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スピッツ「俺のすべて」 薄い胸を焦がす これが俺のすべて

ライブで何度見たことだろう。
草野さんがタンバリンを持ち出して、リズミカルに振り出したら、この曲「俺のすべて」の始まりだ。会場は最高潮に。実に楽しそうだ。

そして、静寂をつくり出し、終わったかのように見せかけて、再スタートする「燃えるようなアバンチュール・・・・」。この瞬間が楽しいのよ。

ゴースカ広島での「会場7位」で俺のすべては、キタな!って感じで、めちゃくちゃ盛り上がりましたね。

香川のテアトロンでも海をバックに「俺のすべて」。夕闇の中で「俺のすべて」。最高な瞬間だったなあ。

さて、歌詞を探っていきます。
このように前置きが長い時は、だいたい解釈が難解なことが多いです・・・。すみません。

シングル曲「ロビンソン」のカップリング曲で、B面を集めた「花鳥風月」(1999年3月発売)の5曲目に鎮座しています。

この「俺のすべて」の表現しているものは、非常に難しいのですが、独断と偏見で切り取れば「片思いと卑屈」では?

「歩き疲れて へたり込んだら 崖っぷち
微笑むように白い野菊が咲いていた
心のひだに はさんだものは
隠さなくてもいいと 河の真ん中
光る魚がおどけるようにはじけてる」

心に秘めた誰かに対する思いを抱えている「男」のようなものが浮かんできませんか?白い野菊(このロックテイスト曲に不似合いな)や光る魚に励まされないと決断もできないような弱気そうな「男」。

でもなあ、2番だとずいぶん雰囲気が変わるんですよね。

「俺の前世は たぶん詐欺師かまじない師
たぐり寄せれば どいつも似たような顔ばかり」

この部分で判断すると、ずいぶんと軽薄そうな男が急に出てきます。

「でかいパズルのあちらこちらに
描き込まれたルール」

難解な問題に、さらに難題を課していくような八方塞がりなイメージかしら?

「消えかけたキズ かきむしるほど
おろかな恋に溺れたら」

・・・・・・・。分かりません。

「何も知らないお前と
触れてるだけのキスをする
それだけで話は終わる
溶けて流れてく」

ここ、勝手に想像してみると、ポスターに貼っている推しアイドル的な存在と触れてるだけのキスを勝手にする・・・とか?
それだけで話は終わる 溶けて流れてく → マスターベーションは終わる
ってこと?

想像の中での恋で、1人で盛り上がって、それだけで終わることしかできないどうしようもない男の話かしら?
それが「うすい胸を焦がす」の答えなのかなあ。

「山のようなジャンクフーズ
石の部屋で眠る
残りものさぐる これが俺のすべて」

最後はなんだか、徹底的にむなしい描写をもってきているね。
「片思いと卑屈」・・・いや、「妄想と卑屈」ぐらいか?

そっか、この歌詞で、ライブはこんなに盛り上がっているのか・・・。
不思議な歌詞で、聴き手をけむに巻く草野さんマジック。

2022年7月27日 トラジロウ

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