見出し画像

事業コンセプトをテストしているか?

事業戦略大学(教員1名・生徒無限大)「成功する事業コンセプトの作り方コース第4回」

■ テスト実施に関する注意点

事業コンセプトができあがれば、次のステップである事業戦略企画フェーズに入ることができる。しかし、それが成功する事業になるかどうかは未知数である。そこで必要になってくるのが、作成した事業コンセプトのテストである。最近はコンセプトテストのことをPoC(Proof of Concept)日本語で概念実験と呼ぶようになって重要視されるようになった。図表のように、事業コンセプトはテストを通じて検証され、ブラッシュアップされるのだ。このコンセプトテストを十分に行わず、開発を開始したり、新コンセプト事実上断念し、過去の延長線上のビジネスを行うことが多い。成長する事業はコンセプトテストを行い、課題を明確化し、その課題解決を通じて組織を進化させていく。

さて事業コンセプトを行う対象はだれなのだろうか。以下の6つの対象者にと考える。


①想定顧客
②事業に関して見識のある人
③事業に参画するメンバー
④事業立ち上げ経験者や経営者
⑤ アライアンスの可能性のある企業
⑥資金調達先

20200711_事業戦略大学図表第4回

テストでは、大切な事業アイデアやコンセプトが外部の目に触れるため、なんらかの機密管理は必要であろう。しかし、テスト実行の効果は非常に高い。機密の問題にしっかりと対処して、市場でのテストを行うべきである。テストした事業コンセプトの見直し、向上につながるような、事業戦略計画を策定する上で貴重な情報がたくさん得られるからだ。


テストでは複数の事業コンセプト案を試すのが好ましい。なぜならば、たとえそこではコンセプトが受け入れられなかったとしても、修正の方向性が把握しやすくなるためである。また、被調査者にわかりやすくコンセプトを伝えるために、それなりの工夫が必要になる。支援者や事業の内部の方には、本書で示したコンセプトシートを活用し、外部の顧客や取引先候補であれば、顧客向けにカタログ化したものがよいと思われる。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?