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ZERO to ONE 要約と感想

「ZERO to ONE」ピーターティール著の要約と感想メモ

「ZERO to ONE」Paypalの創業者で、現在は投資家のピーター・ティールによって2014年に書かれた本だ。テーマは、新しい何かを創造する企業をどう立ち上げるか。

最もたる主張は、タイトル通りゼロから1を生み出せということだ。

進歩には2種類あるという。
1:水平的進歩(グローバリゼーションのような成功例をコピーするもの)
2:垂直的進歩(テクノロジーのような、新しい何かを行うこと)

前例を追いかける水平的進歩よりも、垂直的進歩を目指すべきというのが筆者の考えだ。成功者は方程式ではなく、第一原理からビジネスを捉え、思いがけない場所に価値を見出している。

その思いがけない場所にある価値をどう見つければ良いのか。
そのためのヒントとして、この本を貫くのはこの問いだ。

「賛成する人がほとんどいない、大切な真実は何だろう」
答え「世の中のほとんどの人はXを信じているが、真実はXの逆である」
(=隠れた真実)

たとえば
フェルマーの最終定理(358年誰にも説かれていなかったのを信じ続けた)
エアビー(他の他人に全く見えなかった未開拓の需要と供給に気が付いた)

上記の、この問いに答えられるかがもっとも重要な、起業のポイントだ。
もちろん、それ以外にも重要なポイントがいくつかある。

自分の頭で考える

当たり前だと思っていること。これまでこうだったからということをそのまま受け入れるのではなく、自分で考えることが非常に大切。

ドットコムバブルの崩壊から学んだ教訓
1:少しづつ段階的に前進すること
2:無駄なく柔軟であること
3:ライバルのものを改良すること
4:販売ではなくプロダクトに集中すること

↓↓↓
でも、むしろ正しいのは逆
1:小さな違いを追いかけるより大胆に賭けた方がいい
2:出来の悪い計画でも、ないよりはいい
3:競争の激しい市場では収益が消失する
4:販売はプロダクトと同じくらい大切だ

ビジネスについて、過去の失敗への間違った反省から生まれた認識を意識すること。そして、何よりの逆張りは自分の頭で考えることだという。

独占企業がもっとも良い

競争は無駄、独占企業であるべき。一般的には独占企業は悪で、適度な競争が良いものを生み出すというが、著者は独占企業の方が良いと述べている。

クリエイティブな独占企業 (EX,Google)
永続的な価値を想像して、それを取り込むには差別化が必須
・完全競争下では、長期的に利益を出す企業は存在しない。
・独占企業は変化のない世界ではショバ代を徴収する存在でしかないが、現実の世界は常に変化しており、新しい領域を生み出すことで消費者により多くの選択肢を与えている。
・独占は、イノベーションを生み出す。長期計画を立てる余裕と、競争企業には出せないような野心的な研究開発を支える資金を生み出す。

もちろん、その独占は、長期的に維持できなければならない。

独占企業の特徴
・2番手より10倍優れたテクノロジーがある
・まったく新しい発明or気Xオンのソリューションの劇的な改善(アマゾン)
・小さいところからはじめ、ネットワーク効果を狙う
スタートアップが狙うべき理想の市場は、少数の特定ユーザーが集中していながらライバルがほとんどいない市場。先手必勝ではない。
・規模の経済、初期の設計時に規模拡大の可能性を考慮(ツイッター)
・ブランディング(アップル)

どんなビジネスにも答えを出すべき7つの質問

テスラはこの7つの質問全てに答えたという。

どんなビジネスにも答えを出すべき7つの質問

1:エンジニアリング
段階的な改善ではなく、ブレイクスルーとなる技術があるか?
2:タイミング
ビジネスをはじめるのに、今が適切か?
3:独占
大きなシェアが取れるような小さな市場から始めているか?
4:人材
正しいチーム作りができているか?
5:販売
プロダクトを作るだけでなく、それを届ける方法があるか?
6:永続性
この先10年、20年と生き残れるポジショニングができているか?
7:隠れた真実
他社が気が付いていない、独自のチャンスを見つけているか?

本書では、宇宙規模のシンギュラリティーとかそういう壮大な未来の話に突き進んでいくが、結局、宇宙も、地球も、国家も、企業も、人生も、この瞬間も、大切なものは全て取り換えの聞かない一度限りのものだ

今の僕たちにできるのは、新しいことを生み出す一度限りの方法を見つけ、ただこれまでと誓う未来ではなく、より良い未来を創ること。
ゼロから1を生み出すこと。
そのための第一歩は自分の頭で考えることだと締めている。

この本を読んだきっかけ

蛇足になるが、私がこの本を読んだきっかけは、ツイッターのとある美容アカウントだ。美容、ダイエット情報で人気のあるツイッタラーICOさんが、突然美容垢でこの本を勧めていて、えっなんで?と興味を持ったので即購入してみた。

面白い本とは言えなさそうな見た目だが、読んでみると非常に面白かったので、メモがてら今回のnoteにまとめてみた。ICOさんご自身も素敵なので、ぜひフォローしてみてください。

まとめ

本書では起業をテーマとしているが、著者は積極的に起業は進めていない。
「人生はポートフォリオじゃない。分散投資はできない。(上位20パーセントが利益の80パーセントを締める)べき乗則の下では、企業間の違いは企業内の役割の違いよりもはるかに大きい。」

特に起業しようと思って読んだわけじゃないが、起業人じゃなくとも、イノベーティブに自分の頭で考え続けることは仕事のモチベーションを維持する上で大事だと思う。

日々「まるで古代人がはじめて世界を見たときのような新鮮さと違和感」を持って世の中を見れているだろうか。問い直しながら、生きられるようになりたいものです。

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