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音楽は自分の心を解放すること

トランペットを吹いている時、特に、合奏や分奏、パート練習やレッスンを受けている際、どんなことを考えていますか?

「間違えないようにしよう」
「上手に演奏しなければ」
「先生に怒られないように」

こんなことを考えて吹いている方はいませんか?
これらの共通点は、自分に向いている意思である、ということ。

もちろん、ミスはしない方が良いに決まっていますが、だからと言って自分に向けたネガディブな発想で保守的な演奏をしてしまえば、作品の素晴らしさや自分の作品に対する想いや気持ちを聴く人に届けることはできません。

音楽の本質はそこにあります。

楽器が上手にコントロールできない、と感じている瞬間はその多くの場合、体の使い方や奏法について考えていることが多く、一方で自分自身の体やイメージが音楽そのもので満ちている時のほうが、良い演奏(伝わる演奏)ができます。


少し自分の過去の話をしますが、中高生の頃、勉強、特に数学や英語などが苦手でした。理解できなかった、というよりも納得いかなかったと言ったほうが合っていると思います。
なぜそうなのか、について質問しても、その多くは「いいからこの公式を覚えちゃえばいいんだよ」などと言われてしまい、それがとてもイヤだったのです。今思えば面倒臭いヤツですよね。

また、高校生の頃からこれまで数回、接客のアルバイトをしたことがありますが、その言動のほとんど全てがマニュアル化されていて、指示通りの発言、動きをしなければ店長に注意されるという経験が非常に息苦しく、窮屈で仕方ありませんでした。

ついつい「最終的にこういう結果に辿り着けば、言動なんて自分で決めればよくないか?」という発想になってしまうのです。バイト向いていなかったんだろうなあ。

でも思えば学校も仕事もそういうこと多いですよね。自分の判断で決めることができなかったり、自分の言いたいことを言う場面なんて本当に少ないです。そうそう、小学校の卒業式に向けた練習を何十回もさせられた記憶が蘇ってきました。毎日ヘトヘトになるくらいマニュアル化された卒業式を強制されて、一挙一動に注意指摘の連続で本番当日感動のカケラもなかったことを思い出しました。どうでもいい話ですが。学校の規律とか統制をとらされるところ、嫌いでしたね。今の時代はそこまでやらないのでしょうが。

その点、音楽は自分の心の中を出すこと、好きなものを好きだと、良いものを良いと解放することを求められます。もちろん音楽でも、合奏になったら好き放題の演奏はできませんが、でも音楽の基本は自分の心を解放することで成立します。

ぜひ音楽をしている時は、ネガティブな発想やマニュアルを超えたところにある自分に正直な心で演奏してください。そのほうが何倍も楽しいですよ。


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。