもらえる文章力がつくのかお伝えします。 【講座の特徴】 01:文章力アップに繋がるノウハウ文章は書けば書くほどアップします。どうすれば早く文章力が身につくのかポイントを説明します。 02:的確な文章を書くにはどうすればいいのかライターは専門家の話を翻訳する仕事と言ってもいいです。その翻訳の仕

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          【読書会】おススメの本を紹介し合いましょう(お題:エッセイ)

          「読書会」とは、本について参加者同士で意見・感想を交わす会です。今回は「ノンフィクション」の本を持ち寄り、一人ずつ紹介していく形式です。自分のおススメしたい本の魅力に「共感」してもらったり、ほかの方のオススメ本から「発見」「気づき」を得られたりする楽しさがあります。   大事にしているのは、ゆるくて楽しい雰囲気。激しい議論や知識マウントの取り合いは一切ありません。共通の趣味の人たちと交流しながら、楽しい時間を過ごしましょう! お題「エッセイ」オススメしたいエッセイの本をご

          【読書会】おススメの本を紹介し合いましょう(お題:エッセイ)

          よくわからないものが登場する小説3選

           突然ですが、みなさんは最後に「?(はてな)」が残る小説はお好きでしょうか?  例えば、ルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」のチェシャ猫は物語の中で最高クラスにわけがわからないキャラクターですし、夢野久作の代表作「ドグラ・マグラ」は物語自体の正体がわからない作品です。  筆者はこのような、明らかにならない存在が登場する物語に、妙な趣を感じてなりません。あれはなんだったのだろうと考えているうちに、今見ている景色や自分の存在さえも謎に包まれているような気分になるのがたまら

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          現代の絶滅危惧種?ある文芸評論家の”書生”をしていた青年の数奇な半生

           「書生」をしていたという人に会った。この平成の世においてである。  浪漫派の作家・泉鏡花は尾崎紅葉の書生をやっていた。私小説作家・藤澤淸造も斎藤隆夫という弁護士の書生であった。しかしそれらは明治の話である。  そんな21世紀において絶滅危惧種である職業の経験者は、世希哲(せきさとる・筆名)さん、47歳。彼は某文芸評論家の書生を10年間やっていた。 君の住むところを確保しといたから 世希さんと師匠となる文芸評論家との出会いは、彼が18歳のとき。師匠はそのとき40代。世希

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          白塗りメイク、学生帽でライブ…アングラ文化を継承したバンド「フーテン族」の実態

           アングラ演劇で知られる寺山修司の作品を彷彿とさせる、白塗りの妖艶なボーカル、それを取り巻く奇抜なメンバー。彼らは強烈なビジュアルと渋くて重厚なサウンドを兼ね備えているバンド、「フーテン族」だ。2024年2月には、「はっぴいえんど」や「裸のラリーズ」など伝説のロックバンドを輩出してきた渋谷B.Y.Gで初のワンマンを決行。  数多のバンドが乱立する中、明らかに異彩を放っているフーテン族。彼らの独特な世界観はどのようにして形成されているのか、ボーカル・リーダーの山下大輝さんにイ

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          【予約不要・どなたも歓迎】3月20日(水・祝)17時~新宿二丁目のバーで「創作」についてトークします!

           新宿二丁目のゲイバー「A Day In The Life」を拠点に、創作活動を行う「二丁目文芸部」という集まりがあります。  基本的に誰でも参加OK。活動の一環として、部員たちで同人誌を制作。書きたいものを自由に書いてもいいし、お題に沿ったものを書いてもOK。部長で元編集者のあっきー★さんが、丁寧かつ親切に指導してくれます。 ※二丁目文芸部の詳細は以下の記事をご覧ください  このユニークな活動に感銘を受け、プチ文壇バー月に吠えるの店主コエヌマがお店にお邪魔し、あっきー★

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          本を買うとき文庫本派?単行本派?アンケートを取ったら共感と発見ばかりだった

           筆者は断然、文庫本派だった。本屋へ行くと真っ先に文庫本コーナーに向かう。書店員の書いたポップを眺めつつ、惹かれた一冊を手に取る。背表紙のあらすじを読んで、「うん。やっぱり面白そう」。小さくて持ち運びしやすいし、価格も単行本に比べれば求めやすい。  しかし、筆者は今、単行本派に傾こうとしている。きっかけは半年前に始めたバイトだ。今までのバイトより時給が高くて、筆者は貧乏大学生からプチリッチ大学生へと進化した。財布が潤っているときに本屋に行くのは大変気分が良い。いつもは手が出

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          【読書会】おススメの本を紹介し合いましょう(お題:ノンフィクション)

          「読書会」とは、本について参加者同士で意見・感想を交わす会です。今回は「ノンフィクション」の本を持ち寄り、一人ずつ紹介していく形式です。自分のおススメしたい本の魅力に「共感」してもらったり、ほかの方のオススメ本から「発見」「気づき」を得られたりする楽しさがあります。  大事にしているのは、ゆるくて楽しい雰囲気。激しい議論や知識マウントの取り合いは一切ありません。共通の趣味の人たちと交流しながら、楽しい時間を過ごしましょう! お題「ノンフィクション」オススメしたいノンフィク

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          ポアロ、ホームズ、金田一耕助……推理小説のような名探偵は本当にいるのか?現役の探偵に聞いてみた。

           シャーロック・ホームズやエルキュール・ポアロ、金田一耕助など、物語の世界には数多くの名探偵が存在する。誰もが見落とすようなことに気づく着眼点で疑問を抱き、その推理力で瞬時に謎を解き、犯人を追いつめていく……そんな名探偵は実在するのだろうか? 疑問を解決すべく、取材を敢行した。  協力いただいたのは、今まで数十社の探偵社の立ち上げを手掛け、自身も探偵事務所を運営するSさんだ。 ホームズのような名探偵は本当にいるのか?――単刀直入に伺いますが、推理小説に出てくるような名探偵

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          世界チャンピオンから作家へ転身したボクサー、ホセ・トーレス プエルトリコの英雄と呼ばれた男の半生

           プロボクサーの”モンスター”こと井上尚弥による2階級・主要4団体での王座統一や、”神童”と呼ばれたキックボクサー・那須川天心の転向など、ボクシング界に注目が集まっている。  ボクシングに関する本と言えば、沢木耕太郎が悲運のボクサー・カシアス内藤の半生を描いた名著『一瞬の夏』や、百田尚樹がファイティング原田とライバルたちの激闘を描いた『黄金のバンタムを破った男』、マイク・タイソンによる自伝『真相』、最近では森合正範によるノンフィクション『怪物に出会った日 井上尚弥と闘うとい

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          手づかみで食事、全身タイツでバク転…”日芸”こと日本大学芸術学部の日常もなかなかカオスなんです

           東京藝術大学は日本最高峰の芸術家の卵が集うことで有名な学び舎。『最後の秘境 東京藝大 天才たちのカオスな日常』は、藝大卒の奥様を持つ作家の二宮敦人先生が、5年間に渡り東京藝大を取材してできた探訪記です。  藝大生として過ごすのに一体どれだけのお金がかかるのか、その先にある進路はどうなのか。彫刻と工芸は実用性の有無で芸術か、そうでないかが決まるのか、など。面白いトピックに溢れていて、とても読み応えがありました。  対して日本大学芸術学部(以下日芸)は、一体、何をしている場

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          芥川龍之介も悩まされた「視野をふさぐ半透明の歯車」の正体は片頭痛の前兆だった

           雨の日は決まって頭痛におそわれる……そんなことありませんか? それ、もしかして片頭痛じゃないでしょうか?  日本人のおよそ8%が片頭痛持ちで、更にその内の20~30%に「閃輝暗点(せんきあんてん)」と呼ばれる前兆症状があらわれると言われています。「閃輝暗点っていったいなに?どんなもの?」と思った方、以下の文章を読んでみてください。  これは、芥川龍之介が晩年に執筆した私小説的作品『歯車』からの抜粋です。この作品のなかではたびたび彼を悩ませる「歯車」の描写が出てきますが、

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          【募集/2月29日締め切り】第1回ひらづみ写真コンテスト ~お題:本のある時間~

           月に吠えるの系列店「ブックバーひらづみ」が写真コンテストを主催します! お題は「本のある時間」です。  ひらづみ ではこれまで、短編小説やエッセイや短歌のコンテストを開催してきましたが、写真は初の試みとなります。実は最近、ひらづみ のInstagramを開設し、運用がとても楽しいため、「次は写真だ!」とコンテスト開催に至った経緯があります。  ちなみに月吠えのインスタアカウントもあります。良ければフォローお願いしますm(_ _)m ブックバーひらづみ https://

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