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社内で実践できるごみ分別ノウハウ~TBMの社内改善プロジェクト実例を公開~

TBMで資源循環事業の事業開発をしている坪田と申します。はじめまして。

昨年11月~今年3月にかけて、当社の総務部門・サステナビリティ部門と一緒になって、社内でごみの分別推進に取り組んでみたところ、様々なことが見えてきました。

他社様でも活用できるノウハウも含まれると思いましたので、本記事では、

  • 「社内の分別」にどのような課題があるのか

  • 課題対応として、どのようなアクションを取ったか

  • Before/After/今後

などを備忘の意味もかねて纏めました。

一部、MaaR for businessという自社サービスの紹介も記載していますが、基本的にはお役立ちコンテンツとして少しでも多くの方の目にとめていただけると嬉しいです。

最後には、「分別表示ラベル」をおまけとしてつけています。デザイン経験がないと結構手間がかかり、フリー素材だとしっくりくるものがなかなかなく、今回の取り組みを行った際、私は非常に苦心しました。。ご参考いただけますと幸いです。


はじめに(自己紹介・なぜ取り組んだか)

私は、自社開発した素材LIMEX(ライメックス)と廃プラスチックを循環させる仕組みづくりに従事しています。

その仕組みのひとつに、オフィスでの資源循環を促すサービス(MaaR for businessといいます)があり、サービス利用者向けの特典として、オフィスで出る資源物(LIMEXや廃プラ)をお引き取りし、当社のリサイクル工場でマテリアルリサイクル(ペレット化)しています。私はPM的役割として、MaaR for businessのサービス企画・改善を担っています。

MaaR for businessを利用いただいているユーザー様は、総務部門、環境部門、経営企画部門など、いわゆる”管理系”部門の方がほとんどですが、私は営業や企画といった”事業系”部門でのキャリアを歩んできたため、ユーザー様に憑依して考える、には少々無理がありました。

また、「社内の分別」は、これらの部門の方にとっては業務のほんの片隅で、できる限り気にかけたくない・時間を使いたくない領域だと思うのですが、「社員への意識浸透が思うように進まず困っています」「分別ができていなくて日頃からゴミ箱をケアしています」といったような、意識や手が取られてしまっている声を時々受けていました。

このような背景や、「サステナビリティ革命を起こす」と公言しているTBMにとって「分別」という行為は欠かせないことであり、まずは自社の社員ひとりひとりへの浸透がなされていることが望ましいと思いますし、MaaR for businessのようなサービスを提供する以上、自社でも一番のユーザーとして導入してみて、先ほどのような声の背景にある課題が何なのか検証し、サービスにもっと価値を加えていきたいという思いから、「社内の分別推進」の役割を買って出ました。


社内の分別の課題

課題を知るために取ったアクション

まずは「状況を知る!」に尽きます。

具体的には、

・ゴミ箱の中身を見て分別できている/いないものは何かや、その原因を知る
各種分別(もえるゴミ、燃えないゴミ、等)ごとの重さをはかる

ということをしました。

写真はLIMEX回収ボックス測定時のものですが、もえるごみ、もえないごみ、、、あらゆる種類の重量を1週間測定して、スプレッドシートに記録しました。


わかった課題

  • 茶色い包装紙や紙袋、お菓子・お土産の箱など、「もえるゴミ」に、「ミックスペーパー」として分別できるものが入っていた

  • お菓子の包装が、「もえないゴミ」「もえるゴミ」に混在していた

  • (スタバなどの)テイクアウト飲料が、蓋やスリーブがついたままであったり、飲み残しがあるまま、「もえるゴミ」に捨てられていた

  • どの資源ステーションで何を捨てられるのか、分かりづらい(社内には5か所ステーションがあります)

  • 分別を促す表示・ラベルに記載していても、その通りには分別されていない

  • 資源ステーションによってごみ箱の色がバラバラ

  • 同じフロアに入居している子会社の社員にまで情報が行き届いていない

  • 誰かが検討して今の設置に至っているはずなのに、ノウハウ化・型化されていない

などなど。これらの課題へどう対応したか、を次の章で記載していきます。

とはいえ、そもそもなぜ分別がうまくいかないのか、の根本原因って、
「今いるオフィスの分別方法を習っていない」
「自宅とルールが違う」
「分別したからといって自分にメリットがない」
ということも要因のひとつだとも感じています。
これには、別のアプローチが必要だと考えており、別の取り組みとして進捗させられればシェアしたいと思います。

また、テナントとして入居しているオフィスの場合、自治体のルールに基づいて、入居しているテナント(ビル管理会社)のルールが決められています。廃棄物の所有者は排出事業者(テナント入居企業)ですので、分別表や、分別したものがどのように処理されるのか、はビル管理会社から入手可能ですし、むしろ知っておく必要があると思います。ぜひ一度自社のルールや排出した廃棄物のその後についても確認してみてください!

と、少し横道にそれてしまいましたが、先述の課題対応について、次の章で触れていきます。

【参考】測定結果の外部公開

重量測定した結果を基にして、オフィスから排出されている廃プラの重量を、「プラスチックの循環促進」という特設ページを設けて、TBMのコーポレートサイトに掲載しています。

このページは、プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(通称、プラ新法)」への対応を意識して作成し、実際に測定した重量を基にした数値を掲載しています。消費材メーカーを中心に、同様の公開をしている企業が増えてきています。

ちなみに、、、
オフィスで出るプラスチックは、工場や物流施設、研究所などの事業所から出る廃棄物より少量ですが、MaaR for businessを活用することで、その一部をリサイクルして、プラ廃棄物重量を削減することができます。


課題対応として、どのようなアクションを取ったか

理想の状態(to be)を考える

まずは、自分も含めて、分別に関わる社員にとって、どのような状態であれば理想的だと思えるのかを考えました。

前章で挙げた課題から、

  • ごみ・資源の分別が一目で見てわかる

  • どこで何を分別できるのかがわかりやすい

  • ごみ箱の色を分別と相関させない(あくまでラベルで分別を促す)

  • よくある分別の間違いが明文化されている

  • 資源ステーションを使う全員に情報が伝わっている

  • 今後同様の変更に誰でも対応できる(型化できている)

という状態が理想的だと考えました。

解決策(How・What・Where)を考える

そして、理想的な状態を実現するために、何をすべきか、具体的な方法を考えました。

  • 分別品目ごとにカラーをわかりやすくする

  • どの資源ステーションでも同様に分別できるようにする

  • 各資源ステーションで使用するごみ箱は1色にする

  • よく使う×分別に悩むものは、代表例として明記する

  • 子会社も含め、オフィス利用者全員に周知する

  • 自分がとったアクションをドキュメントとして残す

といったように、施策を決めました。

役割分担(Who)・スケジュール(When)を決める

すべて自分ではやりきれないので、得意な方・専門的な方を巻き込んで具現化していきます。

  • 分別ラベルや資源ステーションマップの作製:デザイナー

  • ごみ箱の移動・ラベルの貼り付け:総務、サステナビリティ部門

  • 周知:子会社の担当者

  • ドキュメント化:サステナビリティ部門、自分

  • 各骨子の作成・ディレクション:自分

今回、資源ステーションの改善について検討着手したのが、3月1週目でした。その為、タイトではありましたが、4月の新入社員入社や組織変更までに間に合うように、スケジュールは3月末まで、と決めて進めました。


スケジュールは簡単なガントチャートを活用


Before/After

いよいよBefore/Afterです。
※Afterに至るまでの具体的なディレクションや型化したドキュメントもノウハウだとは思うのですが、今回は割愛し、別途公開を検討いたします。

設置場所・ごみ箱の種類

社内には5か所資源ステーションがあり、3か所は執務室内、2か所は流し台のあるところにあります。

写真は執務室内のステーションの例です。

このようにゴミ箱の色を1色にし、ラベルの色で分別方法がわかるようにしました。

棚には倉庫に眠っていた備品を活用するなど、できる限りコストかけずに実施することも意識しました。

Before ごみ箱の色がばらばらで、ラベルも認識しづらかった
After ごみ箱の色を統一し、ラベルもカラーを見やすく変更。使っていなかった棚を用いて、空間も有効に活用。

他のステーションも同様に変更しました。

Before ごみ箱のカラー・サイズが違っていた
After ステンレス製のものに統一。別のステーションで1つ使っていたものを移設し新たな購入はしていません。分別詳細は壁に配置し、ごみ箱の表示がかなりすっきりしました。


表示・ラベル

※画像は二次利用不可ですのでご注意ください。

ラベルは、もともと分別促進を意図してデザインされていました。ただ、先述の通り、分別促進につながっていない側面もありました。

変更点は、

  • カラーが目立つレイアウトに変更

  • 分別種別のテキストを変更

    • 「もえるゴミ」→「燃やすごみ」に

    • 「もえないゴミ」→「プラスチック」に

    • 「ミックスペーパー」→「紙」に

  • 循環するかどうかを表すアイコンを追加

  • 分別種別と代表品目とでラベルを分割

  • 代表品目を実際に多かった品目に変更

などです。
以下は、「燃やすごみ」の例です。

Before 写真が大部分を占めていた。文字がいろいろなところに書かれていた。
After 赤色を以前より明るくし、赤色が占める割合を増やした。名称やアイコンを変更し、ラベルを2枚に分割した。


ご覧の通り、かなり認識しやすいラベルにできたのではないかと思います。
(坪田の雑なスケッチをこのアウトプットにしてくださったデザイナーさんに感謝!)

ラベル・表示は、以下のメルカリさんやJTBコミュニケーションデザインさんのものを参考にしつつ検討しました。

まだ配置・表示の変更を実施したところですので、実際の効果については改めてご報告をさせて頂きます。


さいごに

多くの仕事と共通事項なのですが、この業務は「一人でやらないほうがいい(まわりを巻き込め)」ということがまず言えます。

  • 表示の作成 = デザイナー、社内広報

  • 新しい物品の購入 = 上長

  • 外部への情報公開 = 広報、サステナビリティ部門、デザイナー

といったように、連携するべき方が複数名にわたりますし、そもそも資源ステーションは基本的に全社員が使うものなので、全社員が関係者といっても過言ではありません。

また、とあるユーザー様が、

ごみ・廃棄物まわりの業務を誰かに任せる場合、その業務をしている人が、罰ゲームみたいに思われないような配慮も大切

とおっしゃっていました。

これは実際に数か月間取り組んでみて、私も痛感したことです。

特に重量測定をしているときに感じたことで、ゴミ箱から袋を取り出して重量測定を1週間毎日実施しましたが、1人でやっていると下向きな気持ちになりがちです。

作業される方のスタンスに依る部分もあるとは思いますが、このような事態への対策として、

  • 複数人で作業する

  • 雑談しながら作業する

  • 作業中に分別しに来た人がいたら積極的に話す

  • 作業はテキパキする

といったことを、私はオススメします。

「楽しそうにやってるな」「チーム感あっていいなあ」と周囲の方に思ってもらうことや、何でもよいので気楽なコミュニケーションを取ることで、分別という行為が社内でポジティブなアクションとして作用することもあるのではないかなと思います。

他にも、「片手間でやるもんじゃない」とか「社内の使っていない備品をフル活用しよう」とか「リユースや備品シェアも併せて実施しよう」とか、まだお伝えしたいこともありますが、今回はこのくらいにとどめておきます。


おまけ【分別表示ラベルのデータ公開】

実際にTBM社内で使用している、「燃やすごみ」「プラスチック」「紙」の分別表示ラベルデータを公開します。

実際にこのような業務を対応されている総務部門や環境部門の方は、デザイン業務を日常的にはあまりされない方が多いと思います。

参考データとしての意図ですので、少しでもお役立ていただけると幸いです。ラベルを変えただけではそれぞれのオフィス課題に対応できるとは思わないのですが、オフィスのレイアウト変更等、なにかと合わせてラベルを変更するなど、ぜひ活用してみてください。

※注意事項はデータに記載しておりますので、ご確認の上、ご活用ください。


これ以外の表示ラベルのご提供も含め、オフィスで簡単に環境アクションをしていただけるサービス「MaaR for business」もぜひご覧になってください。

長文をお読みいただき、ありがとうございました。



※2023.5.10追記
digglue様でsmartmatを活用して自社測量されている記事を見つけましたので参考に追記します。


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