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政治(防衛)講座ⅴ663「次は報復でモスクワ攻撃か?日本の学ぶべきこと」

本土防衛から敵地攻撃へと移行したのか。
クリミア半島を略奪されて本土に侵略されて、こんな理不尽なことが許されてはいけない。相手の本土への報復攻撃は正当防衛として許されるものであると考える。 侵略国への制裁は当然の自衛権であると考える。

       皇紀2682年12月9日
       さいたま市桜区
       政治研究者 田村 司

ソ連製ドローン転用か=ウクライナ軍、ロシア防空網突破

4 時間前

 ウクライナ軍によるとみられるロシア本土の空軍基地へのドローン攻撃では、ソ連時代に開発された無人偵察機の改良型が使用されたという見方が出ている。防空網を突破し、内陸の奥深くまで500キロ以上も飛行しており、ウクライナ軍が運用中のトルコ製の攻撃ドローン「バイラクタルTB2」(航続距離150キロ)では不可能なためだ。


ロシアのエンゲリス空軍基地の衛星画像=4日、
中部サラトフ州(ロイター時事)© 時事通信 提供

 「ソ連製のドローンで攻撃された」。ロシア国防省は発生当日の5日、ウクライナ軍の攻撃とすぐさま発表した。迎撃したと主張するが、死者が出たことは認めており、核兵器搭載可能な爆撃機の拠点2カ所が狙われたのを深刻に受け止めているもようだ。

 ロシアの政権系メディアによれば、TU141無人偵察機が転用されたとみられている。ウクライナのメディアによると、TU141はソ連時代、ウクライナ北東部ハリコフの工場で生産され、1979年から運用。もともと航続距離400キロだったが、2014年のロシアによる軍事介入後、改良・再投入が決まり、同1000キロまで延びたとされる。

 ウクライナの国営防衛企業ウクロボロンプロムは10月、航続距離1000キロの攻撃ドローンの開発が最終段階にあると明らかにした上で「年末までにウクライナ人も敵(ロシア)も驚かせる」と宣言していた。理論上はモスクワに優に届くことになるが、首都の防空網は厳重な可能性がある。 

ソ連製無人機で攻撃か ロシア空軍基地へウクライナ

共同通信社 

 【キーウ共同】ロシアの空軍基地2カ所で死者が出た5日の無人機攻撃に関し、ロシア紙コムソモリスカヤ・プラウダの従軍特派員コツ氏ら複数の軍事専門家は7日までに、ソ連時代に開発された偵察用無人機「ツポレフ141」が攻撃に使われたとの見方を示した。爆発物を積載し飛来したとみられるという。ロシア国防省は、ウクライナからのソ連製無人機による攻撃と発表している。


モスクワ郊外で展示されるソ連製の偵察用無人機ツポレフ141=
2004年8月(タス=共同)© KYODONEWS


 ブリンケン米国務長官は6日、ロシア空軍基地への無人機攻撃に関し「米国はウクライナにロシア国内への攻撃を促してもいないし、その能力も供与していない」と強調。攻撃の主体など詳しい情報は把握できていないと語った。

ウクライナがロシアを「ドローン攻撃」、ついにモスクワも「射程圏内」に入った! 各国はどう出るのか

長谷川 幸洋 -

ウクライナによる反撃

ウクライナがロシア領内の空軍基地をドローンで攻撃した。米国のジョー・バイデン大統領がロシアのウラジーミル・プーチン大統領と「会談する用意がある」と語った直後のタイミングだ。ウクライナは交渉を拒否して、あらためて西側に「断固戦う意志」を表明した形である。
12月5、6日と2日連続で攻撃されたロシアの空軍基地は3カ所で、うち1カ所はウクライナ国境から最短でも約700キロ離れている。逆に、別の1カ所は首都モスクワまで、わずか200キロ弱しか離れていない。


ウクライナのゼレンスキー大統領[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス


ウクライナ側は自国の攻撃だったとは、公式には認めていない。だが、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領の顧問は、攻撃の直後に「もしも、何かが別の国に発射されれば、遅かれ早かれ、その物体は発射地点に戻っていく」と謎めいた文章をSNSに投稿した。事実上、ウクライナの報復であることを認めたも同然だ。
5日配信のニューヨーク・タイムズは「ロシア国防省と匿名のウクライナ政府高官によれば、ウクライナによる攻撃だった」と断定した。6日配信のCNNも、問題のドローンは「ウクライナの国営軍事企業、ウクロボロンプロムが開発していたものである可能性が高い」と報じている。
同社は10月、フェイスブックに機体の一部とみられる写真を載せ「航続距離は1000キロ、戦闘用部分は75キロになる」と投稿した。航続距離が1000キロなら、モスクワは完全に射程内に入る。11月には「電子戦の試験段階に入った」と伝えている。こうしてみると、ウクライナによる攻撃だったとみて、ほぼ間違いなさそうだ。
今回の攻撃で、ロシア側に与えた被害は死者3人、航空機2機損傷などと比較的、軽微だった。だが、物理的な打撃の大きさより、ロシアに与えた心理的打撃のほうが大きいだろう。技術的には、モスクワ攻撃も不可能ではない、と証明してみせたからだ。
先のニューヨーク・タイムズは「基地近くに侵入したウクライナの特殊部隊が、ドローン攻撃を現地で誘導した」と書いている。事実なら、ウクライナの作戦遂行能力は、大胆にもロシア内に展開した特殊部隊の実力を含めて、かなりの水準といえる。

なぜ、このタイミングだったのか

私は攻撃のタイミングに注目している。
12月2日公開コラムに書いたように、バイデン政権は最近、和平合意を模索する動きを強めていた。ジェイク・サリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は11月4日、ウクライナの首都キーウを訪れ、ゼレンスキー大統領らのチームに「クリミア半島奪還の再考を含めて、現実的な要求と交渉の優先事項を検討するよう」勧めていた。
バイデン大統領は12月1日、ワシントンで開かれたフランスのエマニュエル・マクロン大統領との首脳会談で「もしも、プーチンが真に戦争を終えるつもりがあるなら、彼と会談する用意がある」と語った。ついに、自分自身が交渉の場に出かける用意がある、と表明したのだ。


ワシントンで行われた米仏首脳会談[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス


バイデン氏は「彼には、まだその用意がなさそうだ」と付け加えたが、交渉が実現する可能性もゼロとは言えない。
なぜなら、ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は10月、国営テレビのインタビューで「モスクワは西側との交渉にオープンだ」と語った。11月にもインドネシアのバリで開かれた主要20カ国・地域首脳会議(G20)で「交渉を拒否しているのは、ウクライナの側だ」と語っている。ロシアが交渉に関心があるのは、間違いない。
そんななかで、ウクライナが直接、ロシア領土内にある空軍基地を3度もドローン攻撃したとなると、彼らの態度は明白だ。将来はともかく「少なくとも、いまは交渉を始めるつもりはない」と宣言した形である。
ウクライナの強い姿勢に、米国は衝撃を受けたに違いない。「なんとかウクライナを説得して、交渉の糸口を見つけられないか」と思っていたのに、提案を全面拒否され、逆に戦線を拡大する事態になってしまったからだ。

米国はどう動くか

米国は公式にどう語ったか。
ホワイトハウスのジョン・カービー戦略広報調整官は12月7日、記者会見で「我々は『戦争のエスカレーションを懸念している』と明確にウクライナに伝えている」としながら「米国が提供した武器をどう使うかを含めて、ウクライナの主権を尊重する」と語った。この発言はドローン攻撃の直後だ。したがって、事実上「ドローン攻撃に関するウクライナの決定も尊重する」態度と受け止めて、間違いない。
冷静に語っているが、本音では、かなり困惑しているはずだ。実際、NATO(北大西洋条約機構)の元最高司令官であるウェスリー・クラーク氏はCNNの番組で、司会者の「西側はドローン攻撃に神経を尖らせているか」との質問に、こう語っている。
〈もちろんだ。みんな心配している。米国も西側同盟国も「これで終わりにしてほしい」と思っている。バイデン大統領とマクロン大統領は「戦争を終わりにする条件は、ロシアの撤退」と合意した。理想的には、ウクライナが空と砲撃の支援を受けて陸上で戦い、クリミア半島を含めて、ロシアを追い出せればいい。だが、そういう風には展開しそうにない〉
この発言が、いまの局面をもっとも正確に描写している。米ロは互いに条件を付けながらも、交渉に前向きな姿勢をにじませているが、ウクライナは断固として応じない。戦場で決着を付ける構えなのだ。

ウクライナから学ぶべきポイント

ウクライナの姿勢は、日本にとっても示唆に富んでいる。
ウクライナは西側の武器供与を受けて戦っている身であり、その西側から和平交渉を打診されていながら、開戦から10カ月を経て、ついに長距離を飛ぶ攻撃用ドローンを自前で開発し、ロシア領土を直接、攻撃してみせた。なんと見上げた「ファイティング・スピリット」であることか。
それに比べて、日本は沖縄のF22戦闘機巡回配備問題で、米国に真意を質すことさえできないでいる。
どういう話か、簡単に説明しよう。米軍は嘉手納基地に常駐しているF15戦闘機が老朽化したために、今後2年間かけて、最新鋭のF22戦闘機の巡回配備に代替する計画だ。この話は10月27日付のフィナンシャル・タイムズが最初に報じて、世界が知るところとなった。
常駐配備を巡回配備に変えれば、いくら「最新鋭戦闘機だ」とか「切れ目なく巡回する」と言っても、中国や北朝鮮に対する抑止力は低下するのではないか、という疑問が生じる。
実際、米国のマルコ・ルビオ上院議員やマイケル・T・マコール下院議員ら4人の議員(いずれも共和党)は11月1日、連名でロイド・オースチン国防長官に議会への説明会を開くよう求める公開書簡を送った。そのなかで、議員たちは「(巡回配備は)米国の戦闘力を目に見えて弱体化させる」と懸念を表明している。


マルコ・ルビオ上院議員[Photo by gettyimages]© 現代ビジネス


また、米インド太平洋軍の元副司令官であるダン・リーフ退役空軍中将も、米軍の準機関紙「星条旗新聞」のインタビューで「常駐の意義の1つは、日本の自衛隊との関係維持だ。中国は「撤退」とみなすだろう抑止力の観点では、純損失になる」と批判した。
にもかかわらず、日本の浜田靖一防衛相は11月1日の会見で「米国より、最終的な体制は検討中だが、より高い能力を有する恒久的な部隊に置き換えるため、さまざまなオプションを検討している、と説明があった。日米同盟の抑止力は維持・強化される」と語った。
私が見たり、聞いたりした限り、日本の「軍事ジャーナリスト」たちも米国の方針に真正面から異議を唱えた例はなく、わずかに元自衛隊空将の織田邦男氏が11月3日付の「夕刊フジ」で「体のいい『撤退』にほかならず、抑止力は低下する」と批判したくらいだ。
米国で元軍人や議員たちが強い疑問と批判を投げかけているのに、肝心の日本では、ほとんど批判が出ていない。これは、いったいどういうことか。私には「日本は米国に守られているのだから、米国の方針に疑問を差し挟むべきではない」という姿勢が、にじみ出ているように見える。そうであれば、まったく、情けない限りだ。
そんな卑屈な態度では、真の同盟関係は築けない。米国に「日本はオレたちに頼り切っていて、文句も言えないのだ」と足元を見透かされるだろう。「戦うウクライナ」の姿勢とは「雲泥の差」ではないか。
安全保障関連3文書の改定が大詰めを迎えているが、岸田文雄政権は言葉の一言一句などより、そもそも「日本を守るとは、どういう話か。日米同盟はどうあるべきなのか」という根本に遡って見直してもらいたい。それは政府だけでなく、国会の仕事でもある。

参考文献・参考資料

ソ連製ドローン転用か=ウクライナ軍、ロシア防空網突破 (msn.com)

ソ連製無人機で攻撃か ロシア空軍基地へウクライナ (msn.com)

ウクライナがロシアを「ドローン攻撃」、ついにモスクワも「射程圏内」に入った! 各国はどう出るのか (msn.com)

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