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#196 おばあちゃんの言葉が消えない。『家を建てる事は命に関わる』

私が小学4年生くらいの時に
        二世帯住宅を建てた。

今ではあまり見かけない建前。 

建築儀礼の一つである《建前》
棟上(むねあ)げとも言うようで
新築の家に災難がないように神に祈念し、
大工さんやお世話になっている人
ご近所さんを呼んで祝宴を行うこと。

私は長女。弟が2人いて
私よりニつ年下の長男が家の一番高いところから

紅白のお餅やお菓子。
お金を白い紙に包んでひねった《おひねり》を

大黒柱である父と一緒に上から下に向かってまいている姿が桜の花を咲かせる

《はなさかじいさん》みたいで
『いいなー!私もやりたいなー!』とうらやましく思った事を今でも鮮明に覚えてます。

たくさんの人で賑わう中、私はあちこちに落ちている使わないであろう木を集めて遊びながら

どうにか上にのぼれないかな?と探しながら

こんな木の箱みたいな所に本当に人が住めるようになるのかな?と信じられなかった。

家を建てる時に、おばあちゃんは方角や
お風呂、トイレの位置をとても慎重に考えてて

良く私に言い聞かせていた言葉は

おばあちゃんが言った言葉を
そのまま書くのは私も怖いので…

ちょっとやんわり私なりに変えて言うと
『家を建てることは人の命に関わる』

でも、本当にそうなったんです。

おじいちゃんは家に新しい家に数週間しか
住めなかった。

その後も私は同じような事を目の当たりにして

子供の私は怖くなった。

その怖い気持ちをもう何十年も待ち歩ってます。

でも、今、考えて見ると

家を建てることは
『何かを残そうとする本能』中には自分の未来に何かを感じる人もいるような気もするし、

私の場合はおばあちゃんの言葉が頭から離れず

私はあえてそう言う人を
自分から見つけていたのかもしれません。

《あっ!おばあちゃんの言った言葉は本当だった》と無意識に答え合わせをしていたように思います。(思い込み、言葉の力は慎重に扱いたい)

と言う事は…

偶然、たまたま。私が勝手に紐づけているだけ。

くらいな気持ちに書き換えたい。

今はあっという間に家が建つ。

昔と今は違う。

私が今、暮らしている家はおじいちゃんが

人に貸す為に建てた家です。私の実家の目の前。

最近、知ったんですが

《いつか私がここに住めるように》と願っていたようで母がその時の話をしてくれて

『〇〇(私ね)あげたくて建てたんたんだよ!』

おじいちゃんは
そんな言葉を残してくれていたようです。

築40年と私と歳が近い家。

もう、だいぶ古い家ですが
   私には最高に暮らしやすい家。

色んな人の想い、
おじいちゃんの人生が詰まった家。

おじいちゃん、ご先祖様に感謝しながら

ここに住めることをにありがとう。

それでは今日も心穏やかに

ポジティブでありますように。

#創作大賞2024 #エッセイ部門

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