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表現力を手にいれるために大切なこと

音楽はイマジネーションから作られると言って良いと思います。
指揮者や講師からも、想像力を必要とする言葉を投げかけられることが多いと思いますし、具体的な奏法を情報として手に入れたとしてもイメージがなければそれを表現することは難しいでしょう。

経験則ですが、イメージができない、苦手だと言う方にレッスンで出会うことも多いです(逆にイマジネーションが非常に強い方もいらっしゃいます)。

イメージは経験することで手に入る

幼少の頃、近所の公園で僕は野生化した動物のように遊んでいました。大声を張り上げて遊具を乗り回し、砂場に1mくらい穴を掘ってボールを投げて蹴ってバットを振り回して大人によく怒られていました。
ブランコからジャンプしてどれくらい遠くまで飛べるか競争して、よく怪我しましたし、高いところから落ちて怖い思いもしました。

持論ですが公園の遊具って楽しく遊ぶためのものだとは思いますが、同時に何をしたら危険かを経験するためのものではないか、そうした思考力、判断力を手にいれるためのものだと思っています。

また、飲食店のメニューや食べ物の写真を見て「美味しそう」と感じることができるのは、それまでに同様のもの、それに近いものを食べた経験から生まれたものだと思います。何でも食べられる人は、それまでに美味しい食べ物にたくさん巡り合ってきたからで、もちろんその中には美味しくないもの、苦手なものを経験したからこそ、「これは美味しそうだ(確信)」判別できるようになったと考えます。
ですから、食べてもいないのに美味しくなさそうとか、苦手そうとか、根拠なくネガティブな弱いイメージだけでそう思ってしまういわゆる「食わず嫌い」は、食の経験が豊富な人にとっては非常に説得力がなく「一度食べてみなよ、美味しいから」とか「美味しいものを食べた経験がないからそう言うんだ」とかいろいろ言われてしまうことが多いのだと思います。アレルギーは別です。

結局のところ、どんなこともすべては経験に基づく結果なのだと思います。実体験はもちろんですが、ゲームや映画、アニメを見たり、本を読んで架空の世界を知ることも経験になります。いろんな人から話を聞くことも大切です。そのようにたくさんの経験をし、それを心にストックして温めておけると、指揮者や講師から何か言われた時に即座にイメージできるようになります。

良い音楽をたくさん聴くことや、素晴らしい演奏技術、表現に出会うことは直接的に刺激と参考になりますが、一見音楽とは無関係に思える情報や体験も実は自身の演奏にとって非常に大切な素材になる可能性が高いことを知ると、いろいろな体験を積極的にできるようになるのでは、と思います。

ぜひ食わず嫌いにならずにたくさんの経験をして豊かな表現力を手に入れてください。


荻原明(おぎわらあきら)

荻原明(おぎわらあきら)です。記事をご覧いただきありがとうございます。 いただいたサポートは、音楽活動の資金に充てさせていただきます。 今後ともどうぞよろしくお願いいたします。