人生での冒険に向けた心構え -リスクアペタイトとリスク許容度-

人生の節目で新たな一歩を踏み出そうとする際、多くの人は不安を感じながらも、直感的に"何とかなるだろう"と思い込んでいることが多いのではないでしょうか。しかし、重要な意思決定においては、単に運に任せるのではなく、一定の基準を設けておくことが良いと思います。

日頃から様々な経験を重ね、試行錯誤を繰り返すことで、自然と判断力が養われてきます。つまり、自分なりのアルゴリズムができあがり、意思決定に際して、速やかに、より的確な判断ができるようになると言われています。

一方で、リスクマネジメントの考え方を取り入れることで、直観を補完し、より良い判断ができるようになります。サッカーに例えれば、以下の2つの概念が重要になります。

リスクアペタイト(リスクの食欲)
勝利を得るために、一定のリスクを受け入れ、攻撃的なプレーを展開する必要があります。試合状況によってリスクアペタイトを調整します。

リスク許容度
相手の攻撃をどこまで許容するか、相手の得点チャンスをどの程度抑えるかを決めます。リードしている場合はリスクを最小限に抑え、守備的なフォーメーションを取ります。

個人の人生においても、同様の概念を応用できます。例えば、財務リスク、キャリアリスク、健康リスク、社会性リスクなど、さまざまな側面でリスクアペタイトとリスク許容度を決めておくと良いでしょう。

具体的には、「年収の最大20%まで投資に回す」「新しい資格を取得するため積極的に学習する」「専門家に相談しつつ、自分に合うと思われる健康法を試して健康を維持する」「異なる背景の人々と積極的に交流する」など、自分なりのリスク方針を設定しましょう。

起業を目指す場合は、どの程度まで利益を狙うかのリスクアペタイトと、経済的に耐えられる損失の上限であるリスク許容度を明確にすることが重要です。

このように、リスクアペタイトと許容度を事前に明確にしておけば、一貫した基準に基づいて適切にリスクを選択でき、人生においても成功の確率を高められます。またリスクを発見し、それへの準備を整えることもできます。

人生の冒険に向けて、直感だけでなく、こうしたリスクマネジメントの発想を取り入れることで、より堅実かつ積極的な意思決定ができるはずです。
皆さんの豊かな人生実現のために、ぜひ活用していただければと思います。