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中学の担任に「数学が壊滅的にダメ」と烙印を押された子供が大人になりフリーランスになった末路

二月がやってきた。

毎年、この季節が憂鬱だ。

フリーランスにとっては

一年の収支売上を
税務署に申告する
「確定申告」
この、2月~3月は

一年の中でも最も憂鬱な時期ではないだろうか。


そして、今年も無理だった。

スマホでの確定申告。

毎年頑張って、e-Taxまでは開いてみるんだけど
全然できない。

マイナンバーのアプリを入れて
連携まではできたけど、結局ダメだった


確定申告


やったことをある人はわかるだろうけれど

とにかく面倒くさい。


いや、なんでもない人には
なんてことないのかもしれないが


私のような
“数字”に抵抗のある人間には

鬼畜の所業と言っても言いくらいのものである。

一般家庭にパソコン(インターネット)が普及し

個人がスマホを持つようになって

税務署は“スマホで確定申告”を推すようになってきた。

むしろ

“スマホで確定申告できないやつ、マジでザコ”

くらいに思っているかもしれない。


私はいわゆる、その“ザコ”なので

毎年、税務署にいって

会場で確定申告を行う。


確定申告に行くだけマシだと思う。

脱税をしていないんだから。

そこはほめてもらいたい。


だが、ほめるどころか

税務署の人は

あらら、という顔をして

「パソコンで、できないんですか?」
と、言う。

あれが、本当にツライ。

マウントとられるとか言う話ではない。

できて当然、あなた若いのになんでできないの?

他の人はみんな、スマホでやってるけど?

ノータリンなのかしら?


そう言われているみたいでツライ。


学生の頃を思い出してしまう。

どんなに勉強しても
数学のテストが、赤点しかとれなかったこと。


あれを
思い出して
心臓がいたくなる。



私は毎年、この時期、税務署で
ハラスメント受ける。



テクノロジーハラスメント

略して「テクハラ」


Google先生によれば「テクハラ」とは、テクノロジーハラスメント(もしくはテクニカルハラスメント)の略語。
PC操作他、スマートフォン、タブレット端末等機器の扱いが不得手な人物へのいじめや嫌がらせのことを指し テクノロジー関連のパワハラの一種だと言われています。



と言うことだ。


税務署で、必ず

「来年から、家でやってみてくださいね!」と言われるから

毎年、頑張ってやってみる。

でも、できないのだ。



税務署からのハガキ(確定申告のお知らせ)には

驚愕の文言が書かれていた。



「確定申告は、スマホで!自宅から!」




書き方が上から過ぎる。



なぜもっと、優しく書けないのだろうか?


「確定申告、スマホでやってみよう!」

とかにしてくれ、せめて。



罪悪感がハンパない。



ハガキにはこうも書いてある。


“申告書作成会場では
原則スマホによる申告になります”



とうとう人類は、スマホが無ければ
生きていけなくなってしまったのかもしれない



スマホを持っていない人はどうするのだろう?

この脅しみたいな一文は要るのだろうか?

おじいさんや、おばあさんにも
このハガキ送っているのだろうか。


わたしの住んでいる荒川区は
「高齢者に優しい地域づくり」
「職人も多く、個人事業主を応援します!」
など言っているが

はて、果たして本当にそうなのだろうか?


高齢者や
パソコンに詳しくない人たち
脳の発達などの関係で
数字に典型的に弱い人たちへの
配慮が皆無だと強く感じる。


////


ところで、私は中学の頃の担任に

「三橋は、なんらかの障害あるかもね。
数学、全然わからないから」

と言われたことがある。

(私がこどものころと言うのは
今のように「発達障害」などという言葉は使われてなく「しんしょう」とか「知恵遅れ」なんて呼ばれていた。学校教員にも、こういう配慮に欠けた人は大勢いた)


発達障害というと
「ADHD」とか「ASD(アスペルガー・自閉症)」などが有名だけど

「LD」と、いうのがある。

これは、学習障害のことを指す。

全般的に知的な発達には遅れはないものの、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算・推論する」といった能力に困難が生じる障害で

例えば、文字などの認識が苦手だったり
数字が苦手だったりなど
様々である。

知的に遅れはないから
なかなか気づかれにくいけれど

クラスに必ず、一人はいる。

私は、小学生の中学年で
「算数」についていけなくなった。

「距離と道のり」の単元を習った時から
もう、算数のテストはほぼ一桁だった。

中学の時の担任(数学教師)は
家庭訪問で、私の親に「三橋は障害があると思う。数学が壊滅的にセンスない」と言い放った。

(ちなみに、その先生は、いろいろな失言でクビになって異動してしまったが…)


うちの母親は、それを受けて笑っていた。

「はっはっは!親に似たんですね!私も数学苦手です!遺伝ですね!!!」


ただ、私があまりにも
できないので、塾に通わせてくれたりもしたが

やっぱり数学は壊滅的にダメだった。

百人一首は100首覚えているし
国語や社会などの暗記系は
90点以下を取ったことはなかったので

勉強ができないわけではなかった。

ただ単に

数字が苦手なのだろう。

高校に入ってからは、もっとも酷く

テストでは
“どれだけ勉強しても”

10点以上取ることはできなかった。

(公式は完璧に覚えていたので
テストの裏に公式を全部書いて
なんとか努力点…という同情点をもらっていた)



さて、話が少しずれたが



確定申告をやりはじめて
10数年が経過した。

数字が本当に苦手な私は

確定申告が苦痛だと、毎年漏らしていると

知人から

「そんなに苦痛なら税理士でもつけるか、プロに頼めば?」と言われるようになった。


ぶっちゃけ、そんなに売り上げがない。
だから自分でやるしかないのだ。


わたしにとって
確定申告というものは

多分、定型発達人の脳みそでは
理解できないくらい

難解で、苦痛なのだ。



「そんなに苦痛で仕方ないなら
確定申告なんてしなきゃいいんじゃない?」
とも言われるが


過去に、税務署の人が、家に来て
脱税疑惑をかけられた過去があるので

(計算が大きく間違っていただけだが)

ウン万円を、納税した時に
「脱税だけは、絶対しないようにしよう」と心に決めたのだ。





二月の中旬になると
毎年、心がガサガサして
数学のテストの答案が返ってくる日みたいに
泣きたくなる気持ちを抑えながら
帳面とにらめっこする。



多分、税務署の人は

わたしのように

数学が、苦手な人間がいることを
知らないのだと思う。

年齢や見た目で判断しないでいただきたい。



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でも、税務署で一緒に申告手伝ってくれる職員のみなさんには、いつも、感謝しています。

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