何とも難解、というか。。。 ~ 舞台 聖なる怪物 ~
板尾創路さんが好きです。
ごっつええ感じのシンガー板尾の極上な即席ソングだったり、ギルガメッシュナイトの流れで「Neo Happy系教育テレビ」や「淀川キャデラック」における、素敵なお客様としての創路。
森三中の黒沢さんとカリカの林さんとの素敵な会話のキャッチボールも好きでした。
なので、チケットを取ったのです、相当シリアスな内容と知りつつ。
そして向かうは新国立劇場の小劇場。
女性のお客さんが多い中、自分のお隣はカバンから物を出したり入れたり、前から4列目ですがオペラグラスで見たり外したりする謎な40~50代男性でした。
舞台は「笑の大学」のようなテーブルを挟んで椅子が2脚。
舞台に向かって右サイドに謎のカーテン状のものと、テーブルのバックに教会の入り口と壁といったセット。
静かな雰囲気で始まります。
ここからネタバレありっぽく感想を書きますので、これから観劇予定の場合は観覧後にお読み頂けましたら幸いです!
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舞台はとある教会からスタートします。
板尾さん扮する山川神父は教会で日々信徒の懺悔を聞いています。
朝加真由美さん扮する加賀谷妙子は夫が痴呆症であり目が離せず、そして口げんかが絶えないことにいら立ちを見せています。
石田ひかりさん扮する里井真知子は、莉子さん扮する娘の里井舞花が家出をしたようで、手を尽くして探していますが、なかなか連絡が取れないことを板尾さんに相談に訪れています。
そんな日々の中、板尾さんは教誨のため週に2~3回刑務所へ足を運んでいます。死刑囚へ神父として被害者への反省を促し、執行までの間の精神的なサポートをするために。
そこで松田凌さん扮する死刑囚の町月正紀に出会います。
板尾さんはいつも通り神父として松田さんへ反省を促しますが、松田さんは「自分は『神』なので反省はしない」と言い放ちます。
ある日娘がオンラインゲーム上で『神』を名乗る人物に呼び出された形跡があると板尾さんに石田さんが相談に来ます。
この辺りを境目に、教誨するために松田さんに会う度に妙な予言をされては、その予言が当たることを板尾さんは目の当たりにします。
松田さんは死刑囚のため、外と自由なやり取りは出来ません。
同時に朝加さんの夫の痴呆がかなり進み、近所へ様々なトラブルを起こす事態となり、教会へ来ては「いっそ夫が・・」と辛い胸の内を板尾さんんへ打ち明けに足を運びます。
『神』なる松田さんの予言は、徐々に板尾さん自身の秘めた過去を抉り始め、行方不明の莉子さんの幻覚を見たりなど信念が揺らぎ始めます。
そしてとうとう松田さんの執行命令が出て・・・
ちょうど今、騒がれている宗教やネット空間、家族関係、刑事罰を絡めた舞台となっています。
『神』の神たる所以として予言をしたり、宗教の名のもとに集まる人々。
信念を持って困っている者たちに助けの手を差し伸べる人。
しかしその人にも過去はあり・・・など、助ける人が助けている人に翻弄され、心を乱されている苦悩があります。
と、自分は舞台を見た感想として書いておりますが、『神』と神父のやり取りが難解でした。
さらに石田さんがセリフを若干噛み噛みで、「予言」の繋がり方が中途半端な強引さで説得力に欠けるような。
朝加さんはシリアスな舞台の中のコメディリリーフでいらしたと思われますが、初舞台でいらっしゃるらしく、確かにお茶目な役柄でしたが、荷が重かったような。。
最後の最後も「予言」繋がりで、リアルにあった事件に通じるような神隠し的なことでしたが、これまた微妙な幕切れでした。
舞台上の上空に「天秤」を模したものがあり、片方に白色の物が、片方に赤色の物が乗っているのですが、時折その片方がスルスルスルっと降りてくることで「真実」と「虚実」を暗示していると思われるのですが、それもまた妙に気になり舞台に集中しにくかったです。
死刑囚の『神』による「信じていても救われない」予言。
死刑囚の『神』自身に奇跡は訪れない。
救われない中で、救いを求め、その対象は真実を語っていたのか?といったことだったのかな?っと。(堂々巡り?)
世の中には「鰯の頭も信心から」なこともあるようですが、久しぶりに「泥人魚」と違ったわからなさでした。
板尾さんは自分的に「創路!!」といった安定感でしたが(笑)
何となく撮った新国立劇場の周りの写真を載せてみて、曖昧な感想のお茶を濁そうと思います!
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