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25歳 博士(工学)の備忘録〜博士課程を早期修了して〜

2024年3月26日に学位記授与式を終えてようやく博士(工学)になりました。 今日は学生生活最後の投稿ということで、駄文になってしまうかもしれませんが、今思うことを残しておこうと思います。 偶然の産物 自分にとって博士課程は楽しいことより辛いことの方が多い期間でしたが 指導教員、先輩、同期、後輩、家族、友人など、多くの人々の支えのおかげで、苦しみながらも2年早期での学位の取得に至りました。 所属していた大学である東京工業大学は2024年の10月に東京医科歯科大学との合併

    • 祝 筆頭著者論文公開

      こんにちは やまたくです。 本日は3本目の筆頭著者論文が公開されたので、その報告になります。 新規性は過去2本の論文と比べて小さいかもしれませんが、個人的には綺麗にまとまった論文だと思っています。 何より、著者が教授と自分の二人だけというのが嬉しいポイントの一つでもあります。実験の計画から実行・解析までを自分で行うことができたので自信につながりました。 今年度はまだまだ論文を投稿する予定なので、次の投稿をぜひお待ちください!!

      • 【大学化学への梯】アルカリ型燃料電池の電解液はどうして水酸化”カリウム”なの?

        こんにちは やまたくです 今日は高校化学で登場する燃料電池の一つ「アルカリ型燃料電池」についてのお話です。 昨今の水素社会実現に向けた社会情勢の関係から燃料電池は注目を集めています。 そんな中でもアルカリ型燃料電池は、アポロ宇宙船に搭載されたなどの華々しい利用実績は多くあるものの、安全性や耐久性の観点から他の燃料電池に劣ってしまい最近のトレンドとは少し言い難いタイプの燃料電池となっています。 ではなぜ、あえてアルカリ型燃料電池の話をするかというと、自分が高校生2年生の

        • 先輩が卒業してしまった修士・博士の学生へ〜大学院生のための研究関連情報の集め方〜

          こんにちは やまたくです。 いよいよ新年度が始まりましたね。自分は博士課程2年になり残りの学生生活も僅かになってきたので、悔いの残らないように日々を大切に過ごしていければと考えています。 さて、今日は前回書かせていただいた、「春から研究室に所属する人向け」の下記の記事が自分の想像よりも好評だったことをいいことに、 その続きとして「研究室での学年が進んだ人向け」に情報収集の方法について特化した話をしていこうと思います。 (読者の皆様、本当にありがとうございます。大変励みにな

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          春から研究室に所属する人へ~研究に関する勉強方法~

          お久しぶりです。博士課程の1年があっという間に過ぎて、残り数週間で博士2年生になろうとしていることに焦りを感じているやまたくです。 学部3年で研究室に所属した頃は、「雑用が多くて研究に集中できないから早く大学院生になって研究に集中したい」と思っていたような気がしますが、 実際には学年が上がるにつれて、後輩の指導や装置のメンテナンス、業者とのやりとり、学会準備などで実験台の前で研究する時間は減っているような気がします。 つまり春から新しく研究室に所属する皆さん!! 講義もあ

          春から研究室に所属する人へ~研究に関する勉強方法~

          今年の抱負 / アカデミック卒業の年

          あけましておめでとうございます。 新年1回目の投稿なので今年の目標を書いていこうと思います。 最大の目標は”博士課程1年の早期修了”を達成することです。 実は、博士課程入学当初からの目標で、昨年はアカデミックに残るか、民間企業に就職するか、民間に就職するとしたら化学を続けるのかそれともコンサルやシンクタンク、ITなどの別業種への就職をするかなど考えていました。 結果的には、民間の化学メーカーへの研究職を決めて就活をし、2022年内に内定をいただくことができました。 民

          今年の抱負 / アカデミック卒業の年

          修士課程修了!!

          本当に久しぶりの投稿となってしまいましたが、この度、無事に修士課程を修了することができました。 この春からは、日本学術振興会特別研究員 (DC1) として博士後期課程に進学しました。 今日は、自分のために修士課程で何をしていたか少し振り返っていこうと思います。(駄文になると思いますがご容赦ください) コロナに時間を奪われた修士課程1年 緊急事態宣言の発表翌日に学士課程の卒業式が行われ、そのままコロナが終息することなく修士課程が始まりました。 (大学側から見て) 研究の

          修士課程修了!!

          TOEICの勉強は大学院生の研究生活に役立つ英語の勉強か?

          お久しぶりです。やまたくです。 久しぶりの投稿になってしまいましたが、本日のテーマは大学院生にとってのTOEICの勉強の意義についてです。 多くの大学生・大学院生は院試や就職活動に向けてTOEICの勉強をするわけですが、TOEICを勉強したところで本当に英語力は上がるのか?英語で論文を読むのに役立つのか?を考えていこうと思います。 自分の場合は就活のために研究の時間を割いてまでTOEICの勉強をしたいかと言われたら、できれば研究に役立つ英語の勉強の方が良いなぁと思ってし

          TOEICの勉強は大学院生の研究生活に役立つ英語の勉強か?

          【院試解説】令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (2)

          こんにちは やまたくです。 本日は前回に引き続き 令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (2) を解いていこうと思います。 問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。 (2)はラジカル重合の開始剤に関する基礎的な内容の問題でしたね。 簡単すぎるのでいきなり答えにいこうと思います。①のA〜Eの解答は以下のようになります。 (a)は過酸化ベンゾイル (BPO)、(b)はアゾビスイソブチロニ

          【院試解説】令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (2)

          【院試解説】令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (1)

          こんにちは やまたくです。 最近、全く更新できておらず申し訳ありませんでした。 本日は 令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (1) を解いていこうと思います。 問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。 新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、オンラインでの筆記試験という前代未聞の試験形式になったこともあり、例年よりも解きやすい問題が並んだ印象でした。 (1)の内容としては重合反応に関

          【院試解説】令和2年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 高分子科学 (1)

          2021年の抱負

          明けましておめでとうございます。やまたくです。 2021年1本目ということで、今回は2020年の振り返りと2021年の抱負を簡単に書いていこうと思います。 2020年の研究の成果としては ・特許1件出願 ・筆頭著者論文1報 ・国内学会 2件 (ポスター1件・口頭1件) ・国際学会1件(口頭1件) という形でした。学会は全てオンラインになってしまい、なかなか交友関係を広げるのが難しい1年でしたが、2021年は1回でもいいのでオフライン学会に参加できたら嬉しいです。(既に5月

          2021年の抱負

          【大学化学への梯】なんで水分子は折れ線形なの?〜VSEPR理論の基礎〜

          こんにちは やまたくです 今回紹介する内容は大学入試で頻出の「分子の形」に関する内容です。 大学入試では分子の形を問われる場合が多くあります。今回紹介する内容を理解していただければ、たとえ覚えていなかった分子でも論理的に考えて形を予測できるようになります。 それでは本題に入っていきましょう。 水は折れ線形、アンモニアは三角錐形、メタンは正四面体形……などなど分子はそれぞれ決まった形をとっています。 その形を予測するモデルがVSEPR理論 (原子価殻電子対反発理論)

          【大学化学への梯】なんで水分子は折れ線形なの?〜VSEPR理論の基礎〜

          【院試解説】令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) e

          こんにちは やまたくです。 久しぶりの更新となってしまい申し訳ありません 今日は院試の解説としてリクエストをいただいた 令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) e を解いていこうと思います。 問題自体は著作権の問題で載せることはできないので、大学のホームページからご覧になってください。 i)Pictet-Spengler反応に関する問題Pictet-Spengler反応そのものを学部の講義で扱う可能性は低いかもしれませんが、知識的に

          【院試解説】令和元年度 東京工業大学 理学院 化学系 問題6 有機化分野(選択問題) e

          後期から研究室所属する化学系の学部生向けジャーナルリンク集

          昨日に引き続き、論文のリンクに関する記事です。 大学によっては学部3年の後期から研究室に所属して、いよいよ研究生活が始まる学生も多い時期だと思います。 また、研究室所属はまだでも4年生からの研究室所属に向けて、自分の興味のある分野を探し始める学生も多い時期ではないでしょうか? 研究が始まるととりあえず言われるのは関連研究の論文を探して読んでおけということだと思います。ただ、いきなり言われても困る方も多いと思います。そこで、本日は取り敢えず、この辺のホームページを使って探し

          後期から研究室所属する化学系の学部生向けジャーナルリンク集

          化学(特に高分子関連)の国際誌のインパクトファクターと印象

          お久しぶりです。今回は完全に自分のための記事ですが、最近論文執筆していて少し気になったので、これを契機に化学系の国際誌のインパクトファクターやら諸々をまとめて行こうかなと思います。 化学系総合雑誌1. Nature Chemistry:IF 21.687 (2019)言わずと知れた有名化学雑誌。イギリスのNature Publishing Group (NPG)が発行していますが、その歴史は意外と浅く2009年4月創刊です。個人的にはイメージカラーの紫は結構好きです笑 2

          化学(特に高分子関連)の国際誌のインパクトファクターと印象

          【院試解説】平成30年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 9A (2)

          こんにちは やまたくです。 今日は院試解説として 平成30年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 9A(2) を解いていこうと思います。 著作権上の都合から、問題は大学ホームページのリンクからダウンロードしてください。 芳香族求核置換重合に関する問題今回も前回に引き続き基礎的な問題だったので答えから先に示します。 下図の化学構造式で示される芳香族化合物は、芳香族求核置換重合のモノマーとして用いられる. この芳香族化合物の中のXとして、(オ:カルボニル)基や(カ

          【院試解説】平成30年度 東京工業大学 物質理工学院 応用化学系 9A (2)