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欲望は毒にまみれて。 ~ 舞台 『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』 ~

記憶違いでなければ、先々週からこっちへのコングラボードを頂けた分です。

お読み頂いた皆さま、有難う御座います!

あ~りが~たや、ありがたや~♪


ソニンさんがマシューズベストヒットTVに出演されていた頃に、「こんな無用なガッツをするアイドルとは!!」と思っていたものです。

後々、努力を積み重ね舞台スターとなられました。

過去に2作品は足を運び、「ナイスだわ・・」と、TVで闘犬と戦わされそうになっていた身の上から、よくぞ這い上がられた・・と熱い思いを持って観劇したものです。

さらに今回は自分初の2作品1日連続舞台鑑賞に挑むことにしました。

ソニンさんに加えて、中嶋朋子さんご出演は見逃せません。

ただ・・、シェイクスピア原作なので、難しいのかな・・と慄きつつ。

新国立劇場中劇場の14列目の、どセンター席。

肩から下、肩甲骨上の狭い部分に何故か痛みがあり、首を左右どちからで固定しないで鑑賞出来て有難い限りでした。。

ここから感想を含めたネタバレがあります。

観賞予定の方は後日お読み頂けましたら幸いです!


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まずは『尺には尺を』から鑑賞。

ウィーンを統治しているヴィンセンシオ公爵こと木下浩之さんは、ある日突然出立することにして、代理に信用を置いているTHE真面目のアンジェロこと岡本健一さんに留守中の法の下の審判を託します。

最近乱れているウィーンの風紀を岡本さんがどう裁くのか見届けるため、木下さんは出掛けているフリで、とある修道院に身を隠して動向を注視します。

その法律を破る事件が起こります。

19年ぶりに結婚前の交渉を禁ずる姦淫罪を犯したカップル、クローディオこと浦井健治さんとジュリエットこと永田江里さん。

二人は夫婦になる約束をしていた上、永田さんは妊娠しており、情状酌量の余地は充分あるのですが、岡本さんのTHE真面目はこれらを全く考慮せず、法律を履行しているだけと意に介しません。

この死刑を回避させたい友人男性は、浦井さんの美人の妹、修道女になる予定のイザベラことソニンさんの元へ出向きます。

ソニンさんは修道女になるための洗礼を受ける直前であるため、ギリギリ男性と二人きりの会話を許される身の上。

友人男性の話を聞き入れ、兄の浦井さんを救うべく、岡本さんの元へ馳せ参じます。

最初、岡本さんはソニンさんの申し立てにけんもほろろの対応。

ですが、ソニンさんと何回か話す内に、その聡明と美しさと処女の美徳に心が乱れ「自分に体を許せば兄を許す」と提案します。

ソニンさんは「婚前交渉はありえない。兄はそのために死刑の寸前。世間に岡本さんの欺瞞を告発する」と言いますが、岡本さんは自分の世間に於けるTHE真面目の評判の前には、ソニンさんの申し立ては誰も耳を貸さないと一笑に付します。

そんなTHE真面目な岡本さんにも、ひとつだけ隠し通したい秘密がありました。

金持ちの娘のマリアナこと中嶋朋子さんと婚約していたことがありました。

その中嶋さんが結婚するための持参金と共に船で岡本さんの元へ出向く途中、船が座礁して持参金は海に沈みましたが、中嶋さんは命からがら助かりました。

岡本さんは持参金が無いことで婚約を破談する無慈悲っぷりを発揮。

これが岡本さん唯一の人の道を外れた秘密です。

こっそり隠密活動を続けていた木下さんは、岡本さんのこの秘密を唯一知っていて、中嶋さんとも連絡が取れる状態。

そんな木下さんはソニンさんへ岡本さんと夜中の逢瀬を承認し、いざその場に出向くのは未だに岡本さんに思いを寄せる中嶋さんという作戦を提案し、二人に承諾させます。

その作戦は上手く行くのか、そして、岡本さんはその地位を、ソニンさんは純潔を守れるのか、浦井さんは断首となるのか??


ダークコメディと言われている原作だけに、毒たっぷりの笑いがあちらこちらに点在していました。

水戸黄門的にこっそり岡本さんを監視する木下さん、悪事を行おうする自身に戸惑いつつも楽しみで仕方ない岡本さん、自身の純潔を投げ打って修道女への道を絶ってまで兄を助けるべきか悩むソニンさん、自身が生き抜くために妹へ「その身を売ってちょ」と懇願する浦井さん。

全員が善と悪、建前と本音で右往左往。

特に「自分の死刑回避となる為に純潔を失う位は神も良しとするっしょ」とする浦井さんと「修道女になるために過ごして来た自分を蔑ろにするのか、それならいっそ潔く死んでちょ」とやり合うソニンさんとのやり取りは毒過ぎるのに大笑いなシーンでした。

そして最後の最後に「お前、そこ行くかっ!!!」っと、全員が突っ込まざるを得ないオチにまた笑わされました。

ソニンさんの敬虔な時と、お前そりゃねぇだろ!!に遭遇のシーンのアップダウンが本当に面白かったです。

欲望の前には、妙に頭を働かせてあらぬ閃きを生んだり、実行しようとしてしまう行動力に抑制は利かなくなるものです。

貞操観念はシェイクスピアの時代と今では天地の差がありますが、それぞれの欲望を達成させるための熱い思いは今も昔も一緒ですね(笑)


『終わりよければすべてよし』につきましては、また後日♪

続きです ↓


オシャレな新国立劇場を激写しました。

気が向きましたらご覧あれ!




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