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ゾワゾワします。引きずり込まれる関係性。 ~ 舞台 友達 ~

こちらもチケットサイトの案内かラジオだったか。

出演者のキムラ緑子さん、西尾まりさん、有村架純さんでポチっと。

チケットサイト案内文でも、何となく引っかかるものを感じたような覚えがあります。

帰宅後のお約束ホームページチェックで、自分の思った感じの文面が書かれていて、ますますゾワゾワ。。。

ちょっとネタバレの感がありますので、鑑賞予定のある方は鑑賞後にお読み頂けると幸いです。

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初めての東京国立劇場でしたが、自宅から自転車で行った方が早そうなほど、回りくどい道順。「バス」や途中で「徒歩」って出て来ると、時間にスリルを覚えがちですが、特に問題無く到着出来てひと安心。

劇場前の水たまり(きっと違う)に洒落ている、と横目にしながら入場。

ほぼ入場時間だったので、座席の埋まり具合はパラパラっとした感じ。

年齢層は20代から恐らく50代くらいがまんべんなく、男女比も同じくらいの落ち着いた雰囲気。

座席と座席の間に不織布っぽい間仕切りがあり、ちょっと狭く感じはしましたが、鑑賞には問題無し。開演時間前は、ほぼ座席が埋まっていました。


時間となり場内が暗くなり始める辺りから、耳障りな音がし始めます。

徐々に暗くなる場内と比例して音は大きくなって行きます。

ガランとした部屋の床中央にドアがあり、鈴木浩介さん演じる「ケイ(確かこの名前)」がゴロゴロとくつろいでいます。

そこへ普通にドアをノックする音がして、普通にドアの向こうの人と会話をして、特に気にすることも無くケイがドアを開けると、ドワーーっと9人家族が雪崩れ込んできます。

そこからケイが不条理のさざ波、小波、大波、渦に飲み込まれて行きます。

助けてくれるはずの警察も、自分をよく知ってくれているはずの管理人さんも、一番信じて欲しい婚約者まで有り得ない不条理を理解してくれません。

頼りのはずの弁護士までが、まさかの・・・


9人家族が雪崩れ込んで来てからの不条理は、日が経つにつれてケイにとって渦に飲み込まれることを「イヤだ」と思いつつも、「ルール」に身を委ねることへの抵抗力を奪って行きます。

最近完読したある本がありまして(結構前に読んだのですが、なかなか書き出せない自分的重さ)、その内容と凄くオーバーラップして、舞台の状況が進むにつれて一方的な道理と不合理に気持ちがゾワゾワとさせられます。

ただ不愉快ではなく、要所要所で笑ってしまう場面があることが救いだったかな。


舞台開始の耳障りな音が要所要所で入るのは、ケイの自分肯定の思考が揺るがされていくようで不安になります。

そして、9人家族が一枚岩では無いことも徐々に分かって来て、それでいて「家族」として常に一緒に行動しなければいけない、輪からの離脱は存在を抹消されることもあり得る、こっちの不条理にもゾワゾワさせられます。

ラストに向かう過程は、実際にあった、または継続中の「胸糞」と言われている事件や団体がパッパッと頭に浮かんでは居残る、どんよりとズシーンとした気持ちになりました。充分現実にある不条理感。


後味が悪いわけではありません。

家族や仲間や集団といった輪が時々苦手に思ったり、重く感じる自分にとっては、「一枚岩では無い」って部分にちょっとホっとする。

そんな心の逃げ道もあったように思います。


ただ流されていく人、抗う人、徹頭徹尾抵抗出来ない人。


特に何も問題に感じない人。

これ、最強。


短い時間の舞台でしたが、後を引きずるゾワゾワ感。

日常生活でふと、「あっ!」と思い出すセリフやシーンがありそうです。

あるな、今のニュースとか世相がこんな感じ。


原作、読むかどうか、悩むなぁ。

「最近完読したとある本」が凄く頭に淀んでいるので、近いんだよなぁ。


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