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JUST BE YOU :私を取り戻す方法

※ fatal. (2016年)に掲載された監修記事の再掲です。

JUST BE YOU :私を取り戻す方法

ライフスタイルや思考のクセ、体質によって受けるストレスや不調はさまざま。今のあなたにはどんなノイズが溜まってる?タイプ別にストレスリリースできる「デトックス・ソリューション」を、セラピスト小松ゆり子が指南。

therapy supervison:Yuriko Komatsu
illustration:Mio Matsumoto
text:AYANA

ストレスファクターを意識的にシャットアウトして

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ー現代のライフスタイルは私たちの身心に対してどう影響しているのでしょう?

「ライフスタイルの多様化にともない、ストレスの在り方も複雑化しています。なかでもデジタルツールの発達が及ぼす影響は絶大。常にオンライン状態であることは、便利にみえて、様々な弊害があります。深夜であっても世界の果てであっても、Wi-Fiが繋がっている限り追ってくる仕事のメールや、常に他人の思考や価値観が流れ込んでくるSNS…。完全にスイッチを切り、これらをシャットアウトすることが難しいと、本当の意味での休息が取れずに疲労が蓄積したり、"自分の軸”を見失い他者の価値観に支配されたりといったことが起こります。」

ーシャットアウトする方法は?

「完全にデジタルデトックスし、明かりもつけず、あれこれ考えない"空白の時間”を意識的に作ることです。ついスマホを触ってしまう多忙な現代人にはなかなか難しいこと。だからこそ誘導するための様々なセルフケアメソッドがあるのです。頭とデジタルツールだけあれば生活や仕事のほとんどがこなせてしまう現代人は、"肉体”に対する意識が希薄になりがちです。自分にフィットしたセルフケアを行うことで、肉体の健康と自分を取り戻すサポートができるのです。」

心身をクリアにするデトックス・ソリューションのすすめ

ー自分に合ったセルフケアの方法はどうやってみつけるのでしょうか?

「ストレスの性質、性格、気質などによってケア方法も変わってきます。今回は現代人が陥りやすい不調を4つのパターンに分類し、それぞれに合ったセルフケアを「デトックス・ソリューション」としてご提案しています。ストレスをデトックスして、本来の自分が発揮できる状態へ近づけることが目的。香りやお風呂、セルフマッサージ、ヨガなどのツールを使って、五感を活用しながら体をケアしていきます。体調の回復だけでなく心のバランスを取り戻すことにも役立ちます。」

ー五感を使うというところがポイントでしょうか。

「今はデジタルツールの発達によりバーチャル満足度が高くなり、リアルな"体感”や"経験”の機会が減っています。ですが、五感を丁寧に味わい磨くことは人間が本来持つ感受性を呼び覚ます行為です。セルフケアはもちろん、日常生活でも五感を意識するといいですね。また、肉体をケアしていくと内面の問題解決にもつながっていきます。そうして身体や心がクリアになると、自己がしっかりと確立され、「本当に自分が欲しているもの」「自分が求める幸せ」がわかるようになります。それを実現していくには、乗り物としての肉体がしっかりしていることが大切なのです。」

オリジナルの魅力を開花させるために

ー幸せの形も画一的なものではないのですね。

「幸せとは『自分本来の望み』を知り、それを具現化していくことに他なりません。そのためには、他人の価値観や世論などに左右されない自分軸が必要です。自分軸を取り戻すには、様々な方法がありますが、まずは自分自身の身体と心に意識を向けること、そして定期的にセルフチェックを行い、今の自分に必要なケアをしてあげることからスタートしましょう。」

ー私たちは誰もが自分にしかない魅力を持っているのでしょうか。それを磨くにはどうしたら良いのでしょうか。日々のケアによる自己の確立によって育まれるのでしょうか。

「もちろんそれもあります。あとは自分の価値観を明らかにすることです。些細なことでも『自分が好きなもの』を書き出してみましょう。衣食住、映画、シチュエーション……。たくさんの"好き”がオリジナルの魅力へのヒントをあぶり出してくれます。さらに「憧れの人物像(理想の自分)」を想像する方法もあります。日常はあらゆる選択のつらなりでできていますが、選択を迫られたときに"彼女”ならどうするかを考え、多少の背伸びがあっても従ってみる。そうして少しずつ自分のハードルを越えていくと、独自の魅力や美しさが自然と開花していくのではないでしょうか。」

DETOX SOTLUTION SELF CHECK LIST

当てはまる項目にチェックを。もっともチェックの多いタイプが今のあなたの状態をあらわしています。タイプにあわせたデトックス・ソリューションを実践してみて!

TYPE A
□流行や情報に敏感、フットワークも軽いほうだ
□目の疲れや、首〜頭の疲労を感じることが多い
□スマホやパソコンなどのデジタルツールにかじりついている時間が長い
□最近、アイディアが浮かびにくい気がする
□頭の中は常に思考が飛び回っている。頭が冴えて眠れないこともある。

TYPE B
□持久力には自身あり。自分は努力家なほうだと思う
□冷えやむくみを感じやすく、身体の動きが今ひとつ重い感じがする
□人に自分のペースを乱されるとムッとしてしまう
□日常に停滞感を感じるが、変化を起こそうという勇気が出ない
□休みの日は自然があるところに出かけてのんびりと過ごしたい

TYPE C
□気付けば集団のなかでリーダーシップを取っている
□ストレスがたまると胃腸の不調が出やすい
□ちょっとしたことでイライラしやすい
□身体が疲れても気力でカバーしてしまいがち
□休みをもらっても落ち着かず、つい仕事のことを考えてしまう

TYPE D
□直感を大事にする。感覚が鋭く感受性が豊かなほうだと思う。
□肉体的な疲れよりも精神的な疲れを強く感じる
□周りにある情報や人の言葉に影響を受け、優柔不断になりやすい
□空気を読んで、言いたいことを我慢しがち
□時間ができたら、人に会うよりも一人の時間を大事にしたい

TYPE A: 颯爽と生きる風タイプ

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DETOX SOLUTION
目の前のことに集中する/ストレスリリース・フェイスマッサージ

常にフル回転していて、脳の疲れや緊張状態が慢性的になっている状態です。ストレスを取り除くには、大量の野菜を切り刻むような料理をする、ストレッチやマッサージ、静かな場所に座って瞑想するなど、無心になって一つのことに集中する行為がおすすめです。その際、スマホやパソコンはオフにしておくこと!

夜に時間を作り、ストレスを取り除くスペシャルフェイスマッサージをしてみましょう。まず今自分が一番ストレスに感じていることを静かに思い浮かべます。そしてそれが10段階でどのくらいのレベルのストレスか?についても考えましょう。次に香りのよいオイルやバームを手に取り、両手でこすり合わせます。フランキンセンスやラベンダーなど、精神に静けさをもたらす聡明な香りがおすすめです。そのまま香りを楽しみながら顔全体に塗布し、まず緊張で固まりがちな顎関節(耳の近くにある、口を動かすときに動く関節)の凹みを触りながら、ゆっくりと口を開け閉めしてゆるめます。次に頬、こめかみ、額とマッサージしたら、両手の指先で頭の中央(眉と生え際の中間あたり)に触れ、脈を感じるまで待つ。脈が触れてきたら先ほどのストレスについて再度考えてみましょう(先ほどと比べて、ストレスレベルはどうでしょうか?少し俯瞰で見ることができるようになり、些細なことに感じるのではなないでしょうか)。最後に目の上に両手をやさしくおいて圧をかけ、ゆっくりと深呼吸します。

TYPE B: じっくり取り組む土タイプ

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DETOX SOLUTION
意識的に動いてみる/リンパドレナージュ

常にものごとに対して慎重になっているとき。動くことに対して消極的ゆえにエネルギーが停滞しやすく、むくみや冷え、血行不良などが起こりやすくなります。停滞状態を打破するには、起床時にカーテンを勢いよく開けて陽の光を浴びる、朝のウォーキングを習慣にするなど、勢いをつけるためのアクションを。断捨離も効果的です。

軽やかに動き出せるよう、脚のリンパドレナージュをしてみましょう。リラックスできる空間で、あぐらをかくように座ります。両足を手で持ち、足の裏を合わせたら、膝をパタパタ動かして鼠蹊部(そけいぶ)のリンパを刺激します。その後特にリンパ管が多い内側を、足首から膝、膝から鼠蹊部とゆっくりやさしく下から上に撫でさすります。下に溜まっている水を上にもっていくイメージで。次に足指に手を入れて握り、足首を回したあと、足の裏を親指で押していきます。これは臓器の活性につながります。再び脚全体を気持ちいいなと感じる力加減で握るように揉んだら、最後に散らばった水を上にやさしく持っていくように、再び下から上へ撫でさすります。むくみ対策のマッサージオイルを使うと効果的ですが、さするだけでもOK。リンパや血流の流れを促すので、脚が軽やかになり、また肌色も明るくなります。アップリフティングできる香りのロールオンを嗅ぎながら行うと、エネルギーの活性度もUPします。

TYPE C: 勝負に燃える火タイプ

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DETOX SOLUTION
何もせず、ただ身をあずける/メディテーションバス

活動的でヒートアップぎみ、頑張りすぎていて力を抜くのが難しいとき。本格的に休息が必要な状態ですが、深呼吸さえも頑張ってしまうのがこのタイプ。うまくいかないと余計にイライラしてしまいます。ですから、なにもしない時間を意識的に作るようにしましょう。助けになるのは香りの力。心地よいと感じるエッセンシャルオイルやハーブティーの香りを楽しむと、自然と呼吸が深くなり、ゆったりとした気持ちに、熱を冷ますように、鎮静効果のあるローズウォーターのコットンパックを目にあてて休むのもおすすめです。

すべてのものごとからエスケープするメディテーション・バスタイムを持ちましょう。イランイランやマージョラム、サンダルウッドなど心身の過剰な力みを緩ませてくれる香りのバスソルトやバスオイルを使って、目を閉じ、漂う香りを楽しむようにします。香りを嗅ぐことで自動的に呼吸が深くなるので、無意識のうちに副交感神経が優位になり、お風呂によるあたため効果とのシナジーで、筋肉や神経の疲労をケアできます。さらに有効なのはバスルームの明かりを思い切って消してしまうこと、換気扇もオフにして香りを籠らせ、静かな時間に身をあずけると深い休息が得られます。入浴時のデジタルコミュニケーションツールはすべて控え、そのまま暗いベッドルームに直行、が最善の方法です。

TYPE D: 感性豊かな水タイプ

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DETOX SOLUTION
ゆっくりじっくり身体を動かす/陰ヨガ

やや精神がセンシティブになっているとき。他者と自分の境界線が曖昧になったり、情報に振り回されたり、自分に自信がなくなることも。自分の揺るぎない軸をしっかりと整えれば、もともと持っている柔軟さを活かしてしなやかな状態になれるはず。グラウンディングできるケアを取り入れましょう。地に足をつけるスクワットや、他者に触れてもらう(=境界線がはっきりする)ボディトリートメントをサロンで受けるのも効果的です。

腎の経絡を刺激する動きで全身の生命力を刺激する「陰ヨガ」のサドルポーズを取り入れてみましょう。リラックスできる格好で星座になり、そのままゆっくり後ろに反っていきます。背中にクッションやボルスターを置いてもOK。気持ちいいと感じるところまで伸びたら、両腕を楽な位置に置き、深く呼吸をしんがらそのまま5分ほど過ごします。ポーズをホールドすることで、自身の身体感覚と向き合い、他人に左右されない自分作りにつながります。また、精力の源である腎の経絡が刺激されるポーズなので、意志を持って動けるようになるでしょう。朝の活動前、夜就寝前の両方に行えるとベスト。夜は明かりを落とします。あわせて、リラックスできる音楽を流したり、アロマキャンドルを焚くのもいいでしょう。自分自身の時間を大事にし、感受性を取り戻すことにつながります。音楽は静寂を感じるポストクラシカル、アンビエントなどがおすすめ。香りはパチュリ、レモングラス、サンダルウッドなどが、柔軟さと芯の強さの共存をサポートしてくれます。

■ 小松ゆり子 official web site


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