#3 トレーニングの本質を見極める
SNS (Twitter, Instagrams, Facebookなど) の影響もあり様々な情報が手に入りやすくなっています。
トレーニングもそうですが、様々な種類や方法を紹介されているかと思います。
ただ、情報がありすぎて何が良くて何が悪いのか、どのように取り組めばいいのかが分かりにくいですよね。
どの情報も鵜呑みにするのではなく、本質を見極めないといけません。
有名スポーツ選手が行っているトレーニング = 良いトレーニング?
有名スポーツ選手などが行なっているトレーニングや最新トレーニングと言われてテレビやSNSなどのメディアで紹介されているのをよく見ますよね。
それを見た視聴者は、「有名スポーツ選手が実施しているから効果的なトレーニングなんだ」 と言う印象を与えています。
そのトレーニング自体は間違いではありません。ただ、中には 「んっ?」 と思うエクササイズはあります…
良い印象を持った視聴者は周りに 「このトレーニングは○○選手がやっているからいいよ」と言って人づてに広まり、あまり分からないままそのトレーニングを実施してしまいます。
あまり分からないまま行ってしまうと「このトレーニングをやっても効果がなかった」と言って終わるのがオチですよね。
そもそも有名スポーツ選手の身体能力や意識が高いのでどんなトレーニングをしても効果を出すかもしれませんし、専属S&Cコーチのもとその選手のニーズ分析をして計画的にトレーニングプログラムが組み立てられていることもあると思います。
自分の身体的特徴や筋力レベルはどうなっているのか、エクササイズが正確に行われているのか、プログラムが適切に組まれているのか、などが分からない状態ではどんなトレーニングをしたとしても効果を上げることは難しいと思います。
なので、有名スポーツ選手がやっているから「良いトレーニング」とは言えませんし、そのトレーニングが誰でもうまくあてはまるわけではありません。
トレーニングの本質を見極めるには?
じゃーどうするのか?
と言いますと、
解剖学、生理学、運動学、バイオメカニクス、トレーニング科学などといった基本的なS&Cに必要な知識・技術の習得をして、現場経験で実践を重ねる必要があります。
また、そのトレーニングに対して、「なぜ、そのトレーニングが必要なのか?」「なぜ、他のトレーニングではダメなのか?」などの根源的な要因を探し出さなければなりません。
例えば、オフシーズンのサッカー選手に対してスプリント能力に必要な股関節伸展筋群の筋力強化をしていくためにヒップスラストを選択したとします。
様々なエクササイズがあるなかでヒップスラストを選択した簡単な理由として、
・脊柱の負担を減らすこと
・エクササイズが実施しやすい
・大臀筋の動員率が高くなり高負荷をかけやすい
・水平方向(スプリントなど)への移動能力を向上させやすい
可能性がある
・コアリフトの補完トレーニングとして最適?
などがあげられるの思います(少し例が少ないですが...)。
そのような「なぜ、そのトレーニングが必要なのか?」などを明確にして取り組む必要があります。
ただトレーニングをして筋肉に効かせているだけになってしまうと見た目だけが良くなり、トレーニング効果を競技動作に転移しにくくなります。
企業では、トヨタ自動車元副社長の大野耐一氏の著書『トヨタ生産方式』では、「なぜ?」を5回繰り返せば、本質的な原因がわかる、と紹介しています。
これは問題の再発を防止するために、発生した事象の根本原因を徹底的に洗い出すための考え方です。
例えば、「機械が動かなくなった」という問題を解決するために分析を行なっています。
1回目のなぜ:機械が動かなくなったのはなぜ?
2回目のなぜ:オーバーロードがかかったのはなぜ?
3回目のなぜ:十分に潤滑しないのはなぜ?
4回目のなぜ:十分くみ上げられないのはなぜ?
5回目のなぜ:摩擦したのはなぜ?
5回の「なぜ?」を繰り返した結果、問題解決にだどりつきました。
それぐらい根掘り葉掘り聞き出し、その本質的な原因をつかむ努力が必要であると言うことです。
詳しくはこちらの本を見てください。
基礎知識・技術はもちろん必要ですが、「なぜ?」を繰り返して考える力が物事に対して本質を見極める手助けをしてれます。
人の意見や物事を信じることも大事ですが、疑い深く何が真実なのかを求めることも大事と言うことです。
まとめ
本質を見極めることは、トレーニングだけでなく企業や生活の中でも必要不可欠な要素です。
情報をすぐに鵜呑みにするのではなく、一つ一つの情報を疑い精査する必要があります。
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