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夫からの「連れ去った娘を返してほしい」という主張

このブログは、申立人(夫)から、子供をA国へ戻せ!という裁判を起こされた、相手方(母・私)の実話です。
子供を連れ去られた方ではなく、「誘拐犯」と呼ばれた側の話です。
偉そうにブログを書いているつもりはなく、自分がこの裁判を起こされたときに、経験者のブログや経験者の話が聞けたら心が楽になるのにと思い、同じ経験をされた方のために書き綴っているだけです。

この裁判を起こされてからの2ヶ月弱は、裁判所にて見たくない夫の顔を見なければいけなかったり、証拠提出のために過去夫に送ったメッセージを見返したり過去夫が浮気した時のことを書かなければいけなかったり・・・
裁判に負けてA国に戻ることになったらどうしようと思うと、本当に精神的にも辛いものでした。

この記事を読む前に、はじめにこちらを読んでいただくとわかりやすいかもしれません。
https://note.com/trairivel/n/nb8b3f69c7ad0

さて、ある日、裁判所から郵送書面が来ました。
正直なところ、夫の動きはある程度把握していたので、もしかしらたら、この「子の返還申立事件」の裁判を起こされるかもしれないというのは、なんとなく、わかっていました。

しかし、私自身も判例を読んだり、条約を理解したり、知り合いのつてで弁護士さんに話を聞いてもらったりしていたので、もし子供をA国に返せという返還請求を出されたとしても、棄却されるだろうと思っていました。

担当裁判官さんのお話では、申し立てがされた段階で事実の調査が必要になるため、仮に申立人から出された書類をもとに棄却という結論が出せるとしても、そのまま申請が棄却されることはないそうです。

返還請求をされる側(子供と一緒にいる側)の大まかな流れ・スケジュールとしては、
裁判所から「呼出状」という郵便がくる
その2週間後を目安に第一回期日(申立人と相手方が家庭裁判所へ出向き、申立人の主張とその日までの提出している書類の確認、調停など)
その3週間後を目安に第二回期日(尋問)
その2週間後に審判の結果が出る(電話と郵送)
となっております。

この間にも、たとえば第一回期日までに、裁判で申立されている内容の反論の書類を準備しなければいけなかったり、裁判所から求められる証拠書類や準備書類を提出しなければなりません。

第一回期日から、審判の結果が出るまでの間に、申立人と相手方が同意すれば、6回ほどの調停が行われます。スケジュールは裁判所が組んでおり、裁判所にて調停員に話をし、調停員が間に入って落とし所を見つけてくれるというのが、調停です。

私の場合は、書類を受け取るまでに時間がかかった(仕事の一番忙しいタイミングで、不在票に気がつくのに5日かかった)ことと、書類を受け取ったのが連休直前だったこともあり、第一回期日までの書類準備が慌ただしく本当に大変でした。ハーグ条約事件で申し立てをされると、弁護士さんを紹介してくださるシステムがあるのですが、弁護士さんを決めるのにもすごく時間と労力を割きました。
一般的な離婚とは違うので、ハーグ案件に経験と知見のある弁護士さんを探すのは本当に大変でした。
また、ハーグ案件は先ほどスケジュールをお伝えした通り、請求する側が申し立てをしてから基本的には6週間以内に審判の結果を出さなければいけないというルールがあり、タイトなスケジュールに対応してくれる弁護士さんを見つけるのは困難でした。

また、最終的にハーグに精通した先生を見つけることはできましたが、着手金と成功報酬で130万円と、とても私に払える金額ではなかったため、断念しました。

あえて裁判官には伝えませんでしたが、私の夫は裁判で「父親としての権利」を主張していますが、婚姻費はおろか、子供の養育費も払っていません。それでいてこの裁判にいくら払っているのでしょうか。そのお金で、子供に経験をさせてあげることを考えてほしいものです。

こういった裁判まで起こされると、もう余程のことがなければ夫と私は普通の関係には戻れないと思います。裁判において「3人で暮らしたい」と主張している夫ですが、同時に、私の日本での仕事は諦めて、シンガポールへ移住してほしい。そうしたら、共同親権が取れる、と主張をしています。
分かり合える日は、きっとお互い天国に行ったあとでしょうねぇ。

参考までに、私が読んだ判例はこちらのブログからです。
シンガポールで生活していらした家族。日本滞在中に夫から暴力を受けて離婚成立。「父親が帰国後,同地の幼稚園の退園の手続をしたり日用品を日本に送ったりしており父親自身が子どもが日本に相当期間居住することを前提とする行動をとっていた」ということが法28条1項3号の返還拒否事由に該当するとされたようです。


こちらは申し立てをした夫の家が競売にかけられたことで、返還決定が覆った判例。
https://plaza.rakuten.co.jp/apprmt/diary/201712280001/


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