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キツネとタヌキと何某かの・・・ ~ 舞台 命、ギガ長スW(ダブル) ~

仕事をしていた、ある日のラジオで宮藤官九郎さんがゲストでした。

「今度舞台に出るんです」から、内容は現代日本で本格的に問題になりつつある「8050」をベースにしている。けど、出演の顔ぶれ的に、、そして作・演出が松尾スズキさん・・だけに!面白い仕上がりです!と。

聴きながら、ぴあだかイープラスだかを検索して、素早くポチリ。

仕事、やってますよ! (誰かへの言い訳)



ちょっとだけネタバレがあるかもしれませんので、これから観劇予定の方はまた後日でも宜しいかと。。!


劇場はザ・スズナリで小さな舞台なので、演者さんとの距離は相当近いし、観客の反応もその分ダイレクトな感じでした。


自分は三宅弘城さんとともさかりえさんの回でした。

「衛生」でともさかさんの舞台を初めてみましたが、かなりの吹っ切れっぷりでアイドル時代?しか知らなかったので、かなり驚いたものでした。

三宅弘城さんも『愛が世界を救います(ただし屁が出ます)』を観ています。


そんな感じだったので、ともさかさん回を選びました。

ストーリーは80代のおかあさん:ともさかさんと50代の息子:三宅弘城さん親子の生活を、女子大生のともさかさん(二役)がドキュメンタリー映像化を希望してカメラを回しているところから始まります。

おかあさんは軽いアルツハイマーがあり、息子は専門学校を卒業してから仕事をしたことのないアル中。おかあさんの年金と週イチのおかあさんのパチンコ稼業で細々と生活をしています。

この「ドキュメンタリー映像化」が曲者で、女子大生はカメラを回している内に思いがけない事実を知り、そして指導してくれる教授とも思いがけない出来事が・・・。

親子関係については、今の日本を揺るがし始めている問題ですし、女子大生と教授の関係も「教える・教わる」関係性から、これまた世間で良く見聞きするパワハラ的なセクハラ的なことへ逸脱していきます。



これだけ書いていると、社会問題であり問題提起でありアンチテーゼを激しく繰り出しそうですが・・・

教授は取り敢えず横へ置いときます。

一筋縄でいかない、おかあさん・息子・女子大生。

最初はニュースで良く聞く「8050問題」を地で行く生活でカメラに収まって行きますが、徐々に「あら?? そんな事実があったの??」に女子大生は振り回されて行きます。

その過程がもう、丁々発止のやり取りであり、相当強めな毒舌であり(ワイドショーな要素バリバリ)、激しいダンスや謎のラップで「真剣に考えたいテーマ」がかき乱されます。

良い意味で♪

笑います、とにかく笑えますし、笑わされます。

ともさかさんが期待を超えたスパーク加減で、おかあさんの時でも女子大生の時でも、悩む気持ちと本音の炸裂の落差ったらたまりません。

三宅さんの息子と教授(こちらも二役)も同様!



ラストがまた、おいおいおい、医療の進歩でそんな感じかいな!!まで行ってくれます。

そして、観劇後に炊き立てごはんを食べながら、お墓参りに行きたくなると思います。

「8050問題」はこの舞台において解決を・・・みたような、みないような。


暗いことばかり考えていたら暗くなるしかない、じゃあ、どうするべ?

自分としては、それが表題の「キツネとタヌキと何某かの・・」

「騙し合い」じゃないかと思いました。

そして仄かな恋心や思いやる気持ち、何にしても生き甲斐を見つけること。

それがバイタリティへのガソリン注入じゃないかと思いました。


あれよ、あれよで笑いながら一気にラストまで。

暗い気持ちになる昨今。

せめて2時間、大笑いしに出かけてみてはいかがでしょうか??

ベタですが、すっごく面白いかったです♪

ニコニコしながら劇場を後にしました。





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