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【マネジャー以上必見】テレワーク下で不足するコミュニケーションへのおすすめ対処法

 テレワークが導入されたときに、一番分かりやすい変化といえば、人との距離・関わり方ではないでしょうか。
 東京商工会議所が2022年3月に発表した調査によると、調査対象の中小企業が抱えるテレワーク実施の課題のうち、「社内コミュニケーション」を選んだ企業が62.1%(複数回答可)となっています。
(出典:https://www.tokyo-cci.or.jp/file.jsp?id=1029265
その他多くの調査を見ても、テレワークの課題として、「コミュニケーションが減少した」「コミュニケーションに不足を感じる」という項目が上位に挙がります。

 今回は、テレワーク下でコミュニケーションが不足する原因とその状態が続くことのリスクについて考えるとともに、それを防ぐための対策をご紹介します。

1.テレワークでコミュニケーションが不足する原因

なぜテレワーク下でコミュニケーションが不足していると感じるのか、その原因に触れる前に、まず、【社内コミュニケーションが満たされている状態】について確認しましょう。

 【満たされている状態とは】
〈感情面〉心理的安全性・親近感・仲間意識が高い状態
〈業務遂行面〉ミスコミュニケーションが少なく、生産性高く全員でPDCAを回せている状態

この状態が作り出せていないことが、コミュニケーションの満足度を下げていると考えられます。

テレワーク下において、この満足度を下げているコミュニケーション不足因子は、下記の3つに分けることができます。

1-1. リアルな場がないこと 【お互いの存在を感じにくい】

テレワーク下でコミュニケーションの不足を感じている場合、コミュニケーションの状態以前に、相互の『存在感』を感じ取りにくくなっていることがあります。

対面では、各々別の仕事をしていて言葉を交えることがなかったとしても、同じ空間にいたり廊下ですれ違ったりする中で、お互いの気配を感じ、存在を認識することが可能です。人が通るときに椅子を引くような何気ないこともコミュニケーションの1つです。

しかし、テレワーク下は、強い意志をもって意図的に存在感を発しなければ、コミュニケーションがそもそも発生しにくい状況であるといえます。

1-2.  コミュニケーション総量が減ること【非言語コミュニケーションが少ない】

コミュニケーションとは、情報・感情・思考といったものを相互に伝達し合い、理解することです。

テレワーク下では、非言語で発するコミュニケーションが少なくなることから、自然とコミュニケーションの総量が落ちてしまいます。

たとえば、チームコミュニケーションの場合、誰かが話しているときに、目を合わせる・相槌を打つなど様々な形で受け入れる姿勢を示すと思いますが、WEB会議ではその状況は見えづらくなります。

また、テキストコミュニケーションでは、感情や意見を伝達することの難しさを感じたり、認識の相違が起こってしまう状況に悩んでいたりする方もいるのではないでしょうか。

1-3. リズムがとりにくいこと 【やり取りにタイムラグが発生しやすい】

コミュニケーションは、双方向に発生するものなので、やりとりのスピード感やリズム感も大事になります。

しかしながら、テレワーク下で利用するコミュニケーションツールでは、発信者と受信者の間に少なからずタイムラグが発生してしまうことは避けられません。

キャッチボールがスムーズでないと、特に感情や意見の情報交換は難しくなります。間があることで、発信者は発言内容が相手を傷つけていないか、きちんと受け取ってくれたのかと不安になる時間が発生します。

また、テキストコミュニケーションでは、メールに比べるとチャットツールを使うことでタイムラグは減少します。しかし、すぐに返さなければとチャットを優先にした業務を行っていると、人によっては業務効率が下がり、それがストレスの原因になることもあります。

2. テレワーク下でのコミュニケーション不足が続くリスク

このようにコミュニケーション不足の原因は、テレワーク下には向き合わざるを得ないものばかりです。
しかし、これらを放置していると、コミュニケーションの満足度はどんどん下がっていきます。
すると何が起こるでしょうか。

*存在感を感じられない状態が続くと、お互いの心理的距離は離れてしまい、親近感とは逆の状態になってしまいます。

*非言語コミュニケーションが減少し、そのうえで、言葉で伝え合うことを大事にしなければ、コミュニケーションにおける齟齬が頻発してしまいます。それが続けば、お互いの信頼感が保てなくなってしまうかもしれません。

*コミュニケーションのキャッチボールがうまくいかない場合も同様です。心理的な負担になりますし、個人としてもチームとしても業務効率や生産性が落ちてしまいます。

積み重ねてしまったコミュニケーションの小さなストレスにより、コミュニケーションをとることに消極的になってしまうと、さらに負のスパイラルになっていくことは容易に想像のつくことです。
負のスパイラルが回り始めてしまうと、組織としての求心力も生産性も致命的に失われてしまいます。
このことは、離職や業務トラブルの増加を引き起こす非常に大きな原因の1つとなりえます。

3.テレワーク下でのコミュニケーション不足への対策

コミュニケーションの不足を解消したい!と思ったときに、組織側からできることを考えてみましょう。

コミュニケーションの心地よさは人によって異なりますので、対策を打つ時のポイントは、『最小のきめごとをする』です。
多くのコミュニケーションコストをかけることを全員に求めすぎてしまうと、それが負荷と感じてしまう方もいます。

それでは、その点を踏まえて、ポイントを2つご紹介しましょう。

3-1. あらゆる方法でコミュニケーション量を確保する

コミュニケーションは発信と受信です。
まずは一定以上の量を発生させることを考えましょう。

オフィスワークとテレワークで最も異なる点かもしれませんが、机に座って仕事をしているだけでは、他者には映りません。
テレワーク下で存在感を出すためにはメンバーにどんな行動を促すかというと、『発言してもらう』ことです。

そのためには、下記のような工夫を取り入れてみましょう。
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*朝や夕方に挨拶だけでもチームチャットに入れる。
 
 日報というと少し負荷が高くなるかもしれません。まずは、「おはようございます」「おつかれさまでした」といった挨拶だけでも連帯感を高めることができます。

*WEB会議では、ミーティング冒頭にチェックインを行う。

 チェックインとは、メンバーがそれぞれ、『今』の状態や感情を共有することです。発言することで場への参加を促すとともに、相互理解の時間にもなります。
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このように、まずは小さな発信を頻度高く、様々なところで発生させることがポイントです。

また、受信についても工夫ができます。
受信が不足していると、どれだけ発信をしたとしてもよい循環は生まれていきません。
発信後にきちんと受け取ってもらえているとわかれば、発信側の心理的ハードルも下がっていきます。

受信の工夫としては、下記のようなことがあります。
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*チャットツールでは、スタンプ(リアクションマーク)を多用する。

 チャットツールによっては、オリジナルのスタンプを作れます。「見てます」「少し待ってね」といったスタンプを作っておくことで、スピード感をもってボールを受け取ったことを伝えることができ、発信側も安心です。

*WEB会議でのリアクションや映り方は通常の1.5倍を意識する。

 WEB上で映る姿は、非言語情報が少なくなります。だからこそ、話している相手を受け止めていると示すためには、大きめにうなずくなどのリアクションが大切です。また、カメラに映る姿を明るくするだけでも、話し手はリラックスできるものです。
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『存在感を出す』という点では、バーチャルオフィスの利用もおすすめです。
アイコンが見えるだけで、オフィスのときのような「視界に入る」効果がありますし、「ちょっといいですか」のコミュニケーションもとりやすくなります。

3-2. ミスコミュニケーションを減らす方法を身につける

2つ目のポイントは、コミュニケーションの質を高めることです。
テキストやWEB会議でのコミュニケーションでは、相手に意図が伝わっているかが分かりにくいことが大きな障壁となります。

ミスコミュニケーションを減らすためには、「このくらい言わなくてもわかるだろう」という前提を排除し、「言葉で伝える」「伝わったかを確認する」ことを意識していきましょう。

そのためには、メンバー1人ひとりが、
*論理的思考を磨く
*ローコンテクストコミュニケーションを磨く
*アサーティブコミュニケーションを磨く

といったコミュニケーションのスキルを磨いていくことは必要です。

組織として、OJTやOff-JTで教育の機会をつくり、スキル磨きのサポートが求められています。

まとめ

ここまでお話したように、テレワーク下でのコミュニケーション不足は何も対策をしなければ、発生してしまう可能性が高いものです。

しかし、少し意識してコミュニケーションをしていくこと、組織として環境づくりをすること、コミュニケーションスキルを磨きなおすことで、対面かテレワークかという環境に関係のない満足度の高いコミュニケーションがとれるようになります。
弊社ではテレワーク下でのコミュニケーションをより円滑にするための施策支援も行っております。
ぜひお気軽にtrustyyleまでお問い合わせください。


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