マガジンのカバー画像

宙・天文のnote

20
宇宙全般のことについて書いています
運営しているクリエイター

#星空

秋の日は釣瓶落とし

秋の日は釣瓶落とし

「秋の日は釣瓶(つるべ)落とし」という諺があります。
秋の日(夕日)は、井戸の釣瓶(井戸で水を汲み上げるために使われる桶)が落ちるように早く沈み、暮れてしまうたとえになります。

一年を通じて日の出日の入りの時刻は変わりますが、日の出日の入りの速さ(明るくなる、暗くなる速さ)は変わるのでしょうか?

国立天文台のWebサイト(暦計算室)では様々な暦に関する計算をすることができます。

そこで日の出

もっとみる
いつ、どっちに、何が見える?

いつ、どっちに、何が見える?

星空を見るとき「○月○日、△△時ごろ」という説明をよくされると思います。
この時、多くの方が誤解しがちなのが、その時でしか見られないと思ってしまうことです。

もちろん、日食や月食、流星群のように事象が起こる日時がある程度決まっているものもあります。

ですが、星座や星々の間を動く惑星、夜空に現れる彗星などは数週間から数ヶ月、時間さえうまく合わせれば大概、いつでもみられます。
太陽は毎日見られます

もっとみる
夏至の日は昼間が一番長いけど。。。

夏至の日は昼間が一番長いけど。。。

(年によって前後はしますが)6月21日は【夏至】です。
夏至は「一年において昼間(太陽が出ている)の時間が最も長い」日です。

が、
 ・日の出が最も早い日
 ・日の入りが最も遅い日
ではありません。

どういうことでしょうか?

私の住む【札幌】の場合、夏至(2022年6月21日)の日の出・日の入りの時刻は
 ・日の出 : 3時55分11秒
 ・日の入り:19時17分28秒
ですので昼間時間は、

もっとみる
あの雲までの距離は。。。

あの雲までの距離は。。。

GPV(SCW)やWindyなので晴れ間を探している時、「北の方に雲あるなぁ」とか、「水平線まで晴れているのはどこだ?」などと悩むことがあります。
特に太陽に近い内惑星(水星・金星)や太陽に近づいて明るくなる彗星などの観測には空の低いところまで晴れていることが重要になります。
上(天頂)は晴れているのに、低いところに雲がある。。。
雲画像と見比べた時、どの範囲に雲がなければ、全天晴れているのでしょ

もっとみる
皆既日食の話~太陽・月・地球の奇跡の一致

皆既日食の話~太陽・月・地球の奇跡の一致

『10年で18回』
これ、何のことかわかりますか?

実は、世界中のアマチュア天文家を虜にしている、皆既日食の発生頻度なのです。
意外と多いと感じた方もいると思います。
でも実際のところはそうでもなかったりするのです。

2009年7月22日。奇しくも世界天文年となったこの年。
インドから中国南部、そして日本の奄美諸島(トカラ列島)から硫黄島付近、そしてマーシャル諸島にかけての地域で見られる皆既日

もっとみる
北極星も動く

北極星も動く

方角を知るのに便利な北極星
実は少しずつ、天の北極からずれているのです。

---
『星空散歩(夏)上級編』の note で少し取り上げましたが、かつて『りゅう座』のα星『トゥバン』は北極星だった星です。
今の北極星は、『こぐま座』のα星『ポラリス』です。
そして、未来の北極星は『ケフェウス座』のγ星『エライ』です。

どうしででしょうか?

まず、北極星とはなにか?からお話ししましょう。
地球が

もっとみる
北磁極はなぜ動く

北磁極はなぜ動く

『北はどっちだ?』の note で取り上げた北磁極
ここでは北磁極が動く理由について書きます。

---

北磁極があると言うことは、地球を磁石と見る事ができることを示しています。
この地球の磁気のことを『地磁気』と言います。

42億年前の岩石にも地磁気の名残があることから、地磁気は地球の歴史のかなり早い時期からあったと考えられています。

この地磁気ですが、地球の内部で作られています。
(わず

もっとみる
北はどっちだ?

北はどっちだ?

方位磁針(磁気コンパス)が指す北は、正しくない。。。
こう言われるとびっくりする方は多いと思いますが、正しくないんです。

---

では、方位磁針が指している『北』は、どこなのでしょうか?

方位磁針が指している先は、『北磁極』になります。
北磁極とは、『天体の北半球地表面で、磁力線の方向が垂直になっている地点』のことです。

つまり、地球は北極をS極、南極をN極とする磁石に見立てることができま

もっとみる