統合失調症の歩き方

全ては常夏の楽園リオデジャネイロで始まった。23歳で国費留学生としてリオに滞在していた…

統合失調症の歩き方

全ては常夏の楽園リオデジャネイロで始まった。23歳で国費留学生としてリオに滞在していた僕は「統合失調症」を発症。いくつもの神秘体験をし、現地の精神病院への強制入院、帰国後には警察沙汰に。服薬に葛藤しながら回復するまでの7年間を赤裸々に綴った回想録をマガジンにて公開中。

マガジン

  • 統合失調症の歩き方

    大学3年生、夢を追いかけてブラジルに渡った青年が、異文化の中で苦悩し、精神病院に強制入院させられるところから物語は始まる。正常と異常の狭間で悩みぬいた7年間。服薬に葛藤しながらも必死に生き抜く姿を綴る。鮮明な記憶に基づくノンフィクション。

  • 統合失調症の歩き方 立ち読み(無料)

    大学3年生、夢を追いかけてブラジルに渡った青年が、異文化の中で苦悩し、精神病院に強制入院させられるところから物語は始まる。正常と異常の狭間で悩みぬいた7年間。フィクションを超えるノンフィクション。もがきながらも必死に生き抜く姿を描く。

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『統合失調症の歩き方』著者プロフィール(無料版)

山田 哲平 1981年生まれ うお座 A型 既婚1児の父 ポルトガル共和国リスボン市生まれ。2歳から東京都江東区で過ごす。17歳の時、父親の転勤に伴いブラジル・サンパウロに渡る。現地の高校に2年通ったのち、サンパウロの私立大学文学部で1年学ぶ。帰国後、京都の外国語大学でポルトガル語を専攻。3年生時に大学の留学制度「派遣留学生」として、ブラジル・リオデジャネイロへ。文部省の返済不要の奨学金も得る。 リオデジャネイロ留学中に統合失調症を発症。数々の神秘体験をし、友人から「お前

    • 精神病でも成功者として生きる方法

      精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことをこのnoteに書いていこうと思っています。 僕は23歳の時に統合失調症と診断され、それから17年間、毎日服薬を続けています。病気の症状や、薬の副作用でかなりつらい時期を過ごしたこともあります。「なにもできない」、「ベッドから出ることもできない」というレベルの辛い時期も経験しています。 しかし、今では、家族やいろいろな人のサポートもあって、それなりに普通の人と近い生活ができてい

      • 休み方を習っていない僕たち

        精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことをこのnoteに書いていこうと思っています。 皆さんしっかり休めていますか? 精神病の人に最も必要なもの、それは休養です。休むことで英気を養い、次のアクションを起こすための力を蓄えることは、誰にとっても必要なことですが、精神病となると、その意味の深さが段違いに変わります。 一般的に”休む”というと、週末2日間とか、GW7日間とかというのが、”休み”とされるものです。普通の人た

        • 自分の限界+あと一歩で人生は変わる

          精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことをこのnoteに書いていこうと思っています。 世の中には精神病と診断された非常に多くの方が存在します。この記事にたどり着いたあなたはどうでしょうか。僕は23歳の時に統合失調症と診断されて、それ以降、服薬による副作用などで大変苦しい期間を過ごしました。 あれから17年経った今でも、毎日朝晩服薬していて、毎日すっきりした気分で過ごしているとは言えない状態です。それでも、何とか毎日生

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        『統合失調症の歩き方』著者プロフィール(無料版)

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        • 統合失調症の歩き方
          50本
          ¥490
        • 統合失調症の歩き方 立ち読み(無料)
          6本

        記事

          精神病でも社会にコミットできる時代の到来!(だと願う)

          精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことを書いていこうと思っています。 これを読んでいる皆さんは働いていますか?職がありますか?社会保険はありますか?ボーナスはありますか?有給はありますか? 僕は、統合失調症という病気になってから、「まともに」働いたことがほとんどありません。まともというのは、この場合、正社員、正規雇用ということを指します。 現在の日本では終身雇用が崩壊し、転職したり、副業をすることが当たり前のよう

          精神病でも社会にコミットできる時代の到来!(だと願う)

          治らないのに病気なんですか?

          精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことをnoteに書いていこうと思っています。 『神は乗り越えられる壁しか与えない。』 そんな言葉がとても薄っぺらく聞こえた時期がありました。多分、精神病で悩まれている多くの方が同じような思いをしているのではないでしょうか。 僕の場合、23歳で統合失調症を発症して、それからやっとこさっとこ生活できるレベルに達するまでおよそ7年。そして、17年経った今でも、生きづらさや、苦しさを感じ

          治らないのに病気なんですか?

          【感謝!!】お陰様でトータル10,000ビュー頂きました!

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          頑張ることは正義ですか?

          精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことを書いていこうと思っています。 日本人は何かあると「頑張ってね!」とか、「頑張ります!」って言って、物事に取り組む癖があります。士気を高める意味で、組織が、「頑張ろう!」というのとは、まったく意味合いが違うように感じます。 組織は常に目標を掲げて、その目標を達成することが大前提にあります。だって、そのために”組織化”しているのですから、それは当然のこととしてまだ理解できます。

          頑張ることは正義ですか?

          私たちは履歴書の健康状態の欄に「精神病で服薬中」と書きたいのです!

          精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことを書いていこうと思っています。 まず、1/7に上げた記事が思わぬ反響を呼び、多くの人にスキをしていただき、モチベーションに繋がります。ありがとうございました! 以下の記事です⇩ 僕の記事が読まれることによって、多くの精神病を抱えている人の悩みの解消や、僕らに対する理解が深まり、温かい社会へと向かっていけばよいな。と、精神病の人を”勝手に”代表して発信していくつもりです。 そ

          私たちは履歴書の健康状態の欄に「精神病で服薬中」と書きたいのです!

          僕たちは社会参加したくないのではなく、むしろ社会参加したいのだけれど。。。

          精神病を患ってから、17年たちますが、一般の方からしてみると、「そういう人ってどうやって生活してるの?」と不思議に思うかもしれません。なぜ、そういう疑問が提起されるのかということから考えると、もちろん、それは精神病の人が社会活動に参加できていない実情があるからです。親族などにそういう人が居ても、ご家族が恥ずかしがって多くを語っていないということもあるかもしれません。 とにかく、精神病の人に関する情報や、理解が著しく欠如しているのが、この日本社会です。 日本では「社会人」と

          僕たちは社会参加したくないのではなく、むしろ社会参加したいのだけれど。。。

          『統合失調症の歩き方』いよいよ発売!服薬の葛藤と回復までの7年間の回想録。100人に1人がなる精神病の内面とは?

          皆さん初めまして。山田哲平と申します。この度note上で有料マガジンという形で、持病である統合失調症の発症から回復までの7年間をまとめた回想録『統合失調症の歩き方』を販売するに至りました。 統合失調症という病名を聞いたことがある方はどれくらいいるのでしょうか。以前は精神分裂症と呼ばれていました。「精神が分裂する」という表現が差別的だということで、「統合が難しい」という配慮表現により、現在の病名になったと言われています。 精神病は現在の医学でも解明されていないことが多く、原

          『統合失調症の歩き方』いよいよ発売!服薬の葛藤と回復までの7年間の回想録。100人に1人がなる精神病の内面とは?

          第5話 マクンバ ③(無料版)

          写真:筆者の住んでいたシェアハウス 僕の住んでいたシェアハウス [注1] では週に1度、家政婦を雇っていた。  ブラジルでは家政婦というと黒人女性 [注2] であることが多く、僕の住むシェアハウスの家政婦も黒人だった。ブラジルの家政婦の仕事はとてもきっちりしている。綺麗好きの多いブラジル人が気に入るように、行き届いた掃除がなされる。そして驚くことに、どんなに部屋が荒れていても全てのものが必ず定位置に戻され、住んでいる人の動線がいつも一定に保たれているのだ。僕はここに注目し

          第5話 マクンバ ③(無料版)

          第4話 マクンバ ②(無料版)

          写真:近所のカポエイラ教室でトレーニングをする著者(右)  概念の呪縛に苦しめられていた僕は、いよいよ人と正常にコミュニケーションが取れなくなっていた。言葉の裏にある概念ばかりに意識がいくあまり、言葉を信用できなくなったのだ。  はじめは、僕のポルトガル語が相手に理解されなくても「僕のポルトガル語が下手くそなんだ」くらいにしか思っていなかった。勉強すれば通じるようになる。努力が足りないのだろう。しかし次第に、本当に伝えたいことは心の中にあるため、それを言葉で伝えることは不

          第4話 マクンバ ②(無料版)

          第2話 ブラジルでの強制入院 ②(無料版)

          写真:ニテロイではサーフィンの聖地として有名なイタコアチアラビーチ。人も少なく、現地では穴場的なビーチである。 病室にはベッドが5台並んでいて、窓から遠い一番端のベッドに僕はいた。壁の下半分が青く、上半分がクリーム色に塗られたこの病室には先ほどまで居なかった2人が帰ってきており、僕を含めた3人がベッドに寝ていた。両手両足の自由が利かないので、できる限り体をよじらせて横をみると、他の2人は縛り付けられているわけではなかった。どうやらおとなしくしていればこの紐も解かれるようだ。

          第2話 ブラジルでの強制入院 ②(無料版)

          統合失調症の歩き方 ~プロローグ~(無料版)

          写真:コルコバードの丘にそびえ立つキリスト像 今まで普通に生活していた人が、あるとき急にいつもと違う言動や行動を取り始めたと思ったら、実は精神病でした。なんていう話は、ドラマの中だけの話だと思っている人もいるのではないでしょうか。 精神病と聞くと、多くの人は最初に‟うつ病”を思い浮かべるでしょう。多くの現代人が苦しむうつ病はストレスが主な要因とされており、環境や生活を変えることで症状が改善する見込みがあるとされています。また、服薬によって症状を和らげることができ、ゆっくり

          統合失調症の歩き方 ~プロローグ~(無料版)

          第3話 マクンバ ①(無料版)

          写真:フルミネンセ連邦大学越しに臨むグアナバラ湾 ブラジルでの留学生活が7ヶ月程経過しようとしていた時のことだ。僕の通うフルミネンセ連邦大学 [注1] はストライキ [注2] に突入して2ヶ月を過ぎ、僕は特にやることもなく、日常を想像と妄想で埋め尽くしていた。  留学する3年前、親の転勤でサンパウロに住んでいた時に僕は言語学を学んでいた。ソシュールやチョムスキー [注3] をはじめ、プラトンなどのギリシャの哲学者から人間のコミュニケーションを理論的に学び、僕たちにとって身

          第3話 マクンバ ①(無料版)