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20240521 エッセイ「私家版パンセ」 0005 人間は変わらなくてもいい

 前回、習慣が人を変えると言いました。
 それは、変わりたいと思った場合のこと。
 基本的に人は変わらなくても良いとぼくは思います。
 悲観主義者に楽観的になれといっても難しい。悲観主義というのは、生まれつきで、そうなるべくして生まれているのです。むしろ悲観的なひとが必要だから生まれてきたと考えた方が良いと思います。
 人間には性質に由来する多くの欠点がありますけれど、それを克服することはとっても難しい。むしろ短所は長所の裏面であると考えると良いのではないでしょうか。
 例えば臆病とは慎重ということであり、無謀は勇敢の裏側です。勇敢を無謀におとしめているのは、思慮の不足ですが、これは補うことが出来ます。
 大切なのは、短所として表れている自らの性向を知り、それを生かすようにすることだと思います。
 臆病で慎重な人は決してバンジージャンパーにはなれないけれど、バンジージャンプのロープを点検する仕事には向いているでしょう。そしてバンジージャンプのロープを点検する人がいなければ、バンジージャンプそのものができなくなるんです。




私家版パンセとは

 ぼくは5年間のサラリーマン生活と、30年間の教師生活を送りました。
 その30年間、子供たちが元気になれるような言葉はないかなと考え続けて来ました。
 そんな風にして考えた小さな思考の断片をご紹介します。
 これらの言葉がほんの少しでも誰かの力になれたら幸いです。

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