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コラムなど

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自由律俳句や現代詩、雑感など
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2017年3月の記事一覧

むかしの詩

◇さざなみ

午後の宝石に少女はくるまれ身ごもる

ウルトラグリーンの斜面に

秋の最後の虫の声の

ささやかなひび

塔の客はまだ

来ない

◇分裂地帯

夏の夜は子どもの時間

眠りの奥の細胞分裂は

かすかにきしむ虫の声

女たちはオセロを休み

小さくあくびする

(観察は慎重に…)

現れては消え

浮かんでは沈む

みんなが何度も場所を

変えながら

短い執行猶予を

楽しんでいる

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だれかの童話

伝記を書こうとすると

思いだす風景がある

住宅地に池がある

街灯で照らされている

ゆっくり話す女は少なく

池の主はいないわよ

咲いているつつじに蜜蜂は

くるのだろうか

蜜蜂に刺された

母が育てていたばらのなか

下唇を刺して蜂は死んだから

ずっと呪文は四捨五入中である

むかし落とし穴を掘りながら思いついた

ある青年が洋館に招かれて

少年の家庭教師を頼まれる

「あなたの役

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プロレスとの長いつきあい

いちおう俳句を「趣味」ということにしています。ツイッターやnote、mixiにも発表していますから。

でも、これまででもっとも長い趣味は「プロレス観戦」です。先日、テレビ朝日系で「プロレス総選挙」という番組がありました。WBCの影響でプライムタイムから押し出され、結局、深夜放送になってしまいましたが、ファンのすそ野が広がってきている、と感じさせました。

早寝なので見ませんでした。ネットで見ると

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