【気まぐれエッセイ】大人の散歩

時間がたっぷりとある休日。
例えば連休の1日目とか。


そんな日に
太陽の光をたっぷり浴びながら
今日は何にもしないって決めて歩く。
やらなきゃいけないことは沢山あるけど
それでも敢えて、今日は何にもしないんだって、しなくていいって決めてただ歩く。


そうすると急に
浅かった呼吸が深くなって
重たかった頭に酸素が届く。
血液が届く。


「こんなことをしている場合じゃない」
「早く、早く理想の私にならなくちゃ……」
そうやってずっと、焦って来たね。

今日は、そんなことも全部、考えるのを止めにしよう。


無理に元気にしなくても
わざと前向きにならなくても
体と心が十分に休まれば
勝手にエネルギーは湧いてくる。


そう、思えた瞬間、涙が溢れる。
白昼堂々、いい大人が、泣きながら歩く。
変だけど、それでもいい。


涙と一緒に、
いらないものは全部流してしまおう。


自分に無理がなければ
自然と感謝の気持ちが込み上げる。
常識とか我慢とか、努力とか忍耐とか
ありとあらゆる真っ当な言葉で誤魔化しながら
自分に無理を強い続けていると
恨み辛みに縛られる、過去の傷がえぐられる。


自分に無理がなかったら
今見上げた空にだって
ありがとうって思うから。


幸せな時間で人生を埋め尽くしたい私にとって書くことは、不幸を無駄にしない手段の1つ。サポートしていただいたお金は、人に聞かせるほどでもない平凡で幸せなひと時を色付けするために使わせていただきます。そしてあなたのそんなひと時の一部に私の文章を使ってもらえたら、とっても嬉しいです。