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だから、「大丈夫だよ」って言ってほしい

前回の記事『「大丈夫?」って聞かないで』は、SNSでもシェアいただいたりして共感の声をいただきました。
ちょっと無理して「大丈夫です」って答えた経験や、全く大丈夫そうではないのに「大丈夫です」っていう返事をもらったりする経験が、私だけではなく多くの方にあるようです。


さて、じゃあ、相手が大変そうにしていたり、何かうまく行っていなさそうな時、「大丈夫?」ではないなら、なんて声をかけてあげればいいのか?

それは、本当に難しいな、と私も思っています。
その人がいる環境も状況も、本人が何を感じているのかも、私には全部はわからない。
私たちの距離感も、常に変動する。
だから、万能な言葉なんてなくて、その場その場で最善と思う形で関わることしかできないなと思います。

なので、以下は一つの例に過ぎないのですけれども、
相手に元気がなさそうな時、最初の声かけは、私だったら「最近、どう?」とか「調子はどう?」みたいな軽い感じにするだろうなと思います。

少し話してくれた時、もう少し聞きたいなら、その許可を取る。

そして、評価や判断を手放して聴く。余計な質問はしない。

とてもしんどい時には、本人はむしろ何も話したくない時もあるかもしれません。
そういう時は、問い詰めない。
ただ、コーヒーでも飲むとか、一緒に散歩するとか。
沈黙の価値については、前回の記事の中に書きました。

そして、もし話してくれたり、あるいは、話さないにしても、少しの時間を一緒に共有してくれたのであれば、
そのことに感謝を伝えつつ、
その先に、きっとほっとする言葉は、
「大丈夫だよ」
ではないかな、と思います。

あなたなら、大丈夫だよ。
そばにいるから、大丈夫だよ。
一緒にやれば、なんとかなるさ。

誰かを助けてあげたいと思っても、その人に代わってその人の人生を生きてあげることはできません。
乗り越えていくのは当人であって、周囲の人にできること・すべきことは、
「そうだ、自分なら大丈夫だ。きっとなんとかなる。きっと周りも助けてくれる」
と、本人が自分自身と周囲を信じる力を取り戻していくように手伝うことだけだろうと思います。

もやもやするものや抱え込んでいたものを吐き出せた時、人はようやく、自分自身の気持ちに気づきます。
それは、ジャーナリング(自分の気持ちなどをノートに走り書きすること)などで一人でやることもできるのですが、
誰かがそれを一緒に聴いてくれると、一層、自分でその気持ちを受け止めること(=自己受容)の助けになります。

そして、相手と自分自身に自分の気持ちが受け止められた後、「大丈夫だよ」という言葉は、きっと本人を勇気づけると思います。
一緒に大丈夫にしていくことができれば、その関係性はなお心強いですね!


今日、勇気づけたいのは誰ですか?

では、よい一日を!


なお、前回の「沈黙」同様、「評価・判断なく聴く」や「相手が自分の気持ちを受容できるように聴く」というのも、私がコーチングを学ぶ中で得てきたものです。とても筋力と胆力が要りますが、それだけの価値があります。興味があったら、CTIジャパンのホームページやSNSなど覗いてみてくださいね。


◆今日のカバー写真は、最近の散歩より。植物が美しい季節です。

この記事は、2023年5月10日配信のここみち便りをリライトしたものです。
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