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騰成が第五回ライト文芸大賞を受賞するまでのお話

 私が執筆を始めたのは2020年の4月からでした。ちょうど仕事に勤め始めた頃合いに執筆活動を始めました。最初は趣味で細々とやれればそれでいいなと思っていたので、特に作家になりたいとかは意識していなかったように思います。

 小説家になろうで処女作「妄想少女のお悩み相談所~解決できるかは別の話です!~」を連載を始めたのが、2020年の5月6日。完結したのが12月12日でした。ジャンルはヒューマンドラマ。文字数は37万文字。完結時の数字を記録していなかったので申し訳ないのですが……現在、ブックマークの登録数が38件で感想が20件、レビューは0件という状況です。RT企画に頻繁に応募していたのが良かったのか、処女作にしては見てもらえた方だと思っています。

 この時は「好きに書ければそれでいいや」と思っていたので、特にPV数やブックマークの件数などは気にせずにのんびりと活動していたように思います。ありがたいことにTwitterのフォロワーさんなどからファンアートなどを貰えたり、とても充実したスタートを切ることができたと思っています。

 今見るととても拙かったり、展開が遅かったり、目的がハッキリしていなかったり、色々と改善する余地を発見することはできるのですが、創作を始めた頃にしか出せない熱のようなものを感じて、個人的にはとても好きです。

 二作品目は「剣聖への道~剣士だった俺が未来へ転生して幼馴染や巫女と一緒に学園生活を送りながら妖怪と戦います~」という作品を書きました。
9月27日に投稿を開始し、2021年の5月30日に完結しました。ジャンルはローファンタジー。文字数は63万文字。ブックマーク数は181件。感想は44件、レビューは4件という結果でした。

 ジャンプみたいな王道なバトル物を書きたいと思って書き始めたのが切っ掛けでした。目標としては「レビューをもらうこと」だったので、達成することができてとてもホッとしています。

 文字数が60万字を越えているので、とても長いなという印象が強い作品です。更新作業に追われる恐怖とでも言いましょうか……見切り発車で作品を書くことの無謀さを痛感しながら執筆する日々がこの頃は続いていました。いちおう、おおよそ1話2000字と考えて50話分はストックしていたのですが、それでも毎日更新をしているとすぐにストックの底がつきてしまうので、毎日更新している人の凄さというのをよく実感できました。

 この時もファンアートを貰えたり、色々な方々から読了ツイートをしてもらえたりととても読者の方々に恵まれたと思っています。私みたいな素人の小説の更新を楽しみにして待っていてくれる人がいる。その喜びが私の活動の支えになっていました。

 また、自分でイラストを書くことも並行して行っていたので、時間がいくらあっても足りないという状況でした。自分なりに拘りを持ってイラストを書こうとすると何十時間も消費してしまうことが分かったので、程なくしてイラストからは手を引くことを決意しました。絵に時間をかけるなら、小説に時間をかけたいという思いの方が強かったので。

 書店で売られている書籍を読む傍ら、自分でRT企画を開催して読む側に回ったこともあります。小説家になろうさんとノベルアップ+さんの二つのサイトで募集をかけました。感想は良いと思った作品だけに送っていましたが、必ず読み終えた暁には読了ツイートをするように心掛けて行っていました。

 自分には合わないなと感じる作品であっても、ブックマークや感想の数が多かったりすると、どうして多いのかを考えたりする時間がとても楽しかったです。また、RT企画をしなければ絶対に出会うことのできなかったであろう良作と出会うことができたりして、RT企画って素晴らしいなと思ったのを覚えています。

 三作品目は「追放聖女のおにごっこ!~ネクロマンサーの彼女は無限にオニを量産する!~」という作品を書きました。ジャンルはファンタジーです。2021年の8月1日に掲載して、8月15日に完結した作品です。文字数は8万文字。ブックマーク数は26件。感想は10件、レビューは0件でした。

 こちらは追放物を自分なりにアレンジして書いてみたいなと思ったのと、10万文字以内で物語を完結させたみたいなと思って執筆を始めました。二作品目でレビューをもらうという目標は達成していたので、今度は構成力を少しでも伸ばしたくて短い中で起承転結を作れたら良いなと思って活動をしました。

 やはりといいますか、自分には流行を追って書くことが致命的に下手なんだなと感じました。薄々と前から感じてはいたのですが、この時にハッキリと自覚をしました。なら、自分なりに課題を見つけてそれとどう向き合っていくかを考えて創作をしようと意識を切り替えたのもこの時だったと思います。

 こちらもファンアートを貰ったり、読んで頂いた方々からは面白いと仰って頂けてとても嬉しかったのを覚えています。全体には届かなくても少数の方には刺さるような作品を書けている。そう思えたことが創作を続ける栄養になっていました。

 四作品目は「サキュバスちゃんは堕としたい」という作品です。2022年の1月16日に連載を開始して、3月28日に完結しました。文字数は9万文字。こちらもジャンルはファンタジーです。ブックマーク数は8件。感想は2件でした。

 少しだけエッチな話が書きたい、三人称小説にチャレンジしたい、また10万文字以内で書き終えたい……以上の3つの理由から作品を書きはじめました。もともと人気が得られるような作品ではないと思っていたので、ブックマークや感想の数が少なくてもあまり凹みませんでした。

 自分なりに三人称に挑戦したのですが、これで書けているのかは正直自信がありません。ぜんぜん書けていないような気がしています。それでもしっかりと区切りの良いところまでお話が作れて良かったなと思っています。ただ、このままではいけないという思いが漠然と強くなっていたのもこの時期でした。

 最初は自分が楽しければそれで良かった執筆活動。でも、気が付けばもっと上に行きたいという思いが強くなっていました。趣味のままで終わりにさせたくないという気持ちが溢れるようになったんです。

 少し話が変わりますが、私は木立花音さんを師匠としてとても尊敬しています。花音さんの作品を初めて読んだのが「今日より明日、好きになる。」という短編小説でした。処女作を書いて少しした頃に花音さんの存在を知ったように思います。まだこの頃は花音さんをTwitterでフォローしておらず、たまたま見つけた作品を読んでみようと思っただけに過ぎませんでした。

https://ncode.syosetu.com/n7532gn/

 結果、こんな凄い作品を書く人がいるのかとびっくりすることになりました。その後、「見上げた空は、今日もアオハルなり」や「桜舞う季節。彼女がついた嘘。」などを読んでファンになっていきました。

https://ncode.syosetu.com/n7443gl/


 花音さんは流行を追って作品を書いているわけでもなければ、少し言葉は悪いですが沢山のブックマークや感想を貰っているような方ではありませんでした。ですが、自分の書きたいジャンルに集中し、作品に「好き」を惜しげもなく注いでいる姿にとても心を動かされました。

 花音さんの背中は自分の作家性の指標といいますか、目標へと変わっていきました。「あんな人になりたい。あの人に追いつけるような存在になりたい」そんな気持ちが強くなっていきました。だから、自分を追い込むように花音さんの弟子を勝手に公言するようになりました。

 弟子と名乗る以上、不相応な振る舞いはご本人に失礼になってしまうので、これまで以上に真剣に創作に取り組みました。自分で逃げ場をなくすことで、実力を底上げしようと考えたのです。結果としてそれは功を奏したと思っています。

 自分が小説家になろうさんには合っていないなと感じ、別のWeb小説投稿サイトを探すようになったのも花音さんの影響だったように思います。花音さんは毎年、アルファポリスさんで行われている「ライト文芸大賞」や「ドリーム小説大賞」に作品を応募していました。自分も公募に出してみよう。憧れの花音さんと同じ公募で戦ってみようと思い、アルファポリスさんへと戦場を変えました。

 五作品目は「瞬間、青く燃ゆ」という作品です。ジャンルはライト文芸。文字数は18万文字。現在、お気に入り数は83件、感想は102件という状況です。この作品だけアルファポリスさんに掲載されています。

 「瞬間、青く燃ゆ」を製作した理由は「第五回ライト文芸大賞」に応募する為でした。花音さんの作品を筆頭に多くのライト文芸作品を読み、自分なりに研究をした成果を落とし込みました。初めての公募挑戦にとても緊張しながら2022年の4月22日に投稿を開始しました。完結したのは6月10日です。

 この作品は処女作のリメイクという側面があります。当時の実力では伝えたくても伝えきれなかった部分を成長した自分が伝えたいと思ったからです。自分なりに完成度の高いものへと仕上げることができたかなと思っています。

 結果として「第五回ライト文芸大賞」で「青春賞」を受賞することができました。これはひとえに応援をして下さった皆様のお陰だと思っています。更新をする度に感想を送ってくれたり、読了ツイートをしてくれた読者の皆がいたからこその結果です。

 そして、とても嬉しいことに花音さんは「大賞」を受賞しました。憧れの方と一緒に受賞ができたことは、一生忘れることのできない思い出になりました。ありがとうございます。

 どうして初めての公募で受賞できたのかを色々と考えてみたのですが、自分がどう執筆をしていきたいのかを考え続けたからこそ、だと思っています。作品を作るたびに目標を設定して乗り越えてきたのが良かったです。一つ一つ小さなハードルを越えてきた経験が、創作意欲を失わないようにしてくれました。

 目標を作るたびに今の自分の足りない部分やなりたい姿を見つめることになるので苦しい作業ではあるのですが、自問自答を繰り返した結果、木立花音さんという大きな目標を見据えることができました。

 これから先も迷ったり、うまくいかずに落ち込むこともあると思いますが、自分の芯を見つめて執筆していきたいと思います。第五回ライト文芸大賞の青春賞を受賞した「瞬間、青く燃ゆ」は書籍化へ向けて改稿の作業中です。

 まだまだ執筆歴が短い騰成ですが、これからも応援をしてくれると嬉しいです。こんなエッセイを最後まで読んで下さり、ありがとうございました。

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