【歴史20】カナダ史備忘録23(南北戦争・トレント号事件・大連立内閣)
カナダ史の学習内容を深めていきます。
①1861年4月にアメリカの南北戦争が勃発した。
アメリカ北部の諸州は商工業が発達していて
保護貿易政策を取り奴隷制度を廃止していた。
②南部諸州は海外に輸出する綿花栽培が主な産業であって
農場で大量の黒人奴隷を働かせていた。北部と南部が奴隷制を
認める州の範囲をめぐって対立していた。
③南部の諸州はアメリカ連合国(南部連合)を結成して合衆国からの
離脱を宣言した。北部の中央政府はこれを認めず両地域は戦争となった。イギリスは中立表明をしたがアメリカ南部から綿花を輸入していたので南部寄りであった。
④1861年11月にバハマ沖の公海上でイギリスの郵便船トレント号がアメリカ北軍の艦艇に停船させられ乗っていた南部特使が捕まった。このトレント号事件で両国関係は悪化した。
⑤アメリカ北軍が英領北アメリカに侵攻してくる懸念があった。連合カナダ政府は大規模な市民軍の設立を唱えた。予算不足でフランス系議員が反対したので議会で否決された。
⑥イギリスは英領北アメリカを一つの連邦に統合して一丸となりアメリカに対する防備を固めるように促した。南北戦争が長期化して連合カナダ政界は一致団結するようになった。
⑦保守党と対立していたイギリス系改革派の議員であったジョージ・ブラウンは保守党と協力関係を結んだ。イギリス系住民を敵視していた東カナダのカトリック教会の関係者もアメリカ併合を恐れて英領北アメリカ統合の支持に回った。
⑧1864年にはフランス系の急進改革派以外の議員が大連立内閣を打ち立てた。カルティエやブラウンを中心としたないアックは英領北アメリカの各地域による連邦の結成、各地域の人口に比例した数の議員選出、ハドソン湾会社の管理であった西部地域編入を目標に掲げた。
■参考文献 『1冊でわかるカナダ史』細川 道久 河出書房新社
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