テレワーク・リモートワーク・在宅ワークの違いはある?〜現状と課題のまとめ解説付〜
働き方改革の推進や感染症対策に伴い、テレワークの普及が進んでいます。
そんな中、「御社はリモートワークを導入されていますか?」「弊社は現在在宅ワークを週2日で取り入れています」など、様々な用語が出てきて、意味の違いや使い分けに疑問を持たれている方も多いのではないでしょうか。
今回は、テレワーク・リモートワーク・在宅ワークの用語の違いについて解説するとともに、テレワーク普及の現状と課題についてまとめました。
1.テレワーク・リモートワーク・在宅ワーク 意味はほぼ同じ
テレワーク・リモートワーク・在宅ワークは、『会社オフィス以外の場所で働く』という点において共通した意味を持っています。
テレワークは、Tele(離れた)とWork(働く)を組み合わせた造語で、「情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)を活用した、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」を指す言葉として、厚生労働省によって定義されています。
働く場所によって、3つの形態に分類されます。
リモートワークは、Remote(遠隔)とWork(働く)を組み合わせた造語であり、オフィスから離れた遠隔地で働く勤務形態を指します。
IT企業やベンチャー企業で使われるようになった言葉といわれており、明確な定義が存在するわけではありません。
言葉の成り立ちからみても、テレワークとリモートワークはほぼ共通の意味として使われていると認識してよいでしょう。
在宅ワークについては、テレワークの種別でもあったように、働く場所が“自宅”の場合の働き方を指しています。
しかしながら、感染症拡大の影響によって導入をし始めた企業にとっては、“会社オフィス以外の場所=自宅”であることが多いため、在宅ワーク=リモートワーク・テレワーク と捉えている企業もあり、相手や状況によっては共通の意味として解釈してよい場合もあるでしょう。
2.テレワークの導入率と活用の現状
様々な用語が飛び交うほどに多くの企業で導入が進んでいるとも言えますが、実際のテレワークの活用状況はどうなっているのでしょうか。
企業での導入率は全国平均約3割
内閣府の2021年9月の調査によると、企業のテレワーク導入率は全国平均32.2%、3年前の約3倍に増加しています。
一方、東京都23区では50%を超えているにもかかわらず、地方圏では25%を下回っているという企業所在地による差も出ています。
出典:「第4回 新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査 | (内閣府)
またその他、東京商工会議所が発表した2022年5月実施の調査では、東京23区における中小企業のテレワーク実施率は29.7%でした。
企業規模(従業員数)別では、「301人以上」が最も高く57.6%、「50人以下」が最も低く22.7%となり、過去の調査から一貫して企業規模が小さい企業ほど実施率が低い結果となったとのことです。
これらのことから、都市企業⇔地方企業、大手企業⇔中小企業にてテレワークの実施率には大きな差異があることがわかります。
出典:「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(東京商工会議所)
テレワークの実施効果で一番感じたのは、働き方改革の進展
テレワークを実施した企業の内の46.9%が「働き方改革の進展」に、39.2%が「業務プロセスの改善」に効果があったと回答しています。
人材不足が経営課題になる企業も多い中で、テレワークは生産性向上や離職防止・新規雇用につながる効果を出しているといえます。
また、前回調査に比べてどの項目も増加している点にも注目です。テレワーク活用の試行錯誤により、多くの企業でテレワーク効果が発揮できるようになってきているといえるかもしれません。
出典:「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(東京商工会議所)
3.テレワーク導入後に起こりやすい課題3つ
テレワークは「ICTを活用した、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」であるがゆえに、既存の組織づくりや運営方法では対応できない課題もでてきます。
実際に導入した企業が感じている課題としては、
「情報セキュリティ(56.2%)」
「社内コミュニケーション(53.6%)」
「PCや通信環境の整備状況(52.1%)」
「労務管理・マネジメント(39.2%)」
が挙げられています。
出典:「中小企業のテレワーク実施状況に関する調査」(東京商工会議所)
情報セキュリティ
オフィス集約型ではないため、情報セキュリティのリスクはより高くなります。この点に関しては、ツールの最適化や安全性の徹底と、従業員のリスク管理意識の向上と両輪でリスクをつぶしていく必要があります。
社内コミュニケーション
昨今では、学びや買い物といったあらゆる場面でICTを利用した非対面の状況が日常化してきているため、非対面コミュニケーションに慣れている人が増えてきているかもしれません。
しかし仕事でのコミュニケーションは、目標に向けて組織やチームとして成果をだすために行うものであり、高度なコミュニケーションが求められます。
テレワーク下でコミュニケーションが不足し、その問題を解決するためにテレワークを取りやめる企業までも出てくるほどに、重要な課題です。
コミュニケーション不足が起こっている原因と、不足状態が続くことのリスクとその解消法について下記記事にまとめています。
参考記事:【マネジャー以上必見】テレワーク下で不足するコミュニケーションへのおすすめ対処法
労務管理・マネジメント
目の届かない遠隔の場所で従業員が働くことで、労務管理やマネジメントに頭を悩ませる企業は多いといいます。
時間や場所を固定することである一定のコミットを計ってきた既存の労務管理では、テレワークの働き方を管理することは矛盾が生じてしまいます。
また、マネジメントについても同様です。既存のマネジメント方法でチーム作りを行おうとしても、評価にしても育成にしても困難な状況がたくさん発生するでしょう。
マネジャーがもつ3つの役割「目標達成」「人材育成」「チーム活性化」におけるテレワーク下での課題とその解決方法のヒントについて下記記事にまとめています。
参考記事:【在宅勤務下での重要課題】マネジメントがうまく回り出すための3つのカギ
まとめ
テレワーク・リモートワーク・在宅ワークといった用語が市民権を得るようになり、企業の人事戦略上でもテレワークの重要性は増してきています。
すでに導入している企業は、様々な試行錯誤を繰り返しながらも、着実に効果を感じてきている様子もみえます。
人材不足が確実と言われる中で、テレワークの活用を手段の一つとして、生産性向上や人材確保の課題解決に繋げていきましょう。
テレワーク未導入からどんなふうに組織の中に浸透していけばよいか分からないという企業様に向けて、弊社は課題の整理からお手伝いをしております。
trustyyleまでお気軽にお問い合わせください。
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