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【時事問題】Google mapクチコミ問題をコーヒー屋店主が考える

僕は今、京都でLaughterというコーヒーショップを運営しています。

先日、グーグルマップに投稿された不当な口コミが削除されず利益が侵害されたとして、全国の医師や歯科医師ら計63人が、運営元のグーグルに約140万円の損害賠償を求め、東京地裁に集団提訴しました。

お店や病院といったサービス業を営む者にとって、ネット上の「口コミ」は良くも悪くも大きな影響力を持ちます。
一コーヒー屋店主として、この問題を考えてみます。


・Google mapの影響力は大きい

皆さんは普段Google mapをどのくらい使っていますか?
地図やルート検索、乗換案内としての使用が一番多いと思いますが、気になるお店や行ってみたいと思ったお店を調べる方も多いのでは?
うちのお店も住宅街に突然現れる立地で、看板なども大きく掲げていないので、店の前で立ち止まってGoogle mapでどんなお店かを確認される方も結構いらっしゃいます。

チェーン店と違い小さな個人店はどうしても独特の「入りづらさ」があると思います。
そんな時に、メニューや大体の価格感、店内の雰囲気を知ることが出来るGoogle mapの影響力は僕たち個人店にとってはかなり大きいです。

当然地図や経路案内の機能が付いているので、目立ちにくい立地でも地図上から探してもらえることになります。
また、現在地から「コーヒー」「ランチ」といったワードでお店を検索することもできるので、うちのお店を知らなくても「近くのコーヒー屋を探している」という方にリーチすることが出来ます。

マップへの登録は無料で出来ますし、最新の営業時間やお店からのお知らせを発信することもできるので、店舗開業のイロハをまとめたサイトなどには「お店を作ったらまずGoogle mapに登録しろ!」と必ず書かれています。

広告宣伝で大きなお金を掛けられない事業者にとって、Google mapの存在は大きいのです。

・Google mapの口コミは信頼度が高い

これは僕の肌感覚ですが、Google mapの口コミは比較的信頼度が高いです。
特に、大手のグルメサイトでの課金制による掲載順や点数操作が取りざたされてからその傾向が強くなっている気がします。

自分の知っているお店や立ち寄ったお店の口コミを見ても、比較的的を得た口コミが多いです。
それは、良い口コミも悪い口コミも。
お店が自ら発信する情報だけではない、客観的なお店の評価が見れるツールとして機能しています。

・医療業界ならではの課題

アカウントがあれば誰もが自由に書き込めるGoogle mapですが、その自由さゆえに今回のような問題が起きる可能性もはらんでいます。
その対策として、24時間体制でのコメントチェックや削除を行っているそう。
また、Google mapのクチコミには店のオーナーが直接返信できるシステムがあり、クチコミへの感謝や納得いかないクチコミへの反応もできるようになっています。
飲食店などでは低い評価のクチコミにも一件一件丁寧に返答しているお店も見られます。

ただ、今回の場合はコメントへの返信が診察内容などの機密事項に関わる可能性があり、安易にコメントへの返信が難しいとの事情もあるようです。

また、病院などの場合は個々人で対応が大きく変わるので、飲食店などのように単純な商品やサービスの質だけでの判断になりにくいのも事実。
そういった理由で、そもそも低い評価が付けられやすいものでもあると思います。
(ただ、中にはこれが本当なら星1でもしょうがないなと思うものも… 嘘か本当か判別する術がないのが難しい…)

・現実的な対応策は…

Google mapのクチコミを非公開にできるシステムがあれば、それが一番の解決策になりそうですが、現状はクチコミだけを非公開にする制度はなく、地図上から登録情報をすべて消すしか方法が無いようです。
今回は悪質なクチコミをした本人ではなく、運営元のグーグルを訴えたことがポイントで、どんな判決になるか注目です。

・クチコミをもらう側の本音は…

やっぱり良いクチコミをいただけると嬉しいです(笑)
ただ、良いクチコミをもらえるように頑張っているというよりは、いつどんな方が来ても気持ちよく来て帰ってもらえるようにという思いです。

常連さんになればなるほどクチコミって意外と書いていなくて、たまたま見つけて入店された方などがクチコミを書いてくれているケースが結構あります。
なので、僕にとってクチコミは改めて変わらずに丹精込めたサービスが出来ているかを図る指標って感じです。

・結局はリテラシー次第…

劇的な改善策が無い今、結局は私たちのリテラシー次第でしょう…。
様々な情報が飛び交う中で、自分の力で取捨選択する力がますます求められているのでしょう…
そして、サービスを提供するものとして実際に来店してくださった目の前のお客さんを大切にするほかないのでしょう。
僕も一コーヒー屋の店主として、その基本を忘れず今日もお店に立ちます。

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