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父の背中

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父と歩いてきた日々を、忘れないための生きた証。
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#家族

もう一つの追想の主題

最後に父と真正面で話を交わしたのは…いつのことだったのだろう。 最後に父と目を合わすこと…

タダノツカサ
7か月前
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ヨーキなノリノリファーザーに影響されて

父はとにかく超多忙の人間であった。 仕事柄、寝静まった頃の深夜あたりに仕事に出かけ、皆そ…

タダノツカサ
9か月前
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大きなお友達がやってきた?

小学生の頃、我が家では一つの掟としてテレビゲームをプレイできるのは1日1時間までと定めら…

タダノツカサ
7か月前
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風の強い日のくだらない話

「ただいま」 「おかえり、今日も風強かったね」 「うん。そっちは道中でおじいさんかおばあ…

タダノツカサ
3か月前
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木曜日、見舞いに行く

2021年11月某日、父が手術をすることになった。 「ひと息ついたら 大切な報告をします…

タダノツカサ
7か月前
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目と目だけの対話

「父さん…父さん。目が覚めた?」 「ツカサ、なんで?どうしてここに!?」 「お見舞いにき…

タダノツカサ
6か月前
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ジレンマは現実である

2021年12月某日。母から一本の連絡を受けた。 あの日、父の脳にできた腫瘍を摘出する手術以来、その後に良性か悪性かを判断するための検査をおよそ1〜2週間かけて行われていた。 しかし摘出した腫瘍は大半が壊死しており、確実に判断ができるまで予定よりも大幅にかかってしまっていたらしい。 そしてその検査の結果がようやく出た旨の連絡があったため、父の入院先の病院に行ってきたそうだ。   腫瘍は悪性と診断された。 父の手術を担当した医師曰く、腫瘍は全てを取り除くことはできな

すぎてゆく時間、きえていく時間

年末年始、父が家に帰ってくる。 母からLINEを介してそう伝わってきた。父の入院先から2泊3…

タダノツカサ
5か月前
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あなたの瞳に映っていた世界は

2021年12月31日、そして2022年1月1日に、父親は一時的に家に戻ってきた。 母と…

タダノツカサ
4か月前
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延命措置はしなくていいと

2022年の正月明け、父は急遽手術をすることになった。 年が明ける二ヶ月前におこなってい…

タダノツカサ
3か月前
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202203131726

2022.03.12 母『昨日の朝、お父さんの具合が少し悪くなったので、   仕事に行く前に(弟)…

タダノツカサ
3か月前
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最期まで親孝行できたもの

「もう二度としないって約束したじゃない!」 私の弟が小学生また中学生の時は、かなりの問題…

タダノツカサ
3か月前
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家族の港

「今来た人って誰だった?」 「奥のXXX号室の◯◯さんだよ。あの人とはあんまり面識なかった…

タダノツカサ
3か月前
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家族のラスト・ラン

数年前、私が東京での仕事が決まり、実家を離れて一人暮らしを始める準備を進めている間、1日だけ両親が手伝ってくれることになった。 大型家具や白物家電などの手配はすでに整っており、あとは実家から衣類や細かい小物関係なるものを運ぶだけであった。 その中にはなぜか、弟が過去に一人暮らしで使っていたお古も含まれている。…といっても、ほぼ一年弱しか使用していない電気ケトルや掃除機、それにカーテン類などの、ギリギリ車で積められそうな物ばかりだ。 両親が手伝うと言いつつも、車に物を積ん