猫を家で飼ってると、子育てをしている気分になる。ちなみに、ぼくには子ども(人間の)は居ない。
猫を家で飼っていると、たまに子育てをしている気分になる。
こういうことを言うと、実際に子育てをしている人に、反感を買いそうな気もするが、というか、実際に前の職場で、そういう発言をしたことがあり、奥様方から集中砲火を浴びた。
2人も、3人も人間の子どものいる人の前で、そういうことを不用意に発言する自分も、悪いといえばその通りなのだが、
「猫って、子どもと一緒なんですよね〜。夜鳴きをしたり(水がほしくて鳴いたり)、かまってほしくて暴れるし、こっちの都合なんかお構いなしに、色んなことを要求してくるし、出勤するときなんて、ニャーニャー、ニャーニャー鳴いて、手には噛みついてくるし、足にはしがみついてくるし、ほんと大変なんですよね〜。実際に子どもとかはいませんけど、子育てをしている気分ですよ……」
と、お昼の休憩中だったと思うが、実際に子どものいる奥様方2、3人を前にして、ぼくは何の悪気もなくそう発言した。
「はーーーーーー!? 猫と一緒にしないでよ!!」
どこか虫の居所でも悪かったのか、自分が気に障ることでも言ったのか、奥様方の逆鱗に触れてしまったようで、それまで和やかだった雰囲気は一変し、彼女らは一斉に怪訝そうな表情に変わったかと思うと、3人の矛先が一気にこちらに集中し、ぼくは予期せぬタイミングで、火の粉を浴びることになった。
「?」
もちろんぼくはきょとんである……
幸い、そこまで被害は拡大せず、ぼくの不注意で点けてしまった火は、すぐに鎮火させることが出来たのだが、あまりそういった発言を、無闇やたらとするものではないなと学んだ経験だった。
とはいえ、ぼくもこうして何年も猫と暮らしていると、ウチの猫が、とくべつわがままというか、本能のまま生きてるというか、自由奔放というか、とにかく手のかかることもあり、やはり子育てをしている気分になってくる。
前の職場の奥様方の言い分も、もちろんよく分かる。
猫は高校にも大学にも行くわけでもないので、教育費や学費もかからないし、なにかを欲しがるといっても、ゴハンとかおやつとかで、誕生日にゲーム機をねだってくるわけでもない。
もちろん学校には行っていないので、宿題をさせる必要もないし、上記でもあげているように、進学をすることはないので、塾にも通わせなくていいし、受験勉強もする必要はない。
人間の子どもに比べて、圧倒的に楽だ。
それくらいは、人間の子どもを育てたことのないぼくでも、容易に想像できるし、反論するつもりもない。
けれど、それは猫を子どものころから、育てたことのない人の意見であって、比較するものではないと思うのだ……。
いや、べつにケンカを売ってるわけじゃないですよ……。
人間の子どもを育てることも、猫の一生を面倒をみることも、どちらも大変だって言ってるだけで、同じ〝いのちを持って生まれてきた生命〟であることに変わりはないって思うだけです。
猫を一匹育てたくらいで、本物の子育ての大変さを解った気になってるわけでもないですし、人間の子育ても猫の子育ても同じようなものでしょ? っていう、バカにしてるわけではないので、その辺は誤解なさらずに……。
まあ、結論のない話を、ダラダラしてきましたが、うちのニャンコちゃんは一生、面倒見るつもりで引き取ったので、何があっても寿命をまっとうするまでは面倒を見るつもりですし、〝自分の子ども(愛する家族の一員)だと思って、責任を持って接している〟ということを言いたいだけで、
猫だから、犬だから、鳥だから、ペットだからって、〝粗末にしていい命はない〟と思うだけです。(ペットを飼っている飼い主さんであれば、誰でも思うことだと思いますが……)
そういう意味で、〝子育てをしている気分になる〟。
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