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生活拠点をアメリカに変えたら見えてきたこと

東京からボストンに越してきて、早くも1か月が過ぎた。
着いたばかりの頃は大雪に見舞われていたのに、今じゃそれが嘘みたいに夏めいた空に変化してきている。

東海岸の気候にも、アメリカ人の人懐こさにも、薄暗い地下鉄の駅にも、洗剤のきつい香りにも、物価の高さにも、動じないくらいには慣れてきた。

ボストン市内。まだ寒さは残るものの、空は抜けるように青く、日差しが眩しい。

旅行で世界の色々な都市を訪れてきたけれど、海外への移住は初めての経験。最初は1つのことを進めるのに100調べるといった手探り状態の日々だった。それでもようやくたどり着いて、日本で家中のものを分別して、山のような解約手続きをして、アメリカではアパートや電気水道の契約を交わし、息子は希望していた現地校に通い、娘の進学先も決まり、現地の口座やIDを持ち、ファミリードクターも見つけ、現地での新たなルーチンが出来上がりつつある。

IKEA通いから始まったアメリカ生活

海外転居先にすぐ持ち込める荷物はびっくりするほどわずかだった(航空便)。だからアメリカでの最初の作業は、最寄りのIKEAに通って家具と生活用品をそろえること。

船便にはそれなりに積めるのだが、届くのに3〜4カ月くらいかかる。生活に欠かせないベッドや寝具、テーブルやソファ、照明や収納ケース、調理器具や食器、タオルや掃除用品は一気に買い揃える必要がある。

IKEAまでの道のり。郊外のため自然が美しい。

地味に厄介なのが調味料。渡米時には食品の持ち込みがNGなので、調味料も 全て買い直す必要がある。醤油やみりんは大きなスーパーへ行けば手に入るが、コンソメ、ソース、マヨネーズ…この辺りは一般的なスーパーでは手に入りにくい。代用品を探してAmazonで買ったり、アジア系スーパーでまとめ買いする。

米国では「H MART」という韓国系スーパーが人気でボストン近郊にも2軒ある。日本の食材もそこそこ揃っているのでありがたい。

店内に入ると韓国食材の豊富さに圧倒される。キムチだけでもこの品揃え!!韓国人のお母さんは何だか大変そう。。

韓国料理を無性に食べたくなるけど、辛いので子連れにはハードル高くて断念。。
韓国人の子供達は何を食べてるんだろう。

家電製品に、アメリカのダイナミックを感じる

アメリカに引っ越して最初に感じた日本生活との差は、家電製品のダイナミックさ。

アメリカの住宅はセントラルヒーティングのおかげで、氷点下の日でも屋内はTシャツでOKというのは、日本人にもよく知られている事実だ。日本の寒い一軒家で育った私には、ちょっと不思議な感覚。

でもアメリカのキッチン、特にオーブンやIHヒーターのパワーを見ていると、それも何となく納得できる。IHはスイッチを入れると1分もたたないうちにものすごい熱を発する。オーブンもあっという間に200度超になる。

到着後に滞在していたAirbnbの一軒家。たいていの家に、このサイズ感のオーブンや食洗器、洗濯乾燥機が備え付けられている。

それにしてもこの業務用かと見まごうビッグサイズのオーブン、やっぱり威力がすごい。サーモンの切り身とかじゃがいもを数分焼くだけで、外はカリっと中はジューシーで美味しく、お店に出てくるようなゴージャスな一皿になる。
よく「欧米の夕飯は、肉と野菜をオーブンで焼くだけ」みたいなトーンの記事を読んでいて、あまり腑に落ちなかったけど、「これか!」と思った。

食洗器だってダイナミック。日本の食洗器は汚れを念入りに水洗いしてから入れないときれいに仕上がらないし、食器を入れる順番にもすごく気を遣う。でもアメリカの食洗器は汚れが多少残っていても全然オッケー。お鍋(食洗器可のもの)もコップもガンガン入れられて、仕上げは全てピカピカ。家事効率が確実に上がる。

日本の食洗機は、主婦が汚れを落とすことが前提の作りになっていると何かの記事で読んだことがある。それが事実かどうかは知らないけれど、少なくともアメリカでは家電がパワフル&ビッグスケールなので、日本より家事が効率化されているのは事実かと思う。

雑談を交わすのが、ある種マナーのアメリカ人

こちらに来て受けたアメリカ人の印象は概ね、お喋り好きで明るい。レジで雑談を交わすのはある種マナーみたいな感じだ。

そして子供にとても優しい。子連れで歩いていると誰かしら必ず子供に笑顔で話かけてくれる。ダンキンドーナツに行けば娘は「プリンセス!」と呼ばれて毎回おまけのドーナツをもらっているし、アパートのコンシェルジュは娘におもちゃのピアスをプレゼントしてくれる。子連れで地下鉄に乗ると、我先にと席を譲ってくれるので一列が空席になってしまうことも。きっとそういう教育を受けてきているのだろう。

ボストンからチャールズ川で隔てられたケンブリッジ市はハーバード大学やMITなどの大学が建ち並ぶ。MIT敷地からのボストンの眺め。

日本ではあまり見ない光景を先日見かけた。日曜の午後の地下鉄で酔っ払いのようなおじさんがいて他のお客に大きな声でしつこく絡んでいる。すると若い男性がすっと立って、おじさんの近くまで行って睨み、威圧している。おじさんが手を出さないよう見張っているのだ。他にも何人かの男性が同じ行動をして、おじさんの傍に来て見張っている。酔っぱらいのおじさんの声は徐々にトーンダウンし、ついに降りていった。

ハーバード大学に建つ、ジョン・ハーバード像。この日は、かの国の国旗が掲げられていた。
 

こちらに長く住んでいる日本人が話していたが、アメリカ人は優しくて人情味がある。殴り合いの喧嘩が始まると誰かが必ず割って入ってくる。それが車に乗ると人が変わったように攻撃的になり、クラクションを鳴らしまくる。確かにアメリカの車道、特にロータリーや信号などではクラクション音がよく響いている。その豹変スイッチは何なんだろう。いずれ解明してみたい。

さて今回はこの辺で。また次回お会いしましょう。

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