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新作「約束へと続くストローク」を完成させるまで~スランプに陥ってしまった話~


皆さん、お久しぶりです。騰成です。久々のnote更新です。
今回は記事のタイトルの通り、スランプに陥ってしまってお話を書くことがまったくできなかった話でもしようと思います。

この記事でも書きましたが、五作品目である作品「瞬間、青く燃ゆ」を完結させたのが、去年の6月10日でした。そこから一年以上の期間、私はお話を作ることができませんでした。

どうして書くことができなくなってしまったのか。

アルファポリスさんで主催された「第五回ライト文芸大賞」という公募で、私はありがたいことに【青春賞】を頂くことができました。そのお陰もあって現在は書籍化に向けて改稿作業に勤しむことができているわけですが、有り難いと思う反面、新作を書くことに漠然とした恐怖を抱くようになってしまいました。

今まで趣味として行っていた執筆活動が、仕事に変わる感覚とでも言えばいいのでしょうか? これからは自分がプロ(プロと呼ぶにはおこがましいとは思いますが)として周囲から見られると思うと、恐くなったのです。

新しくお話を書いてはみるものの、最後までお話を書くことができない日々が何か月も続きました。その間、X(旧Twitter)で知り合った心優しいフォロワーさんに小説を読んでもらったりもしましたが、なかなか完成させることはできませんでした。どんな作品であったとしても、一度完成させてしまえば評価の対象になってしまう。完成させることに対する怯えが、私の心に魔物となって棲みついていたのです。

自分自身との対話がスランプを脱するきっかけになる。

それでも私は書いていました。書くことだけはどんなに苦しくてもやめませんでした。やめなかった理由としては、執筆をすることが好きだったからです。また、物語を完成させる喜び……完成に近づけば近づくほど物語が良くなっていく感覚が堪らなく好きだったからです。

書籍化作業も同様でした。自分の作品が編集さんの意見によって良いものになっていく。その感覚を味わったことで、再び創作の楽しさを思い出すことができたのです。楽しさを思い出すことができたのと同時に、現在活躍されている作家さんたちが色々な公募にチャレンジをしていることを知って、恐がっている場合ではないことに気が付きました。

師匠からのプレゼントが私の心に火をつけた。

私は常日頃、X(旧Twitter)で思ったことをひたすらに呟き続けている人間なのですが、執筆が捗らない時も「今日も一文字も進みませんでした~」みたいな呟きをしていたのですが、私の師匠である木立花音先生が書籍の発売を記念して名刺とサイン本を送ってくださいました。

私のポストを見て頂ければ分かると思いますが、本当に嬉しかったのです。花音先生に憧れてライト文芸小説を書くようになった身としては、サイン本が宝のように見えました。この本を貰ったことで、私の心に火がつきました。「師匠がエールを送ってくれているのに、こんな所でくすぶっているわけにはいかない」と己を鼓舞することができたのです。

物語を消さずに最後まで書き切ることを決意する。

納得がいかない部分があると書いた文章をすぐに消してしまう悪い癖をなくすために、どんなに拙いと思ったとしても今度は最後まで書こうと決意をしました。書いては消してを繰り返している間も題材は一貫していたので、問題なく執筆にとりかかることができました。「瞬間、青く燃ゆ」を完結させてからずっと、私はスポーツを題材にした作品が書きたいと思っていました。

スポーツを題材にしたいと思った理由として、私と同じ公募で受賞した木立花音先生の作品について述べたアルファポリスさんの編集部の選評がいつまでたっても頭から離れなかったからです。(第五回ライト文芸大賞の結果が発表された時のURLがこちらです)

選評には「バドミントンの描写には非常に躍動感があり、ぜひ著者の青春スポーツものを読んでみたい、という意見が複数の編集者から出ました。」と書かれていました。私はこれまでスポーツを題材にした小説を書いたことがありませんでしたが、この言葉を見て以来書いてみたいという欲がずっと消えなかったのです。ならばと。小学生の頃に水泳を習っていた経験を生かして水泳(競泳)を題材にした小説を書くことを決めました。

新作に対する課題について

「瞬間、青く燃ゆ」の文字数が18万文字以上もあった経験から、「今度書く新作はちゃんと10万文字前後で完結させよう」と決めていました。その課題を達成する為にも、構成をしっかりと練って執筆に取り掛かる必要があると思い、プロットを作成することにしました。そして、プロットを作成する過程でもう一つの課題に直面します。それは、「私は章の組み立て方が下手だ」ということです。

「瞬間、青く燃ゆ」の時は、第一章を二十話以上使っていたのにもかかわらず、第二章では三話しかなかったり、第三章は十二話以上あるのに、第四章が五話しかなかったりと、一つの章の長さがバラバラでした。なので新作では、話数をある程度統一して章を作ることにしました。

章の組み立て方で参考にした作品は新田漣先生の「さよなら私のドッペルゲンガー」という作品です。

章ごとにしっかりと展開の波が確立されていて、章のタイトルまで統一されている。はっきり言って私は、レベルが高すぎる作品だと思っています。青春小説を書きたいと思っている私としては、新田先生には尊敬の眼差しを向けずにはいられません。それくらい素晴らしいのです。話が逸れましたね。要約すると、新田先生の作品がなければ私の章タイトルは陳腐なものになっていただろうということです(笑)

そして、完成へ。

スランプに陥っていた時期を乗り越えてようやく私は物語を完成させることができました。「これで本当によかったのか」という疑問はありますが、間違ったり失敗しても良いのだと思えるようになったことが、今はとても嬉しいです。新作の連載を楽しむためにも、「瞬間、青く燃ゆ」の時と同様にSKIMAを通して知様にイラストをお願いしました。

新作「約束へと続くストローク」10月21日からアルファポリスさんにて連載されます。大好きな男の子との約束を果たすため、水泳に全力を注ぐ高校一年生の女の子の物語となっています。もしよろしければ、見に来て頂けると嬉しいです。ここまで記事を読んでくれてありがとうございました。

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