赤い靴そしてタンバリンそして
この国の母親はもうとっくに
みんないかれちまってる
どっかにいっちまてる
心ここにあらずで
小さなころから
周囲の大量の汚染水の様な連中から
変なことばかり期待され望まれ
それに素直に微笑みながら受け答えするうちに
その毒気に充てられて
みんな多かれ少なかれ完全にいかれちまった
母親のそれは子供にダイレクトに稀釈なしで暗に伝播する
特に女の子には
女の子は図らずも哀しいことにそれに気付いてしまう
母親のそれをふとしたことで見抜いてしまう
それをうっかり表に出してしまったら
大抵それは悲しいことになる
母親は大抵気付いていない
もしくは気付いていない振りをしているか
無意識に意図的に封印している
でも子供のそれによって自分のそれを突き付けられる
一番触れられたくないそれを
一番触れてもらいたくないものにより
ダイレクトに稀釈なしで突き付けられる
そしてそれを多くの場合
あろうことかその子供のせいにして
それをその子供に背負わせようとする
そしてそれを面と向かって表に出すことは絶対にない連中こそが
心優しく自分に対して愛情を抱いているのだと勘違いする
もしくはそうやって己を欺き信じ込む
その連中こそが己をそうさせたのだと言うことも
もはやすっかり忘れてしまったかのように
何故ならそうしなければもうすました顔で存在することすらできないからだ
なんとか修羅場をくぐり抜けた多くのからゆきさんたちがそうするしかなかったように
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