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精神病でも社会にコミットできる時代の到来!(だと願う)
精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことを書いていこうと思っています。
これを読んでいる皆さんは働いていますか?職がありますか?社会保険はありますか?ボーナスはありますか?有給はありますか?
僕は、統合失調症という病気になってから、「まともに」働いたことがほとんどありません。まともというのは、この場合、正社員、正規雇用ということを指します。
現在の日本では終身雇用が崩壊し、転職したり、副業をすることが当たり前のようになっています。これは、働き方改革によって、多様な働き方が推進され、柔軟な働き方を推奨することからも窺えます。
しかし、精神病の僕から見ると、このシステムは、「それなりに仕事のできる人」のための施策であり、僕らのような弱者にはとても厳しい条件になっていると感じます。
第一に、日本の企業は今後の少子高齢化を見据え、人員の削減や、業務の効率化を徹底して、生産性を維持しなければならないという喫緊の課題を与えられてしまったからです。
そうなるとどうでしょう。企業に残れるのは優秀な社員で、転職できるのも経験やスキルがある人となり、即戦力でなければ会社員が務まらない世の中になってきていると感じます。
精神的に弱い僕は、まず、このような情報を目にするだけで、「あぁ、無理かな」と、ひるみます。求職のサイトや雑誌を眺めていても、昔より「未経験者歓迎」の文言は見なくなりました。その代わり応募、採用の条件が増えてきているように感じます。
たまに出かけようと平日の電車に乗ると思うのです。
「ここにいる人たちは立派に働いているんだろうな」と。
コンスタントに成果を出すということは、とても難しいことです。ただ単に日常生活を行っているだけで、感情のアップダウンがある僕らは、毎日同じルーティンをこなすことがとても難しく、時には思考停止状態になってしまうこともあります。
普通の生活もしたいし、働きたい気持ちがあっても、体や心が追い付かないことが多々あります。そして、なにより「迷惑をかけたくない」という気持ちで一杯になるので、「迷惑かけるくらいならやらない方がいい」という結論に落ち着いてしまうこともあります。
現在企業で働いている人たちは、業務の効率化を推進する企業で、様々なITツールなどで仕事の進捗を管理され、日々の目標をこなしていくという働き方が主流になりつつあります。
生産性という観点で見ると、私たちは社会で「生産性の低いタイプの人間」とされています。それが故に、診断され、病名が付けられているわけです。僕の場合症状が軽いと言われていますが、それでも、やはり気持ちのコントロールに日々苦労しています。
日本社会は精神病患者に対してとても冷たい社会だと感じています。僕が住んでいたブラジルもや、欧米の社会などと比べてもそう思います。
「社会には一定数、精神病の人間がいる」
という前提が日本には欠如していると思います。統合失調症だけ見ても人口の100人に1人もいるのです。しかし、日本社会は、“臭いものには蓋”という精神がいまだに根付いていて、向き合おうとはしません。
厚生労働省からは平成16年に「心のバリアフリー宣言」が出されています。これは、精神病に対する偏見を減らそうというものですが、一般社会には届いていないのが実情です。
私たちは、“理解”さえあれば、いくらでも働くことができる人間です。僕らは今まで社会の示す平均点を取るために努力し、時にはつらい自分を押し殺しながら社会に参加することを目指してきました。しかし、これからは、社会の方が変わる時代ではないでしょうか。
もし、社会の方が歩み寄り、“理解”を示してくれれば、うつ病などの疾患も激減すると考えています。体育会系の縦型社会から、横のつながりで成り立つ社会が訪れようとしています。それにより、もっともっと理解も深まっていくと考えています。
僕は、希望を捨てません。これからもっともっと、僕らのような人間が社会で自分の存在を示せるような社会になることをイメージしています。そのためには僕らも声を上げる必要があります。精神病はなりたくてなっているわけではないのだから、恥ずかしがる必要はないと思います。
そしてもっと社会にコミットしていいと思っています。僕らがその勇気を持てる社会になって欲しいと願っています。
この『風の時代』に変革が必ず訪れると僕は信じています!!
“全ては常夏の楽園リオデジャネイロで始まった。23歳で国費留学生としてリオに滞在していた僕は「統合失調症」を発症。いくつもの神秘体験をし、現地の精神病院への強制入院、帰国後には警察沙汰に。服薬に葛藤しながら回復するまでの7年間を赤裸々に綴った回想録をマガジンにて公開中。”
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