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主に宇和島周辺で偲ばれる二つの「大番」と、休刊が確定した週刊朝日に連載されてた「大番」と、テレビ版は田所さんこと渥美清の出世作になった「大番」と、いわゆる大判焼と呼ばれるものになったものとの関係。
話はまた時事ネタからなんとなくはじめてみる。
山藤章二も去って裏も寂しくなった週刊朝日が
中身のペラい写真誌AERAな成れの果てと天秤
かけられて休刊するそうで。
で個人的にはナンシー関が「小耳にはさもう」を
連載していた雑誌でやれやれよく保ったよな、
って感じなのですが、確かに小説も数多掲載されていた
雑誌で、それが意外と最近話題にしている話と
関係のある話なんだ、って展開を付けていこうかと。
連載陣はアレも含めて見たいと思わせるメンバーに
乏しいなあ。下野さんが連載してるのはなんとなくまだ
そこに拘(こだわ)ってるのか、って感じもしますけど。
まだ全通しておらず渡船までしてた北海道西部の3桁
国道レポを含めた3ケタ国道本は意外と読めた印象が
あるんですけど。
焼け太り3ケタ国道275号線。|torov|note
でウィキペにもあるこの小説。
清く正しい獅子文六の大衆小説なわけですが、何度も映画には
なってる。けど小林信彦の『おかしな男、渥美清』(私は
新潮社版で読んだけど、ちくま文庫に入ったのか)でも
ターニングポイントとばかりに、テレビドラマで渥美清が
有名になった出世作だとこれでもか、と書いてあった印象が強い。
ちなみにこれを原案にしちゃった薄謝協会は柄本佑まで
使ったのに、トキオオデンピック礼賛でゴリ押したので
小林信彦が嫌がって原案に下がってしまったんだっけ。
あのしつこくしつこく東京オリンピックの時は騒音が
ひどくほとほと呆れて一つも観なかった、とことあるごとに
文句を垂れる小林信彦なのをてんで知らないド阿呆が
おそらくゴロつきとしていたんでしょうな、と。
でその件の「大番」。
noteで惜しいところまで切り込んでいるのはこれだっけ。
呼び名問題|マエダ食堂|note
で、「惜しい」ところをかすっているのは、実はここ。
愛媛を舞台にした『大番』
こと愛媛は松山と大洲の中予地方と宇和島の西予地方とで
文化が違う。
一番わかりやすいのは鯛めしが違う。
中予は炊き込むタイプだけど、西予地方(宇和島)の
鯛めしはワッキーが昔ハマった通り少し調味液に漬けた
鯛の刺し身を御飯にかける「究極の卵かけご飯(TKG)」
ともよばれるタイプ。
もともと西に転封された大名で唯一生き残れたことで知られる
宇和島の伊達藩の治めた土地で、高野長英や村田蔵六を手篤く
庇護し、脱藩した坂本龍馬を上手く軌道に載せに行った
気候風土と文化があるので愛媛でも宇和島は別格、別の
クオリティを持ったものと認識しておくことが大事。
で、『大番』のメインステージはこの宇和島だったと。
でタイトル通り「主に宇和島周辺で偲ばれる二つの「大番」
と、」って話になるわけですが。
それでもあまり宇和島には滞在できなかったので、
お菓子の方はあまり触れてないんだな。
確かに「大番」が映画化した記念で作られているの
は確かで、食レポとしてはこちらの方が優秀だろう。
製造元はこちらか。
でもう一つの「大番」の方がまだちゃんと呑んだことがあると。
松山を訪れたときに宿から歩いていったのはここ。
むろん太田和彦も訪れていた蔵元屋で幾らか引っかけ
ながら(むろんその前の高松はうどんばかり食べてた反動で)、
愛媛の地酒を幾つか選んでサッサと送ってしまおう、と考えて
テイスティングした上で、一つは宇和島の方にあるお酒にしようと
セレクトしたのがこの「大番」の大吟醸でした。
http://toranoo.com/item/大吟醸 大番
で、なぜそんな「大番」が例の大判焼と関連するのか、の
糸口は先程の呼び名問題にもあるけど、詳しくはここの部分。
東にも西にも見られる「大判焼」という名前。「週刊朝日」に
1950(昭和30)年から連載された獅子文六の『大番』が由来。
この小説の舞台となった愛媛県にあるメーカー「松山丸三」が
回転焼をつくる機械を製造。『大番』にちなんで回転焼を
「大判焼」と名付け、大判焼の製造機として全国に販売しました。
というわけで、大判焼が全国区になったのです。
まあテレビに踊らされる人がいかにも飛びつきやすく、かつ
火が付きやすいのがこのテのものの名称問題とブームなので、
こないだコメントで思わず「釣られたくないネタがキタ」と
してたのは、まあそれも含まれていたりすると。
あなたのお名前なんてーの?|さぼてん主婦|note
主人公はヤマ師のギューちゃん、ってヤツでこれがテキ屋の
寅さんの原形の一つでもありうるわけですが。
まあそんな感じで一通り連環させておくのも悪くはなかろうか、
といふあたりで。「大番」を巡る今は一見バラバラになって見える
ものをなりに、の形で繋いでみました。