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事業戦略大学(教員1名、生徒無限大) 第5回 アライアンス戦略を構築する「考え抜くための戦略フレームワーク入門」コース

読む前にまず、


・前屈手が床につくぐらい(出来ない人は出来るところまで)5回
・膝を曲げ、ゆっくり腰を深く落とし、そしてゆっくりと起立する5回。 最後は深呼吸3回。その後に設問に迷わず一気にお応えください。在宅ワークが長く続き、体力が低下しています。気を付けましょう。戦略はまず身体を鍛えるところからです。


設問1:アフターコロナになって、経営者はアライアンスに注目しています。 それはなぜでしょう。財務的視点でお答えください。

設問2:アライアンス戦略は難しく失敗の確率が高い仕事です。サラリーマンとして担当させられると苦労が多いのですが良いこともあります。その良いこととはは何ですか?

設問3:アライアンス関係を長く継続させるためのポイントはどんなことですか?

■設備投資2年間凍結の今、アライアンス戦略が注目されている

コロナショック後、多くの企業は2年ほどは大きな設備投資をしないと言われている。しかし企業は成長するために、新たな製品・サービスを開発し、市場に出さなければならない。自社では投資できない。ならば他社とのアライアンス戦略という方法がある。今、アライアンス戦略が大変効果的である。

また需要のピークに合わせて設備形成したり、人員を抱えた企業は、余剰資産が大きく、交渉の余地が出てきており、他社にその余剰資産を活用してもらい損益分岐点を下げる必要があり、その点でもアライアンス戦略か効果的と考えられる。かつて強気の会社でも、設備過剰になれば、全く別の会社の人格、態度となる可能性がある。この機会に、自社で設備を持たなくても、新しい製品・サービスを市場に出すことが出来るかもしれない。

■事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やIT活用のビジネスモデルの変革でもアライアンスが有効

コロナの影響が、オンラインでのプレゼンスの重要性をより一層加速化した。いくらよい製品・サービスを持っていても、オンラインでのユーザー接点が弱い会社は、今後ますます苦境に陥ると思われる。これはBtoB、BtoCに関わらない現象である。しかし、オンラインでのユーザー接点を含む事業のDX(デジタルトランスフォーメーション)やIT活用のビジネスモデルの変革には、企業文化、社内インフラ、専門知識・スキル・人材、設備など、新たな経営資産を要し、それらの獲得、構築のためには相当な資金と時間を要する。

そこで効果的なのが、アライアンス戦略である。自社の魅力あるコアコンピタンス(中核能力)を交渉の切り札に、自社の持っていないIT技術、ITを活用したビジネスモデルを保有する企業とアライアンスすれば、事業のDXやIT活用のビジネスモデルの変革も難しくない。具体的には業務提携と資本提携を組み合わせたジョイントベンチャーなどの形態が望ましい。

■経営者にとってもアライアンス戦略は魅力的

アライアンス戦略は、経営者にとって魅力的な注目される戦略手法となってきている。それにはいくつかの理由がある。

1つは少ない投資で新たな大きな売上や利益が得られる可能性がある。

2つ目はそれらを実現するリードタイムが短い。つまり売上、利益を実現する期間がとても短い。

3つ目は環境変化にあわせてポジジョンをコントロールしやすい。難しい場合はやめれば良い。

つまりリスクが低い事業投資なのだ。

■アライアンス戦略の定義

アライアンス戦略とは何か?資本移動の伴うM&Aはアライアンスに含まれるのか?私は、アライアンスする企業、組織の自立性が維持されている状況であれば資本移動を伴う形態であってもアライアンスと考えて良いと考えている。ただ株式を50%超保有し、完全支配の形態になればアライアンスとは言いにくいと思う。ただし、それで相手の主体性を尊重する経営が行われいる場合もあるので、絶対とは言い切れない。

事業戦略としてのアライアンスの定義を考えると以下のようなものになる。定義というよりもアライアンス戦略が目指すものと言ってもよい。

①それぞれの顧客価値や競争ポジションの向上を狙うもの

②アライアンスパートナー同士が重要な経営資源や資産を共有し、経済性の向上を目指すもの

③アライアンス関係を構築することで競争力のある構造”ビジネスモデル”を構築すること

④アライアンスパートナー双方が、環境変化に対して、相互にリスクを軽減、バランスさせながら共に成長していくもの

⑤アライアンスを通じて相互に刺激しあい、継続的に学習する関係をつくること

講演やセミナーなどでよく、アライアンスを継続されるために必要なことはどのようなことですか?という質問がありますが、定義の最後⑤をあげます。互いに学習する関係を維持出来るか?ということです。つまり相手から学ぶものがあるか?相手に学ぶものを提供し続けていられるか?互いが学んでなにか新しいことつくっていっているか?ということです。

反対にアライアンスがうまくいかないという状態は、相手から学ぶ姿勢がなく、自分が欲しい経営資源、資産だけもらって終わりになるような状態だと思います。このことは大変重要で、アライアンス戦略といっても学習能力が低い企業だとアライアンス先としてみてもらえないし、一方で小さなスタートアップ企業だとしてもこの学習能力が高いと重要なアライアンスパートナーとして認識される可能性があるということだ。もっと言えば、現代の経営において金銭や物理的資産の価値は低下しており、知識・スキルとその源泉である学習能力が価値ある資産になってきているということだ。

■結局アライアンス戦略とはどのような戦略なのか?

ポートフォリオ戦略やポジショニング戦略、バリューチェーン戦略、ビジネスモデル戦略など様々な戦略論、フレームワークがある中で、アライアンス戦略とはどのような戦略なのか?

私はアライアンス戦略の特徴を以下の様に考えています。

社会・市場の変化・変動を事業機会として捉え、外部の経営資源・資産を相互活用し、互いに成長し共生する、”フレキシビリティとスピードを武器にした戦略”


最近思うのだが、「これはまさにウイルスの感染戦略」と同じではないかと。




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