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【歴史20】カナダ史備忘録39(リメンブランスデー・国際連盟加盟・新渡戸稲造・マクフェイル・ザフェイマスファイブ・労働運動激化・グループオブセブン)

カナダ史の学習内容を深めていきます。

①第1次世界大戦当時のカナダ人口は約800万人で約63万人が従軍して約6万人が犠牲となった。13人に1人が戦地に行きその中の10人に1人が戦死した。

②イギリスとカナダ、旧英領諸国は休戦協定が結ばれた11月11日にリメンブランスデーと呼ばれた。毎年この日は戦没者の追悼集会が行われた。戦争を通じてイギリスに貢献した事でカナダの国際社会での発言力は増した。

③1919年1月に始まったパリ講和会議ではイギリス首相ロイドジョージの後押しでイギリスとは別個にカナダは独自の代表を派遣できた。翌年に成立した国際連盟でカナダは現加盟国となった。

④国際連盟には常任理事国として日本も名を連ねていた。事務次長は新渡戸稲造が6年間務めた。

退任後は新渡戸は外交官として活動した。1933年の秋にカナダのバンフで行われた国際会議からの帰途にブリティッシュコロンビア州の州都ヴィクトリアで客死した。

⑤ヴァンクーバーの日系移民が中心となりブリティッシュコロンビア大学構内で新渡戸記念庭園が1935年に設置された。

⑥戦時中に従軍者家庭に限り女性参政権が認められた。戦後の1920年には連邦議会における参政権は男女とも21歳以上とされた。

⑦1921年12月の総選挙ではオンタリオ州出身のアグネス・マクフェイルが連邦議会で初の女性議員となった。マクフェイルは下院議員であり女性は上院議員になれなかった。

⑧その状況を変えるために5人の女性が立ち上がった。上院でも女性が任命されるよう訴えた。1929年には当時のカナダの最終審だったイギリスの枢密院司法委員会に認められた。

⑨この5人はザ・フェイマス・ファイブと呼ばれて称えられており銅像が国会議事堂の敷地内に設置された。

⑩戦争末期の1917年にロシアで二月革命によって帝政が倒された。労働者階級の代表からなる共産党政権のソヴィエト社会主義共和国連邦が成立した。

この影響を受けて世界各地で労働運動が活発した。

⑪戦場にならなかったカナダでは戦後はヨーロッパ向きの輸出量の拡大によって工業生産が大幅に伸びた事で工場労働者も増加した。1919年5月にマニトバ州の州都ウィニペグで大規模なストライキが起こった。この年にカナダ全土で320件以上ものストライキが起こった。

⑫戦後のイギリスは大戦で国力が落ちたため国際的な影響力が低下した。こうしてカナダとアメリカは経済的に密接な関係を築いていった。大衆文化も同様であり1920年にはカナダでアメリカの音楽や映像作品が視聴できるようになった。

⑬カナダ独自の文化が育まれた。文学や歴史研究などの出版が盛んとなった。美術界ではローレン・ハリスたち7人の画家たちであるグループオブセブンが風景画家トーマス・ジョン・トムソンの作風を受け継いで国内外から高評価を得た。

⑭またグループオブセブンと親交のあった画家のエミリーカーがブリティッシュコロンビア州の先住民の工芸に着目した作品を発表した。

こうしてトーテムポールが海外で広く知られるようになった。

■参考文献 『1冊でわかるカナダ史』細川 道久 河出書房新社

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