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豊かさ探究はつづく

振替休日の今日、テレビをつけるとヴェネツィアのレース職人のおばあちゃまが5人並んでレースを編んでいた。

「今は好きになったわね。若い頃は無理やりやらされていたけど 今は好きだからやっているの」

「貧しかったからレースでいのちをつないでた。昔は生きる糧、今は暇つぶしよ」などなどおっしゃいながら繊細なレースをさくさくと縫っている。

「昔はみんなこんな服を着てでかけたものよ」と言って映し出されたのは、肩から裾まですべてレースの真っ白なドレス。

こんな服を着ていたら、生き方も変わってしまいそう。こんな豊かなものを、並んでぺらぺらおしゃべりしながらでも作れてしまう熟練の技。すごいなあ。こんなふうな、働くことがそのまま自分の居場所になっているような、しっくり馴染んでいるような、そんな働き方ってかなり理想だなあと思っていたけど、
無理やりにでも生きるためにやってたことでもあり、そして今は暇つぶしとも言う。(テレビばかり見てたらボケちゃうじゃない、みたいなこともおっしゃってた。)

ほお。輝くものが生み出されるのも、こんな感じなのか…!となんだかカラッとした気持ちになった。
なんというか、生きることに大義を見出しすぎず、そのまんま、「こうなのよ」と受け入れている感じ。ことさらに人生を愛してますというわけでもないけど、大変なこともあったし、楽しくもある、とそのままを脚色せずに見てしっかりと生きている感じ。気持ちいいなあ。湿っぽくなく、明るく軽く、人生に前向きな気持ちをもたせてくれるような姿勢。


わたしも自分で旅をして、こんな世界のあちこちの物語を自分の目で確かめられたら楽しいだろうと思う。でも案外、自分の家で、心底落ち着くそこそこの部屋で、まーったりテレビで観るからかその楽しさもあって、旅に出てもそれが懐かしくなることもあるんだろうな。
もちろん旅には旅の楽しさがあるのだろうし、それもすごく味わってみたいけど。豊かさなんてどこにでもいくらでもある。

今日観た番組は、BSプレミアム(NHKのBSの方)の、ベネチアの秘密「海と島の物語」というものです。

BSプレミアム、面白すぎて、一日中録画を続けることに…。日本、海外、いろんな場所の暮らしや人の姿を知れるような番組が多く入っている。
楽しみがひとつ増えて嬉しい。


岩合さんのネコ歩きも大好き。

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