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20240529 イラストエッセイ「読まずに死ねない本」 カエサル「ガリア戦記」003
言うまでもなくカエサルは、ローマの武人ですね。現在のフランス、ガリアを征服し、帝国を共和制から帝政へと変化させました。
その名前は皇帝の一般名詞にもなりましたし、12の月の名前の7月 July は、ユリウス・カエサルの名前からとられたもの。(ちなみに、8月のAugust はカエサルの養子のアウグストゥスからとられたものです。この二人が無理やり月の名前に入ったために、セプテンバーのセプトはギリシャ語で7という意味なのに9月に、オクトーバーのオクトはオクトバスで知られるように8の意味なのに10月になってしまいました。)
結局は共和制を守ろうとする一派に暗殺され、その際に言った言葉が、有名な「ブルータス、お前もか。」これはシェイクスピアの戯曲になっています。
そんな偉大なカエサルですが、実は名文家でもあったんですよね。
ローマの元老院議員だったキケロは、文章家としても名高く、その文章は長く西洋の「文章読本」のような役割を果たしてきました。そのキケロをして「カエサルの文章にはかなわん!」と言わしめたほど。
カエサルの文体は、簡潔で、力強い。無駄がなく、単刀直入。キケロの美文調とは対極です。ちょっと、森鴎外の文体に似ているかな。翻訳でも十分にその魅力が伝わります。
そのカエサルの代表作が、「ガリア戦記」。ガリアを征服した記録ですが、古代の権力者にありがちな大言壮語はありません。ただ事実のみを淡々と語ってゆきます。
「ガリアは三つに分かれている。」
これがその書き出しです。
しびれますね。笑
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