【歴史19】エジプト史備忘録27(アラブ軍侵攻・イスラーム教)
エジプト史の学習内容を深めていきます。
①7世紀にエジプトを含む東地中海・オリエント世界は変貌をした。
イスラーム教の預言者ムハンマドは信仰を説いて信徒の共同体をつくった。武力で他を圧倒してアラビア半島各地のアラブ部族を束ねた。
②632年にムハンマドが亡くなるとカリフ(後継者)たちの
号令のもとで大征服がはじまった。
③636年にアラブ軍はビザンツ帝国皇帝のヘラクレイオスの軍をガリラヤ湖の南東のヤムルークの戦いで打破してシリアを征服した。指揮官の1人アムル・イブン・アル=アースはエジプトへ矛先を向けた。
④アムルの軍勢はパレスチナの海岸沿いに進んで639年末にエジプトへ侵入した。現在のカイロ近郊にあったビザンツ帝国の要塞バビロンを攻めて7ヵ月にわたる攻城戦を行い陥落させた。
⑤アムル軍勢はエジプトにおけるビザンツ帝国の拠点にあったアレクサンドリアを攻めた。
アレクサンドリアの大司教兼総督のキュロスは降伏した。642年にビザンツ軍のエジプト撤退に合意する条約が結ばれた。
⑥アムルはバビロン攻城戦で宿営地とした場所で新しい都としてフスタート(テント)を建設した。ここにアラブ軍が駐屯してエジプト支配の拠点となった。
⑦新都にはアフリカ大陸最古のモスク(礼拝堂)が建立した。これがアムル・モスクである。現在も残っている。
⑧イスラームはユダヤ教やキリスト教に連なる一神教である。唯一神は万物の創造主であり人間にルールを授ける。ルールに従うという契約を結んだ人間を来世において救済してくれる。
⑨モーセやイエスといったユダヤ教やキリスト教の重要人物はイスラーム教にとっても預言者とされる。十戒や福音書は啓典である。
⑩後に人の手が加わって啓典が神の正しい教えから離れてしまったので神は最後の預言者としてムハンマドを遣わして啓典クルアーン(コーラン)を授けたとイスラーム教徒は考えている。
⑪イスラーム国家ではキリスト教徒やユダヤ教徒は人頭税(ジズヤ)を支払う代わりに庇護民(ズィンミー)として扱われた。
■参考文献
『1冊でわかるエジプト史』 山崎世理愛 五十嵐大介 河出書房新社
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