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本当に心を解放させて楽しむということ
『父と暮らせば』井上ひさし(新潮文庫)
戯曲です。芝居の初演自体はけっこう古いです。1994年とありました。
昭和23年の広島が舞台です。原爆で身内を失った一人暮らしの23歳の女性が、小さな恋を拾おうとする話です。短い戯曲ですが、私は後半、何度も目頭が熱くなりました。 シンプルな、しかし力強い、いい戯曲でした。
で、しばらくして私は考えました。
先々週の土曜日に、モネとかドガとかの絵
学生オペラ歌手の実力や如何に
ある芸術系大学のオペラを、先日見てきました。
以前その大学の文化行事の招待券を貰って見に行って以来、なかなか面白かったものだから時々ホームページを覗いていて、それで知りました。学生による舞台です。
そもそも芸大学生によるオペラというものは、どの程度に芸術性があるのでしょうかね。なかなか一概には言えないものでありましょうが、今日の公演の帰りにこんな風に考えていました。
まず楽団、つまりオ
終わりよければ全てよし、ってことかな
『新・シングルライフ』海老坂武(集英社新書)
今回上記の本を読んだのは、少し前に、関川夏央の『中年シングル生活』というよく似た感じの本を読んだんですね。するとその本がなかなかに面白くって、そんなことを覚えていたものだから、またこれもと選んだんですが、うーん、前半から中盤くらいまでは、なんともうじうじしたシングルライフの理論武装(なにゆえに自分はシングルであるのかといった)が書かれてありまし
めったにしない映画の話について(その2)
夜遅くテレビをつけたら、懐かしい作品をしていました。途中からだったのですが、つい、最後まで見てしまいました。
『博士の愛した数式』です。
これももう、早いもので、かなり前の映画になりますね。当時どれほどヒットした映画なのか、私は全然知らないのですが、小川洋子の原作はなかなかの名作で、ベストセラーになりました。
私は、原作の小説を3回読みました。じつは読むほどに、少しアラが見えてきたかなー
音楽的天才とは何なのか
『カラヤンとフルトヴェングラー』中川右介(幻冬舎新書)
うーん、しかしこの本はどういうんでしょうね。
まー、一気に読んでしまいましたから、面白かったのは確かだと思いますが、ちょっと、後味の悪いものが残ったという感じがあるんですがー。
作者は「あとがき」に「『人柄のいい人』の『お上手な演奏』など、聴きたくない」と書いています(そもそもこの書き方には問題があると私は思います)が、そして芸術
なぜブルックナーは感動するのか。
今月初旬の話ですが、クラシック音楽のコンサートに行って来ました。
メインのプログラムは、「ブルックナー・交響曲第7番」であります。
オーケストラの紹介とかにつきましては、私などは元もと音楽については好き勝手に聴いているだけで見識もなければポリシーもなく、また細かなところを聴き分ける耳も持っていないという、ないないづくしで聴いているものですから、細かな情報はパスします。
なに、パスしたとこ
あっと驚くモーツァルトの寿命
『モーツァルト99の謎』近藤昭二(二見文庫)
モーツァルトのエピソードについて書かれてある本です。
はっきり言って、少し「キワモノ」じみた感じの本ですね。だってタイトルがそんな感じであります。
でも以前にもこれと同シリーズですかね、『金田一耕助99の謎』って本を読んだんですが、私は金田一耕助ファンなんですが、とっても面白かったです。
我々素人は、何かについて、自分では割とよく知って
めったにしない映画の話について(その1)
なぜか、「フーテンの寅」がマイ・ブームであります。
いえ、厳密に言いますと、「マイ・ブームでありました。」
ブームも今は少し、沈潜いたしております。
そもそもなぜに今時「寅」? と、まー、我ながら思いはするのですが、いえ私なりに考えることもいろいろとあったんですね、これが。
しかし普段あまり触れたことのない芸術・芸能方面について、その作品を批評するというのはけっこう難しいものですね。
マエストロのエピソードがとっても楽しい
『疾風怒濤のクラシック案内』宮本文昭(アスキー新書)
ブルックナーの交響曲が好きなもので、わりとしょっちゅう聴いています。
一方、ブルックナーが得意な指揮者がやはりいらっしゃいまして、その方たちの「名盤」といわれるCDをよく聴いて、自然とそんな方の「ファン」になったりします。
例えば、チェリビダッケとかヨッフムとかいう指揮者の方たちです。
さて、上記の本を読みました。
こういう「
ヴァイオリンもえらいが、やっぱりヨーロッパの歴史はすごい!
『ストラディヴァリウス』横山進一(アスキー新書)
こんな本を読みました。
本の始めに沢山のストラディヴァリウスの写真が載っているページがあったりして、とっても楽しい本でした。
現在、ストラディヴァリの作った弦楽器は約600本(ヴァイオリン約520本・ヴィオラ約20本・チェロ約50本)が残っているそうですが(このうち日本には約70本)、んー、何というか、そもそもヴァイオリン制作者ストラ
この素晴らしいフレーズを、しかし、面白がっていてはいけない(?)
『老いを創める』日野原重明(朝日文庫)
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こんどのわたしの誕生日に、わたしはいよいよ逝くだろう、
わたしは 身近に友らを求める――
彼らの手のやさしい感触のうちに
世界の究極の愛のうちに
わたしは 人生最上の恵みをたずさえて行こう、
人間の最後の祝福をたずさえて行こう。
今日 わたしの頭陀袋は空っぽだ――
与えるべきす
「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」
『岸辺のアルバム』山田太一(光文社文庫)
この本も、例の「大量古本店」で買いました。
今となっては、少し(かなり)古い小説です。
ところがこの古い小説ですが、「わが国のホームドラマに革命を起こした不朽の名作」であります。
なるほど、そもそもはテレビドラマのシナリオなんですね。山田太一氏ですものね。
で、かなり評価の高い作品であったということも、私はうすうす知っていました。
女房極秘の三連休について
それは日曜日の朝、女房と二人で、気持ちのよい秋晴れの中、朝食を食べていた時のことでした。
その時女房がこんなことを言ったんですね。
「夏休みはそんなに長くなくていいから、10月とか5月とかのこんな気持ちのいい季節に、3日4日くらいの長さの連休がいくつかあればいいのに。」
なんて厚かましい女なんだと、私は聞いた時思いましたね。
しかし、とってもその通りじゃないかと、すぐに思い直しました。