暮らし学 〜掃除と建築〜
日々の掃除は大変と思いますか。
私の玄関にはちょっとした『お庭』があります。お庭には『苔』を植えています。苔は落ち葉が落ちるとその部分は次第に枯れていきます。こまめな『掃除』が必要です。もちろんお水の必要です。
『苔』の面白いところは他の植物が育ちにくい環境で育つ事。湿気の多く、日陰を好みます。もちろん、日陰でなくても『育て方』次第では可能です。
なんで『苔』のためにこまめな『掃除』をするのかと言うと、植物が好きである事、綺麗であると思っている事、手入れをする事で育っていると感じる事。
好きである事を追求すると、
かつて見た京都や萩の武家屋敷にある日本庭園の苔庭の美しさに感動した事と以前働いていた工務店がお庭に強いこだわりがあり、そして住宅を建てて頂いたお客様も『お庭』について苦労しながらも『育てる事』に楽しんでいた事
がありました。この経験から私は『お庭』について『一緒に育てるもの』『暮らしに寄り添うもの』と言う思想が芽生えました。
掃除を大変と思う事がありません。
『生活』の一部であり『育てる事』となれば苦労を感じなくなりました。
この事は『掃除』全般に言える事と思います。
『掃除』の目的が明確であるのであればその対象は何か。その対象がどうなって欲しいのか。そこがはっきりすれば『育てる事』に繋がります。
私にとって『建築』は『暮らしに寄り添うもの』です。
ホコリが溜まり、水分があればもちろんカビが発生します。浴室を掃除しなければやはりカビが発生します。キッチンを使ったら掃除しなければ汚れが固着して取れなくなり、そこに油分や水分がつけばカビや菌が発生します。
実は『建築』は『掃除』ばかりです。『掃除』だけではなく定期的なメンテナンスも必要です。
人は毎年『風邪』や『ウイルス』などの影響を受けます。それ以外にも様々な影響により体調管理を行なっています。そして定期的な『健康診断』まで行っています。
人が『体調管理』や『健康診断』を行っているのに面倒だから大変だからやらないとどうなるかは分かっているはず。
『掃除』と『建築』を考えるときに、人と一緒で『寄り添う』気持ちで考えてみたらどうでしょうか。きっと『育てる事』で『暮らしに寄り添うもの』である事でしょう。
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