化学(特に高分子関連)の国際誌のインパクトファクターと印象

お久しぶりです。今回は完全に自分のための記事ですが、最近論文執筆していて少し気になったので、これを契機に化学系の国際誌のインパクトファクターやら諸々をまとめて行こうかなと思います。

化学系総合雑誌

1. Nature Chemistry:IF 21.687 (2019)

言わずと知れた有名化学雑誌。イギリスのNature Publishing Group (NPG)が発行していますが、その歴史は意外と浅く2009年4月創刊です。個人的にはイメージカラーの紫は結構好きです笑

2. Journal of the American Chemical Society:IF 14.612 (2019)

アメリカ化学会 (ACS) により出版されている通称 JACS。1879年創刊の超歴史の深い化学系の国際誌。JACSに載せられる実験データはサポーティングを含めてきっちりした印象があるので、自分の研究と関連した内容がJACSの論文にあると道標的な使い方ができて安心感がありますよね。

3. Angewandte Chemie:IF 12.959 (2019)

ドイツのWiley-VCHから出版されている通称Angew。1887年に創刊された歴史ある国際誌です。元はドイツ語の論文がほとんどでしたが、1962年にAngewandte Chemie International Edition (略記:Angew. Chem., Int. Ed.) が刊行されたことで一気に英語論文の掲載が多くなりました。今では他の国際誌でも当たり前ですが、グラフィカルアブストラクトやその号の主要論文をイラスト入りで取り上げた表紙など先駆的な取り組みを行ったことで知られています。JACSに比べてクレイジーな研究が掲載されている印象で個人的にはかなり好きな国際誌。

4. Chemical Science:IF 9.346 (2019)

英国王立科学会出版部(RSC Publishing Group)から出版されている比較的新しい化学系総合雑誌。2010年7月に設立されており、2018年までは月刊紙、それ以降は週刊誌として発行されています。
個人的には2015年1月よりオープンアクセス出版モデルに移行したので今後、IFが伸びる国際誌ではないかと思っています。

5. Chemical Communications:IF 5.996 (2019)

こちらも英国王立科学会出版部(RSC Publishing Group)から出版されている通称ChemComm。1989年創刊のコミュニケーション(速報誌)を載せるためのジャーナルです。修士まで真面目に研究して成果を上げられた人はChemCommの表紙を狙える場合が多いので、それを目標に研究している人も多い気がします。
(1~4で紹介した国際誌で表紙を飾るのは流石に大変なのもありますが…)

6. Bulletin of the Chemical Society of Japan:IF 4.488

日本化学会が運営するジャーナルで最もIFの高い通称ブルケム。1926年創刊の国際誌でaccounts(総説)、articles(報文)および short articles を発表しています。個人的には紺色と朱色のロゴデザインが日本らしくてかっこいいなぁって思っています。


7. Chemistry Letters:IF 1.550 (2019)

こちらも日本化学会から発行されている国際誌です。Highlight Review(総説)、Letter(報文) を発表していることから日本化学会速報誌と呼ばれたりしますね。
もう少しIFが高ければいい国際誌なんだけどなぁと思ったり…

高分子科学

ここからは自分の専門の高分子関連の国際誌の紹介になります。

8. ACS Macro Letters:IF 6.042 (2019)

アメリカ化学会 (ACS) により出版されている通称マクロレット。2012年に創刊された比較的新しい国際誌にも関わらず高分子科学分野では現在最高のIFを誇っています。

9. Macromolecules:IF 5.918 (2019)

こちらもアメリカ化学会 (ACS) により出版されている国際誌です。1968年に創刊されました。基本的に新発見などの緊急性の高い速報誌 (コミュニケーション) はACS Macro Letters、総合的かつ詳細な議論についてはMacromoleculesに掲載されています。

10. Polymer Chemistry :IF 5.342 (2019)

英国王立科学会出版部(RSC Publishing Group)から出版されている通称ポリケム。2010年2月に月刊誌として創刊され、2013年に隔週刊に切り替えられました。合成高分子や生体高分子化学および関連する新興分野をカバーしている印象が強くACSのジャーナルに比べてニッチな研究を好む気がします。


11. Macromolecular Rapid Communications:IF 4.886 (2019)

ドイツのWiley-VCHから出版されている国際誌。高分子科学を対象とした隔週刊のジャーナルで、高分子化学・物理から材料科学・生命科学の高分子まで、幅広く扱っている印象です。

12. Polymer:IF 4.231 (2019)

オランダのELESEVIERから出版されているオープンアクセスの国際誌です。ポリマーハイブリッド、ナノコンポジット、特性評価、自己組織化に関する投稿が多い印象です。

13. Polymer Journal:IF 2.826 (2019)

日本高分子学会の公式な国際誌で月に一度出版されます。2009年からはNature Publishing Groupから発行されています。


終わりに

自分がメインでチェックする論文は大体これくらいですが、

最近はオランダのELESEVIERから出版されているPolymer Degradation and Stability(IF 4.032 (2019))も読んだりします。

皆さんのお勧めの論文等あれば教えていただければ幸いです。










ご愛読いただきありがとうございます