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7月10日 ここまでの執筆物の反省会と、今後について

 現在使用している新しいPCで書いてきた作品の反省会を始めます。

 まず、これまでに書いてきた作品と反省点を。

鑑定士ツグミ 表紙絵1

 美術鑑定士を主人公にしたミステリー小説。執筆したのは2008年。色んなサイトで公開されていた小説だったけど、この機会に本にしてAmazonKindleにて公開。長らく無料だった作品だったから、価格は250円とかなり抑え気味にした。
(250円という価格は、Kindleでロイヤリティ70%もらえるギリギリの価格。これ以下だといきなり35%に落ちる)
 内容は色んなサイトで公開されていたバージョンとほぼ一緒だけど、注釈などをかなりたくさん追加された。文章のすぐ側に注釈を入れたので、読んでいてわからない要素は排除されているはず。

 売り上げ:2

 やはり古い作品だったからか、誰からも興味を持ってもらえず、売れたのは2冊だけ。残念。こんなものでしょう。

とらつぐみ日記 表紙絵

 Kindle出版について調べているときに、ブログで書いてきたことをまとめて書籍にしている……という話を聞いて、それじゃ私もやってみよう。とりあえず、2018年頃に書いた内容をざっとまとめて、注釈を入れて販売してみよう……という試みだったが……。

 売り上げ:0

 はい、1冊も売れませんでした。既読ページ数も0。そりゃそうか。ブログで書いたものをまとめただけだもんね。これが売れるようだったら、『とらつぐみ日記2』と続けて出していく予定もあったはあったけど、売れなかったので1冊で終了。
 あと、編集作業に時間が掛かかりすぎた。ざっとまとめてみた結果、全体で691ページ。誤字脱字のチェックに、注釈を入れる作業で、何日もモニターを睨み続ける日々だった。しんどいし、まったく売れなかったのでもうやりたくない。
 「ブログで書いたものをまとめてKindleで出している」と書いていた人は、それで10万円以上も儲けた……とか書いてあったけど、あれは本当かな? どう考えても嘘だよね、あれは。売れるわけないじゃん。

小説『???』

 実は『とらつぐみ日記』と『空族の娘ラーニャ』の間に、もう一冊小説を書いていたんだ。ボリュームは485ページ。
 でもどんな内容なのか、ここで公開することができないんだ。そこは……なんとなく察して欲しい。つまり、そういう内容だから。
 名義も「とらつぐみ」とは別にしたし、宣伝のために新たにTwitterアカウントを作って、そちらで告知をしていた。
 どうしてここまで慎重に区分けしたのか……というところから、内容を察して欲しい。つまり、そういうアレがコレな小説なんだ(アレがコレだから、大人はわかるよね?)。
 さて、売り上げは……?

 売り上げ:7

 これまで、売り上げが「0~1」だったので、それに較べれば売れている……? いや、実は「販売数」が重要じゃないんだ。こちらのデータを見てほしい。

2021年5月17日Amazon売り上げ

 小説『???』は「購入者」よりも、Kindleunlimitedで読んでいる人が圧倒的に多い。どれくらいの規模で読まれたかというと、過去すべてのデータの中で、最大だった月より2倍も読まれた(いきなり棒グラフが2倍の高さになった)。残念ながらロングテール状態は長く続かず、現在は落ち着いているが、それでも数日おきにぽつりぽつりと読まれ続けている。
 Kindleunlimitedで読まれた場合、1ページにつき0.5円だったと記憶しているのだが、そのunlimitedでの収入が多い。実際の販売数よりも、unlimited収入のほうが儲けは上。どれくらい多いかというと、私の執筆物は4年間のトータルでやっと2万円の稼ぎしか出さなかったのだが、小説『???』は1ヶ月半で8000円を稼いだ。つまり、およそ2ヶ月で今までのぶんの半分を稼いでしまったわけだ。
 でも購入者自体は少ない。なぜか? それは内容がアレでコレなやつだから、本棚に残していると「恥ずかしい」からだろう。

 ……ああ、そっか……。やっぱりエロいやつなら売れるか……。逆に言えば、エロいやつじゃない限り、売れないか……。あーそうかそうか。

空族の娘ラーニャ 表紙絵

 すべてゼロから世界観を作り上げ、その上で物語を描いたファンタジー作品。時間が掛かったし、私としてはうまく書けたと思い込んでいた作品だったが、しかし……某コンクールにて一次審査すら通過できず。死ぬほど落ち込んだ。今でもあんまり向き合いたくない。

 売り上げ:1

 『空族の娘ラーニャ』の「省略版」は色んなサイトで公開していたのだけど、しかしそこからAmazonKindleで公開されている「完全版」を買おうと思った人はまったく現れず。
 はいはい、そうですか。要するに、ゴミでした……と。わかったよ。この作品のことは忘れる。だから私の前でこの作品についての話はしないように。話をしたら殴ります。

天子姉妹の祝祭 表紙2

 唐手いぶきが天子サキのお屋敷を訪ねるお話。……私の作品を追いかけている人なんていないだろうから、誰も知らないと思うが、実は『ProjectMOE』と同じキャラクター、同じ世界観で描かれた作品。
 やはり『ProjectMOE』は私の頭の中で引っ掛かり続けていて、どうにかしてシリーズ再開できないだろうか……とその方法を探っている過程の一つ。この作品が正解じゃないとわかっているが、「過程」の一つとして提示したかった作品。
 もちろん、『ProjectMOE』をまったく知らなくても読めるように書かれている。設定を初期化しているので、むしろ知らないほうが良い。

 売り上げ:7月9日公開のため、データなし
※ この記事は7月10日に書いているので、まだ結果が出ていない。

 反省点はね……「面白くなかった」ことだね。うん、面白くなかった。あるとき、何となく「こういう作品を書きたいな」と思って、思った通りの作品を書いたのだけど、書いている最中で「あれ? これ、何が面白いんだ?」と疑問に感じ始め、とりあえず最後まで書いてみたけれども、「あ、これつまらないわ」で終わってしまった。
 いや、書こうとしていたこと自体に間違いはないんだけど、文体が間違っている。こうじゃなかった。これだと、「狭間世界」の幻想的な気風は出てこない。「絵の下手な漫画」を見ている気分。
 挿絵は一杯載せたけれども……あの挿絵が特につまらなかったなぁ……。挿絵を文章中に載せた状態のものを読んでみたけれども、まず枚数が少ない。あと3~4倍の挿絵は必要だった。それに、背景が描かれていない。あれだと「狭間世界」の具体的風景の描写になっていない。特に食事シーンの絵がないのが謎。食事シーンが重要であるはずなのに、肝心の食事シーンがないのが理解できない。書かないと決めたのは私だけども……。
(食事シーンの挿絵がないのは、資料を準備できなかったから。料理そのものは料理本に掲載されているものをそのまま使ったのだけど、写真までそのまま使うわけにはいかない。自分で食材を用意して調理し、資料を作るべきだったが、その経費がもうない。時間も経費もない、ということで、食事カットは断念した。……この判断がいけなかった)
 といっても、私は背景が全く描けない。挿絵制作にあまり時間をかけたくないという考えもあって、キャラ絵を中心にしたのだけど、そのキャラ絵もたいしてクオリティも高くないし、やっぱり面白味に欠ける絵ばかりでつまらなかった。
 ああ、やっぱりちゃんと描ける人を探して、依頼すれば良かったなぁ……。そんなお金もないんだけど。

生き残るために遊べ 表紙2

 「遊ぶ」とはどういうことなのか? これは私なりに「遊ぶ」ということに対する「意思表明」のつもりで書いた本だったのだけど……。

 売り上げ:7月9日公開のため、データなし
※ この記事は7月10日に書いているので、まだ結果が出ていない。

 「遊び」とはなんなのか! という命題を掲げて書いた本だったけれども、まあつまんなかったね。面白くない。だって、書いてあることが何もかも別の本に書いてあることだもの。私オリジナルで出てきたものがほとんど何もない。私の思想はある程度は反映されているのだけど、引用引用の中に、ちらっと挟んだだけ。「編集」にしても出来が悪い。
 書きながら、自分でも「薄っぺらいもん書いてるなぁ」という気分になったよ。読み返してみるとな~んか上から目線でロジェ・カイヨワが書いていたことを引用しているけど、あんなもん、大抵の中学生・高校生はとっくに読んどるわ! 『生き残るために遊べ!』ならではの、まったく新しい思想が本の中にぜんぜん出てきてない。どの章のどの行を見ても、どこかで見た内容の引用。読み返してみて、自分でクラクラしたもの。なんてつまんねーもの書いちまったんだ……と。
 IQ低い人がどうのこうのとか書いているけど、書いている人間のIQが一番低そう、というのがこの本のオチだった。


執筆予定だった作品を振り返る

 ここからは、次に描く予定だった作品にどんなものがあったのか、を紹介しよう。ちなみに、この予定リストは去年9月の時点で作られていたもの。

『???』
『???』

 実は小説『???』と同じ路線の作品はあと2本用意されていた。でも執筆には入れず。

『小説 大江戸百姓一揆戦記 ファームファイター』

 タイトルから察しの通り、コメディ作品を書くつもりでいた。

『小説 イケメン・ハンター』

 ちょっと不思議な作品を書くつもりだった。内容はタイトルからわかるとおり、イケメンをハントする人のお話。今の説明から、内容想像できる?

『巨人の街/魔王暗殺』

 短編小説。関連のない2本だが、Kindle本として出すにはちょっと短すぎるかな……ということで、1冊にまとめて出版するつもりだった。

『サーラとガーディ』

 こちらはゲームシナリオ。短編作品の予定なので、タイミングが来たら書こう。

反省会 やっぱり自分で絵を描いたのが良くなかった

 では反省会。
 私は上に掲げた執筆予定作品を、今年3月までにすべて書く予定でいた。ところが、7月になった現在、その半分も達成することができなかった。実は小説執筆そのものは深刻な遅れは発生していなかった。ほとんどは当初予定していた日数通り仕上げられていた。
 唯一遅れたのは『空族の娘ラーニャ』。『空族の娘ラーニャ』は資料が多く、検証しなければならない要素が多かったので、予定日数をはみ出してしまった……といってもめちゃくちゃに遅れたわけではなかった。
 ではなぜここまで時間が掛かってしまったのか? それは私が自分で絵を描き始めてしまったからだ。絵を描くのは2年ぶりだったけども、まさかここまで絵を描くのが遅かったとは……。
 小説『???』には表紙イラストを含めて3枚の絵が描かれたが、この3枚で長編小説1本分の時間を消費。つまり、

500ページの小説=3枚のイラスト

 イラスト3枚と、小説500ページぶんが同じだけの時間が掛かる。これが絵描き一般的な労力の指標になるかどうかはよくわからないけど……。私の場合は、これくらい時間が掛かってしまっている。とにかくも、絵を描くのが遅い。

 『天子姉妹の祝祭』は本編が100ページほどだったので、表紙絵イラストと挿絵で本編の何十倍もの時間をかけてしまった……。しかもできあがった絵がたいして面白くない、というオチ。
 やっぱりロクに絵を描けない人間が、自分でも描こうとしちゃダメだわ。私が絵を描くというのが一番ダメ。私の絵はつまらない。ちゃんと絵を描ける人に描いてもらうべきだった。そのぶんのお金をきっちり用意してから、制作に臨むべきだった……。そのお金をどこから工面してくるのか、が問題なんだけど。
 絵を自分で描かなければ、「3月まで」という目標は流石に無理だったけども、7月頃には予定していた作品をすべて書き終えることは、確実に可能だった。絵を描き始めちゃったのが失敗原因。


 AmazonKindle書籍の点数を増やしてみよう……という試みだったが、結局の所、失敗に終わった。予定していたすべての本を出すことはできなかったが、結論だけは出た。出したほとんどの書籍はまったく売れず、まったく読まれず、私にほとんど収益をもたらさなかった。  ただし、小説『???』を除いては。
 データを見ると、これまでに出したほぼすべての本は誰も購入していなければ誰も閲覧すらしてないのだけど、ただ1本だけ小説『???』だけはずーっと閲覧されている。売れてないけど、Kindleunlimitedで閲覧されている。
 私がこうしてAmazonKindle本を増やそうと考えたのは、今後の創作資金の問題を、少し楽にできないか……と考えてのことだった。すると小説『???』と同じ路線の作品を投入することが妥当……ということになる。
 小説『???』がこんなふうにロングテール状態に入りかけた頃から思っていたことは、「もしもこれが小説ではなく、漫画だったら?」。小説はやっぱり読むのに時間が掛かる。読み始めるのが億劫……という人はいる。でも漫画だったら気軽に読める。読む人は絶対に増える。そこで小説『???』の「漫画版」を発表しよう……と考え始めていた。
 でも私は漫画が描けない。描けないことは2年前に証明された。描けない人間が無理して描こうとすると、絶対に失敗する。体壊すし、作品自体をダメにする。すると描ける人に依頼して描くべきだが、いったいいくらお金が必要なのか……。
 という試算はすでに出したのだが、まずモノクロ原稿の相場がだいたい1万~3万円。だから30ページ描いてもらおうと思ったら90万円が必要。……そんなお金、どこから出しゃいいんだ……。
 もしもの話で、漫画を描いてもらったとしよう。それを500円で販売した場合、回収するには……2752冊売ってやっとトントンになる。2700冊も売らなくちゃいけないのか……。
 90万円のお金をバイトで作ろうと思ったら、ざっくり1年分働かないと無理(自分の生活もあるからね)。1年働いて、そのお金を投資して、2700冊以上も売らないと回収できない……と思うと、なかなか勇気出して踏み切ろうとは思えない。漫画描いてもらう計画は、ちょっと夢の話だね……。どこかで挑戦してみたい気もするけど。
 私、こういうお金の問題で引っ掛かるの、本当嫌い。仕方ないんだけど。

今後について……

 まずは仕切り直し。計画は失敗だった。バイトして貯めた軍資金はすでに底をついてしまったので、いったん創作から離れて、働きに出なければならない。といっても、前回のように「パソコン一式、全買い換え」とかじゃないから、まるまる1年離れる……ということはない。
 エロ路線は確実にお金になることがわかった。というか、エロ以外金にならない。キャンセルされた作品から、『???』シリーズは書こう。ここから出る収入が、後々の創作の源泉になるかも知れない。
 エロ小説の漫画化もまじめに考えておこう。漫画家にお渡しするためのお金をバイトして貯めたほうがいいかも知れない。これは検討に入れておこう。

 というわけで、8月から働きに出ます。さよなら。

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