見出し画像

私たちは履歴書の健康状態の欄に「精神病で服薬中」と書きたいのです!

精神病と診断されてから17年が経ちます。いろんな経験をして今の僕に至りますが、その間に感じたことを書いていこうと思っています。

まず、1/7に上げた記事が思わぬ反響を呼び、多くの人にスキをしていただき、モチベーションに繋がります。ありがとうございました!

以下の記事です⇩

僕の記事が読まれることによって、多くの精神病を抱えている人の悩みの解消や、僕らに対する理解が深まり、温かい社会へと向かっていけばよいな。と、精神病の人を”勝手に”代表して発信していくつもりです。

そもそも僕のような経験をしている人は稀有な方だと思っています。それなりにディープな世界を経験したにもかかわらず、一般の人とほぼ変わりない生活を営めているということ自体、奇跡に近いのです。

どんな経験をしたかは、僕のマガジンを購入して読んでいただけると大変ありがたいです。(下の方にリンクを貼っておきます)このマガジンの収益は、書籍化するための資金に使わせていただきます。

僕の経験をより多くの人と共有できることによって、少しでも多くの人に僕らの「生きづらさ」を理解していただければと思っています。これからも、ご支援おねがいいたします。

前置きが長くなりましたが、僕の記事を読む際には、僕の書くことを軸に、いろいろな想像力を働かせて、「こんな風に苦しんでいるんだ」と、思ってい頂けると幸いです。なぜなら、僕でも症状は「軽い方」だからです。

そんな僕の仕事との向き合い方を書きます。

まず、やはり生活をしていくためには仕事をしなければなりません。僕のように「統合失調症患者として社会で生きていく」ということを決めた人間は、普通の人のように求人を見て就職活動をします。

僕の初めての就職は30歳の時でした。23歳で統合失調症を発症したのち、求人をみて仕事を選ぶという行為ができるまでに7年の歳月を要しました。大学生の時に発症してしまったため、ほかの人のように就職活動はできませんでした。

30才になって「いま何が何でも定職についておかなければ、この先一生就職などできない」と思い、清水の舞台から飛び降りる覚悟でハローワークに行きました。

今振り返れば、病気ではあったものの、後ろ見ずな「若さ」もありました。「なんとかなるはず!」「今なら間に合う」など、自分を鼓舞した覚えがあります。

それまでは、かなり緩めなアルバイトで生計を立てていました。非営利の組織の事務作業などは、覚えてしまえば、自分のペースでできるので、精神病の方には向いています。そういったところにお世話になりつつ、食いつないでいましたが、今回は、営利企業の営業職です。でも、「やれないはずはない!」と応募しました。

履歴書に「精神病」って書くの?

僕たちが新しい会社で働く際に困るのが、「健康状態」の欄です。本当は、本音を言うと、「統合失調症治療中」と書きたいです。そりゃ、その事実を知ってもらっていた方が、両者にとっていいことだと思います。

ただ、採用担当の人が、それを見たときに

「お、この人は精神病か。珍しいな。よし面接してみよう!」

なんてなると思いますか?絶対に会社にとっては不利益な人材です。(それは蓋を開けてみないとわからないことですが、社会的なイメージとして)

そうです、社会が求める「社会に貢献できる人材」と一般的にみなされていない僕らは、この「健康状態」でまずつまずくのです。

仕方なく、「良好」と書くわけですが、、、

この罪悪感は半端ないです。

そして、面接ですが、ありったけのパワーを振り絞って「やれます」「やります」アピールをするわけです。面接が終わるともうぐったりです。

「本当にこの会社で働けるのだろうか」

それは、能力的な云々ではありません。毎日定時出社して、みんなと強調しながら業務をこなし、笑顔で対応し、迷惑をかけることなく、毎日決められたことを、ほかの人と同じようにこなせるのか。。。

そんな不安に包まれてしまうのです。正直吐きそうになるくらいの重圧がやってきます。なんせ僕が「精神病」ということを先方は知らないわけなので、”普通の人”とみなされるわけです。

どうにかこうにか内定が決まると、いよいよ戦場です。メンタルがほかの人より人一倍弱い僕らは、丸腰で戦場に向かうような気分です。「不安」や「恐怖」に襲われます。

「今日から仕事だ!気合を入れて頑張ろう!」

なんて、言ってみたいです。

「神様、どうか、人間関係が温かい会社でありますように」

「”私なりに”頑張るので、その頑張りが認めてもらえますように」

と、祈る気もちでいっぱいなのです。

”人並みに”こなすというハードル

基本的に僕たちは、人並み以下というコンプレックスがあります。迷惑をかけたくないという気持ちはあるけれど、頑張って、頑張って、頑張って、やっと人並みのことができるというメンタルレベルの人が多いです。

「常識的」「一般的」「普通」「人並み」「当たりまえ」といういわゆる平均点がすでに、高くそびえ立っています。それらがそつなくできないことで悩み、苦しんでいる人が多いです。

ですので、職場で注意されるときに、これらのワードを織り交ぜて叱責されたりすると、もう立ち上がることはできません。一回それに耐えたとして、そこで仕事を続けようと思うと、「どうしよう」「どうしよう」と頭がパニック状態になり、業務どころじゃなくなってしまう可能性があります。

僕たちはガラスの心を持っていますが、「バカ」ではありません。言われたことは理解するまでいわれれば、その通りにできますし、時間をかければ、できないこともできるようになっていきます。そして、自分の業務を理解し、誰よりも真面目に取り組むことを心掛けています。

それは誰よりも「迷惑をかけたくない」ということを意識しているからです。

しかし、人間性に触れるような注意や、怒り方をされてしまうと、立ち上がり方がわからなくなってしまいます。

僕の場合、そのように怒られてしまうと、動悸がして、過呼吸になり、頭が真っ白になり、目が回ります。もう、そこの場所にいられなくなって、トイレに避難するということになります。いわゆるパニックの状態です。

こうなると、もう、このトイレに居る状態が「迷惑をかけている」という風に思い始め、何もできなくなる状態が続いてしまいます。

このような状態に陥ると、社内では、ほかの人の視線が気になりだしたり、仕事の内容に関して「完璧でなければならない」という強迫観念に襲われて効率が著しく低下したり、集中力が低下しミスを多発したり余計に迷惑をかけてしまうという負のスパイラルに陥ります。

結局どうすればいいの?

極論言います。僕たち精神病を患っている人たちは、世の中からしたら「面倒くさい奴」なんです。手がかかるし、気を使わせるし。でも、怠けたいなんて思ってないし、誰よりも人のためになりたいと思っています。だって、病気で苦しんでいるときに僕らは、「ほかの人のように仕事ができたらなぁ」と、どれだけ考えるか。ベッドにうずくまりながら、平均点をとれない自分がどれだけ惨めと感じ、悔しい思いをしてきたか。

いざ、自分が仕事を始めて、精神的なダメージによって、うまく働くことができないことが、どれだけ悲しいことか。そんな思いをしながら日々生活しているのです。

仕事に関することで、注意したりすることは、必ず起こることです。それは、会社も守るものがあるし、また、上司として言わなければならないこともあります。しかし、出口がないような叱り方や、頭ごなしに注意することや、人格を否定するような叱責は、そもそも必要ないと思います。それは健常者であっても、きつく感じるだろうし、ただでさえガラスのハートをもつ僕らからしたら、自分の人生や、存在価値を否定されるくらいのインパクトがあるのです。

だからこそ、履歴書には堂々と「精神病で服薬中」くらい書きたい!!!

それが書ける世の中になれば、いわゆる社会のダイバーシティーを実現できるのではないかと考えます。だって、精神病の人って、結構多彩ですよ!普通の人じゃ思いつかないこと思いついたりするし、本質を見抜く力とかあると思います。

この社会がもっともっと温かくて素敵なものになりますように。


統合失調症の知られざる精神世界、ブラジルで起こった数々の神秘体験。服薬に葛藤しながらの回復の中で、導き出した答えとは?マガジンはこちらから⇩

妻がこの企画のツイッターを運用しています。もしよろしければ、こちらのフォローもお願いします。

画像1














もし、僕の体験記に少しでも興味を持って頂き、より多くの人と共有したいと思って頂けたのであれば、この体験記の書籍化を目指していますので、サポートをお願いします。精神病に対する差別や偏見のない世界を一緒に創りましょう!