パーソナルセラピスト 小松ゆり子「ソマティック・ダイアリー」

パーソナルセラピスト / Touch for World 代表 / corpo e alma主宰 / 日本タッチ協会理事「感じることは癒しになる」五感体感至上主義者。「心と身体、魂のつながり」をとり戻すために。あの手この手を試みるソマティックな日々。

パーソナルセラピスト 小松ゆり子「ソマティック・ダイアリー」

パーソナルセラピスト / Touch for World 代表 / corpo e alma主宰 / 日本タッチ協会理事「感じることは癒しになる」五感体感至上主義者。「心と身体、魂のつながり」をとり戻すために。あの手この手を試みるソマティックな日々。

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    目が見えないイシイシとDIOR展に行ったらおもしろすぎた話

    ある朝突然目が見えなくなって7年目のブラインド・コミュニケーター、イシイシとDIOR展行ってきました。 予約が取れずてんやわんやと噂のDIOR展。なんとイシイシの印籠(視覚障害者手帳)があると、同行者2名と共にするりとインできるのです! というわけで、旅は道連れ。イシイシと、小笠原和葉さん と、コマツというボディワーカー3人での鑑賞ツアーに。 しかし、イシイシの視界は基本的に白い霧の中。 ただ同行してもらうのもなんなので、普段の5倍以上の集中力で展示を鑑賞し、日頃培っ

      • セラピーを統合する力の源

        筋膜、筋肉、関節、リンパ、血管、神経…。 意図的にそれぞれ個別に働きかけたとしても、結局それらが不可分であるように。 手の力 温熱の力 振動の力 空間の力 音の力 香りの力 色の力 それぞれの力の効果を区別して考えながらも、相乗効果が出るように融合していきたい。 そして、「なにもせずに見守る」時間。 一見何も起きていないようでいて、自らの身心の奥底から癒し、統合する力が絶え間なくうごめいていることを信じる。 その時間があるとないとでは、セラピーの質に大き

        • ダミアン・ハーストと般若心経

          にわかに湿度が増してきて、季節がいよいよ去りゆく前に、 ダミアンハーストの桜。 間近で見ているうちに波打つように隆起する色の洪水に引き込まれて、 心地よくゲシュタルト崩壊。 桜にとりこまれて、自分の体が融解していくような。 肉体も、桜もあらゆるものが粒子の集まりだと体感する。 最近、般若心経を覚えたいと思って、時間がある時に詠唱してみるのだけど、 何度も声に出して反復しているうちに、これもまた全てが粒子化していくような 錯覚を覚える。 芸術も、宗教も、行き着くところは

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            箱根に足を運ぶこと数知れずあれど、初めてのポーラ美術館。 見たいのはロニ・ホーンだけど、まずはワンコ様を満足させるお散歩タイム。 ワンコ様、大ハッスルでうれしそう。 お散歩コース「森の遊歩道」は入場料もかからないのに見所がたくさん。 人もまばらで、気持ちよく散策できる。 野外アートと犬のコラボレーション。 ポーラ美術館に常設されるという、ロニ・ホーンのガラス彫刻作品「鳥葬」。 ロニ・ホーンはアイスランドに魅せられて長く滞在したこともあるそう。 わたしも、冬のア

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          • ヴァイタル・タッチセラピーについて
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            プレゼンスとタッチ〜「本当のわたし」として「在る」こと

            「プレゼンス」とはなんぞや。 わたしは「個としての在り方、在りよう」のようなものだと捉えているけど。 よく「セラピストはプレゼンスが大事」などとも言われるものの、「いやいや、生きていく中で全ての人にとっても大事でしょう」とも思うわけで。 だからこそ「プレゼンスとは」と、再度問い直す。 「真実を話すことはプレゼンスを必要とします。 私たちが真実を話すとき、私たち自身を見せることになります。 プレゼンスとはただ存在することです。 私たちが本当に誰であるかということを忘

            平成の記憶

            たくさんの美しい世界を見ることができた。 心も身体もどんどん自由になった。 それが私の平成の記憶。 平成元年を迎えた15歳の時には思いもよらなかったことも。 うっかり結婚もせず、子供も生むことなく平成の31年間が過ぎたけど、強がりでもなんでもなくそれも今のところ悔いなし。っていうか、世間や一般の価値観に流されかけて焦った時期もあったけど、あの焦りも今となっては不必要だった(笑) もう世界のどこにも完璧に安全な場所なんてなくて、「いつか」「そのうち」なんて言葉はもう信じ

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            バウンダリー:自分にとって心地よい距離感と、相手にとって心地よい距離感

            セラピーの時に集中しているポイントは、姿勢や呼吸の維持、身体のレイヤーに対する意識、などいくつもあるんだけど、それらを粛々と行いながらも相手のバウンダリーを尊重する、ということにもかなりエネルギーを注いでいる。 「触れる」ということと、「バウンダリー(境界線)」を尊重するということは切り離せない。 自分にとって心地よい距離感と、相手にとって心地よい距離感はちがうかもしれない。 それは触れようとする相手を否定することととはちがう。 まず、自分が心地よくいられる境界線の基

            JUST BE YOU :私を取り戻す方法

            ※ fatal. (2016年)に掲載された監修記事の再掲です。 JUST BE YOU :私を取り戻す方法ライフスタイルや思考のクセ、体質によって受けるストレスや不調はさまざま。今のあなたにはどんなノイズが溜まってる?タイプ別にストレスリリースできる「デトックス・ソリューション」を、セラピスト小松ゆり子が指南。 therapy supervison:Yuriko Komatsu illustration:Mio Matsumoto text:AYANA ストレスファク

            香りとくつろぎの時間を味わう、ディカフェラテの楽しみ方。

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            音楽体験から生まれる至高の癒し

            ネット上では読めなくなってしまった、2017年「Sony Life Space UX」のウェブメディアににて取材を受けたときの記事。 「音とセラピー」に対するわたしのスタンスの基本がよくまとまっているので、こちらにアップしておきます。 音楽体験から生まれる至高の癒し世界各国の自然療法を織り交ぜ、オリジナルのセラピーを生み出していくセラピスト、小松ゆり子さん。そのセラピーを受けた人たちは「身体がすみずみまで解放され、心と魂にエネルギーが満ちる」といいます。現在はプライベート

            身体性とゆらぎと。 「マトリックス レザレクションズ」考察

            前三部作をきっちり予習し「マトリックス レザレクションズ」を観た。 なるほど、これは賛否両論わかれるだろうなと(笑) ということで、ここから下はネタバレを含む内容ですので、観賞後の方向けです。 ちなみに私は予告編すら見ないで行ったのですが、それで正解だったと思ってます。あと「サッド・キアヌ」が好きな人はみどころいっぱい(笑) さて、私も途中まで「いったい何を見させられてるんだ」というざわつきや苛立ちを感じたのも事実。 でもその感覚こそが、マトリックスに囚われている人

            カボスの実がなる頃に

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            音叉で身体と心を整える「ヴァイタル・チューニングセラピー」

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            夏至とトラウマの備忘録

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            マーク・マンダースの不在〜美しい死がある未来

            静かに風化した未来。 そこに足を踏み込んだような。 残酷だけど、恍惚として痛みが一切ない実験の果ての死のような。 静謐で美しいご遺体のようにも、菩薩の微笑みのようにも見える顔。 なにかが欠損しているけど、だからこそ完璧なもの。 「マーク・マンダースの不在」。 鑑賞するというより、ちがう世界線を旅した感覚。 廊下一面に飾られたドローイングが、アーティストの頭の中が「向こう側」と紙一重な感じがザワザワしておもしろかった。 紙一重というより、本当は同じ場所なのかもしれな