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人生ワーストダントツ1位の人間・運転免許場教官の話

皆さんも、今までたくさんのいろんなタイプの先生方に関わってきた、というか関わらざるをえなかった(笑)ことと思います。

私は、自分の人生を振り返ってみると、素晴らしい先生方に、優しく手を差し伸べてもらい、今の自分があります。

私は、よっぽどのことがないと、人を悪く思わないようにしています。

高校3年生のとき、大学は推薦入試で合格したので、センター試験を受ける必要がなく、時間があったので、免許をとりに自動車学校に通うことにしました。

自動車学校は、たくさんの人で溢れていて、実習の予約が埋まって、キャンセル待ちの状況にまでなっていました。

何度も予約が取れず、やっとキャンセル待ちの予約が取れて、実習の日に…

ぷら〜っとやってきたのは、35歳くらいのクリクリパーマをかけた?(天パか?)中肉中背の男性教官。

バインダー片手に、私の名前を呼んで、無言であごを斜め上に突き出し、「じゃあ、こっち(ついて来て)」と言わんばかりにタラタラ歩きだしました。

なんか嫌な予感…
直感で、「絶対、合わないな。」と確信しました。

教官は、車の説明をひと通り済ませました。終始、上目線でどこかひとを馬鹿にしている感じがしました。

実習が始まると、

「こうじゃないだろーがっ!」
「車幅の感覚考えろよ!」
「お前、本当にヘタやなー!」

など、数多くのレバートリーで、責めたててきます。
ここまで言われると、この人何か私生活で不満があるのかなとさえ、思えてきました。

当たり前のことですが、免許をとりに来ているというのは、運転したことがないこととイコールです。

私は、今まで家庭教師や塾ではじめて英語を習う生徒や勉強がわからない生徒に“教える”仕事に携わってきましたが、相手がわからないという理由で怒ったり、怒鳴ったりしたことは一度もありません。

むしろ、どう説明したら、理解してもらえて相手ができるようになるか反省する日々でした。

毎日、毎日、お前はダメな人間だ的なことを言われ続け、さすがの私でも、メンタル的に辛くなってきました。

当然ながら、私の貯金からの何十万円もの支払いで、この人の給料はでています。
ある意味、お客さんに対してこの言葉づかいはありなのか!?と思えてきました。

他の教官は、生徒と笑い合いながら、車から降りても楽しそうに話をしていました。

すぐに受付カウンターに行き、別の教官にかえたいと、お願いしたところ、他の教官は人気なのでかなり先じゃないと予約が取れないと言われてしまいました。

この教官だけ、予約が取れる状態でした。
この教官だけ、キャンセルがでるのも、そういうことか… 
他の人たちは、この教官が嫌でキャンセルしていたのか!
やっと理解できました。

あーだこーだと怒られながら、耐えに耐え、やっと実習の実技試験日となりました。

私は、自動車学校の車幅の狭いS字やクランクのコースが苦手でいつもタイヤが溝に落ち、脱輪していました。

成功率は、2割ほどしかなく、不安なまま試験に望みました。

こちらは嫌でたまらないのに、どの実技試験コースにくじで決まったか、聞いてきました。

そして、私のもっとも苦手なコースがあたったことを知り、

「あー、絶対落ちたわ!」と、笑い、

隣の教官に、

「こいつ、よく脱輪するし、ヘタなんですよ。絶対無理!」と、話かけていました。

緊張の面持ちで車に乗り、テスト実習の教官に挨拶をしました。

とても優しい感じの教官でした。

「ゆっくりでいいですよ。」と、優しい言葉をかけてくれて、テストが始まりました。

私はすごい汗を手にかきながら、ゆっくり慎重に車を走らせました。

そして、ひとつずつのコースを慎重にクリアしていきました。

ついに、問題の苦手なクランクのコース。

いつも脱輪していたので、きっと駄目だろうなと思いながらも、一生懸命に慎重にハンドルを切りました。

奇跡は起きました!!

不思議と最後まで脱輪することなく、するりとそのコースを抜け出すことができました。

実習試験の結果は合格。

もしかしたら、隣で「ヘタ!!」と何百回も呪いの呪文のように怒鳴られたことで、体と心が極限まで緊張し、今までうまくできなかったのかも…

そして、またこの教官が聞いてきました。
「なぁ、落ちたやろ?」

試験教官が「いいえ、受かりましたよ。」
と、言いました。

私は、無事免許が取れ、車が運転できるようになったことよりも、この先生と縁が切れることの喜びと、達成感の方が大きくなりました。

世の中には、こんな人がいるんだと、知ることができましたが、あれ以来、彼を超えるワーストな人には、幸い出会っていません。

そして、自動車学校を卒業しても、実際にはあんなに狭い車幅を通ることもなければ、脱輪したこともありません。

無事故です。

ある有名な人が、こう言っていました。

【インタビュアーの質問】
「人ってどういう時に失敗すると思いますか?」

「それは、その人が失敗しないと思っている時じゃないですか?」

生きていると、こんな辛い目にあうときがあります。
そして、なるべくこんな人から離れようとするけど、どうしても避けられないときもあるかもしれません。

でも、永遠に縁が切れないわけではありません。
辛い状況は、永遠には続きません。

その人が人に危害を与える人間だけど、自分が間違ったことをしないことが大事と、いつも自分に言い聞かせています。

そして、彼を反面教師として、自分の生き方を正しくあろうと、努力しています。

未来は、明るく…待ってくれています。

サポート機能があると知って驚き😲 お願いするしかありません… ご縁がありますように…🧚🧚🧚🧚🧚🧚🧚