マガジンのカバー画像

若大将シリーズ

11
若大将シリーズについてまとめました。
運営しているクリエイター

記事一覧

「加山雄三ラストショー〜永遠の若大将」公式パンフレット

「加山雄三ラストショー〜永遠の若大将」公式パンフレット

9月9日(金)東京国際フォーラムA「加山雄三ラストショー〜永遠の若大将」公式パンフレット。

娯楽映画研究家・佐藤利明とアーカイヴァー・鈴木啓之さんの「若大将グラフィティ」(1995年)など、数々の「加山雄三プロジェクト」を手がけてきたコンビが、27年前と変わらぬ「熱」を込めて、全力で取り組みました。

コンサートパンフでありますが、加山雄三さんの音楽史をテーマに、インタビュー、寄稿、原稿で立体的

もっとみる
加山雄三ラストショー〜永遠の若大将

加山雄三ラストショー〜永遠の若大将

1970年に小学生となったぼくは、その頃から少し前の1960年代の文化風俗に憧れていました。植木等さんとクレージー映画、円谷英二特技監督による東宝特撮映画、加山雄三さんの若大将シリーズ、ボスになる前のかっこいい裕次郎さん、マイトガイ・アキラ… 彼らの映画がテレビの邦画劇場で放映されるとカセットで録音。繰り返し、耳で映画を追体験していました。

そのテープから主題歌、挿入歌をあつめてサントラテープを

もっとみる
「唄う映画スター」の世界!

「唄う映画スター」の世界!

2020年5月11日にスタートした配信番組「佐藤利明の娯楽映画研究所」1周年です。毎回、阿佐ヶ谷ネオ書房さんで店主・切通理作さんを聞き手に、思いつくまま、娯楽映画や往年のテレビ映画について語っております。

5月3日配信は「歌う映画スター」をテーマに26分、タップリと語りました。

 この動画で語っているように、僕は1995年の「若大将トラックス」(ファンハウス)を皮切りに「歌う映画スター」の主題

もっとみる
娯楽映画研究所スペシャル 佐藤利明「若大将」を語る 2020年11月28日開催!

娯楽映画研究所スペシャル 佐藤利明「若大将」を語る 2020年11月28日開催!

イラスト:近藤こうじ

青大将を思いついたのは黒澤明だった!〜若大将シリーズの誕生〜 佐藤利明の娯楽映画研究所【こちら阿佐ヶ谷ネオ書房】

 YouTubeのシネマ野郎「佐藤利明の娯楽映画研究所」は、もともと2020年4月から切通理作さんの阿佐ヶ谷ネオ書房でスタート予定だった「佐藤利明のニッポン娯楽映画縦断」講座が、コロナ禍で中止したことから、始めた企です。

 同時にnote「佐藤利明の娯楽映画

もっとみる
加山雄三・若大将グラフィティ 1961〜1981

加山雄三・若大将グラフィティ 1961〜1981

【若大将の誕生】 昭和35(1960)年5月。慶應大学を卒業した池端直亮は、東京都世田谷区の東宝砧撮影所の門をくぐった。両親は戦前からの日本映画を代表する二枚目スター・上原謙と、松竹蒲田出身の女優・小桜葉子。母方の曽祖父に明治の元勲・岩倉具視がいる。

 スポーツ万能で音楽的才覚にも溢れた長身の二枚目は、東宝のサラブレッドとして、製作本部長でプロデューサーの藤本真澄により売り出されることになった。

もっとみる
サラリーマンもイカスぜ!若大将

サラリーマンもイカスぜ!若大将

 加山雄三の若大将シリーズがスタートしたのは昭和36(1961)年。恋にスポーツにモテモテの若大将はシリーズを重ね、「恋は紅いバラ」や「君といつまでも」といったヒット曲を数多く生み出して八年の月日が流れ、60年代最後の年を迎えていた。永遠の若大将とはいえ、加山も三十代にさしかかり、大学四年生のままでは、いささかムリがあると、名物プロデューサー藤本真澄が判断。

 昭和43(1968)年の夏休み映画

もっとみる
若大将・フレッシュマン篇

若大将・フレッシュマン篇

 加山雄三の若大将シリーズがスタートしたのは1961(昭和36)年。恋にスポーツにモテモテの若大将はシリーズを重ね、「恋は紅いバラ」や「君といつまでも」といったヒット曲を数多く生み出して八年の月日が流れ、60年代最後の年を迎えていた。永遠の若大将とはいえ、加山も三十代にさしかかり、大学四年生のままでは、いささかムリがあると、名物プロデューサー藤本真澄が判断。

 68年の夏休み映画『リオの若大将』

もっとみる
若大将・京南大学篇

若大将・京南大学篇

 「若大将」といえば加山雄三のニックネームで、今でも呼称として通用している。スポーツ万能、女の子にはモテモテ、人に頼まれたらイヤとはいえない。東京麻布の老舗のすき焼き屋「田能久」の跡取り息子・田沼雄一は京南大学の四年生。学費の使い込みやレストランでの大乱闘が原因で、父親・久太郎(有島一郎)から勘当を言い渡され、家を出る。そこでヒロイン澄子(星由里子)と出会い、青大将こと石山新次郎(田中邦衛)の横恋

もっとみる
加山雄三・若大将シリーズの魅力

加山雄三・若大将シリーズの魅力

 20年に18作も作られた加山雄三の「若大将」映画。シリーズ第一作『大学の若大将』が作られたのは、プログラムピクチャー全盛の昭和36(1961)年。戦前からの二枚目スター上原謙のジュニアとして前年に東宝からデビューした加山雄三の魅力を最大限に引き出そうと企画された明朗青春篇だった。加山がデビューした昭和35(1960)年は60年安保に日本中が揺れ動いていた。リアルな大学生は恋やスポーツを謳歌すると

もっとみる
若大将の東京

若大将の東京

 戦前松竹の「若旦那もの」にヒントを得て、上原謙の息子・加山雄三主演で、連作された東宝の「若大将シリーズ」。麻布にある老舗のすき焼き屋・田能久(たのきゅう)の跡取り・田沼雄一が恋にスポーツにハリキリ・ボーイの青春篇。父・久太郎(有島一郎)、祖母・りき(飯田蝶子)、妹・照子(中真千子)らの田能久のシークエンスは、東宝作品ながら、製作者藤本真澄の愛した松竹映画の遺伝子を感じる。

 さてその田能久は、

もっとみる
「若大将シリーズ」クロニクル1961〜1981

「若大将シリーズ」クロニクル1961〜1981

 加山雄三の「若大将」シリーズは、『大学の若大将』(1961年・杉江敏男)から、『若大将対青大将』(1971年・岩内克己)まで製作された。東京・麻布にある老舗のすき焼き屋“田能久”の跡取り・田沼雄一(加山)のニックネームは若大将。典型的な街っ子で、スポーツ万能、頼まれたらイヤとはいえない性格。実家には、父・久太郎(有島一郎)、面倒見の良い祖母・りき(飯田蝶子)、兄想いの妹・照子(中真千子)がいる。

もっとみる